新年度がスタートし、新しい環境に慣れるのに必死な毎日を過ごしている方も多いでしょう。そんななか「なんとなくやる気が出ない」「疲れやすくなった」「眠れない」といった症状に悩まされている人もいるかもしれません。

実はこれ、「5月病」の可能性があります。

本記事では、5月病とは何か、かかりやすい人の特徴、主な症状、5月病の対策をお伝えします。5月病は無理をすると症状が悪化してしまう恐れもあるため、注意が必要です。

本記事で紹介することを参考に、5月病を乗り切れるよう身体をいたわりつつがんばりましょう。

5月病とは？かかりやすい人の特徴を紹介

5月病とは、5月頃に起こりやすい心身の不調のことです。環境の変化へのストレスから、意欲低下やうつ症状などを引き起こします。

5月病にかかりやすいのは、一般的には下記のような人です。

• 真面目
• 几帳面
• 責任感が強い
• 人見知り

新しい環境に馴染めない、もしくは馴染もうと頑張るあまり疲れが溜まることで症状が出てしまいます。上記の特徴に当てはまる人は、ストレス発散が苦手だったり新しい環境にうまく適応できなかったりしやすく、5月病にかかりやすいです。

5月病の主な症状

5月病の主な症状をご紹介します。

• 気分が落ち込む、やる気が出ない
• 不安感が強くなる
• 疲労感が抜けない
• 頭痛や吐き気などの身体症状
• 不眠や食欲不振　など

放っておいても自然に治ることもありますが、人によっては症状が悪化してしまい「うつ病」に陥ってしまう恐れがあります。もし症状が酷い・良くなる気配がない場合は、医療機関に相談しましょう。

5月病になる前の対策

5月病にかかる前に実施しておきたい対策を6つご紹介します。

• 規則正しい生活リズムを保つ
• まとまった睡眠時間を確保する
• 適度な運動と栄養バランスの取れた食事をする
• ストレスを解消する
• 打ち込める趣味を見つける
• 人とのコミュニケーションを大切にする

1つずつ解説していきます。

規則正しい生活リズムを保つ

5月病になる前の対策として、規則正しい生活リズムを保つことをおすすめします。なぜおすすめなのか、その理由は以下の2点です。

1. 体内時計が整い、心身の健康が保たれるから

生活リズムが不規則だと体内時計が乱れ、イライラや憂鬱感といった5月病の症状を引き起こします。そこで大切なのが、規則正しい生活です。

早起きを心がけたり夜更かしを避けたりすることで調子が整いやすくなり、心身の安定につながります。

2. メリハリのある毎日が送れ、ストレス耐性がつくから

「今日は〇〇を実施する」など計画を立てて1日を過ごせば生活にメリハリがつき、やるべきことに集中できます。達成感も得られ、自己肯定感が高まるでしょう。

生活リズムを整えるのは、心身の健康維持だけでなく、ストレスへの抵抗力を高める意味でも重要です。5月病予防のために、規則正しい生活を心がけてみましょう。

まとまった睡眠時間を確保する

5月病を予防するうえで、まとまった睡眠時間の確保は大切です。睡眠時間が十分に取れていないと寝不足の状態になり、ストレスを感じやすくなります。また集中力も低下し、判断力も下がってしまうでしょう。

睡眠時間が短いとボーッとしてしまい、些細なことでイライラしたり判断力が低下したりと、5月病にかかりやすい状態になってしまうのです。

5月病を予防するためにも、睡眠時間はしっかりと確保しましょう。寝る時間や起きる時間をあらかじめ決めておき、ダラダラと夜更かししないことも大切です。

適度な運動と栄養バランスの取れた食事をする

運動不足や偏った食事は心身の調子を狂わせるものです。不摂生を続けていると、5月病にかかってしまいかねません。そこで大切なのが、適度な運動と栄養を考えた食事です。

適度な運動は、脳内の血流を良くし、ストレス解消につながります。気分転換にもなり、ポジティブな気持ちにもなれるでしょう。通勤・通学で1駅分歩いたり昼休みにストレッチをしたりするなど、対策を行いましょう。

糖質やカフェインの摂り過ぎなど、食事にも注意が必要です。ご飯など炭水化物を食べ過ぎたりコーヒーを飲み過ぎたりしないよう心がけましょう。栄養バランスを意識して自炊をしたり、野菜が多く出てくる飲食店を利用したりするなど食生活にも注意が必要です。

ストレスを解消する

自分なりのストレス解消法を見つけることも、5月病対策をするうえでおすすめです。ストレスを溜め込むと、さまざまな不調の原因になります。

下記のような、自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。

• 趣味の時間を持つ（スポーツ、音楽、読書、料理など）
• 友人や家族とおしゃべりする
• アウトドアで自然を楽しむ
• お風呂でゆっくりリラックスする
• ストレッチやヨガで体の緊張をほぐす　など

こまめに息抜きを行うことでストレスが減り、5月病にかかるリスクを抑えられます。

打ち込める趣味を見つける

ストレス解消の項目でも触れましたが、5月病対策として趣味を見つけるのもおすすめです。たとえばスポーツを楽しんだり歌を歌ったり、新しいことを学んだりすることなどが挙げられます。

夢中になって取り組めるものがあれば、一時的にストレスから解放された時間を過ごせるでしょう。また趣味を通じて目標を達成すれば自己肯定感も高まり、ストレス耐性の向上が期待できます。

人とのコミュニケーションを大切にする

5月病の予防には、人とのコミュニケーションを大切にすることも効果的です。5月病が発症する原因のひとつに「新しい環境にうまく馴染めない」ことが挙げられます。

つまり、人とのコミュニケーションを意識して周囲に馴染むよう努力すれば、5月病にかかるリスクを抑えられるのです。

また信頼できる人ができれば、何かあっても悩みを相談できるため心が軽くなります。新しい学校や職場の人に積極的に話しかけていったり、ランチや飲み会に誘ったりしてみましょう。

5月病になった場合の対策

ここからは5月病にかかってしまった場合の対処法を4つご紹介します。

• 自分の気持ちを言語化する
• 周りの人に相談する
• 医療機関を受診する
• まとまった休みを取る

どうすれば5月病に対処できるのか、詳しく見てみましょう。

自分の気持ちを言語化する

5月病になってしまった場合の対策として、自分の気持ちを言語化することをおすすめします。自分の気持ちを書き出してみることで状況を整理でき、自分を客観視できるからです。

自分の気持ちというのは、意外と自分でも正確に把握できていません。そこで自分が思ったこと・感じたことを書き出すことで自分の感情を言語化して、気持ちを整理できます。

周りの人に相談する

5月病になってしまった場合は、周りの人に相談することもおすすめです。一人で抱え込まずに周りの人を頼ることで、気持ちが軽くなったり状況が改善したりする可能性があります。

ここで重要なのが、直前に紹介した「自分の気持ちを言語化する」ことです。相談する場合に内容が「なんとなく辛い」だと、周りの人もアドバイスをしにくくなります。しかし自分の気持ちを正確に言語化しておくと、周囲の人も的確なアドバイスがしやすいです。

家族や友人、先輩など、信頼できる人に自分の現状を相談してみましょう。

医療機関を受診する

5月病の症状が重い場合は、医療機関の受診をおすすめします。5月病は症状が重くなると「うつ病」になってしまいかねません。

症状が重くなると日常生活に支障が出てしまい、就業継続が難しくなる恐れもあるほど怖い病気です。症状が軽いうちであれば、早めに医療機関を受診することで重症化を防ぎ、回復に向けた行動を起こしやすくなります。

5月病は目に見えるケガや高熱といった症状が出てこないため、自己診断が難しいです。「まだ大丈夫」と思っていても、ある日突然体調が悪化することもあります。早めの医療機関の受診を心がけましょう。

まとまった休みを取る

医療機関を受診した結果、治療が必要と判断された場合はまとまった休みを取り、治療に専念しましょう。医師の診断書があれば、会社に休職を相談しやすくなります。

心の不調は長引きやすく、無理を続けるとある日突然動けなくなってしまうこともあります。こうなると長期間の療養が必要になり、回復まで時間とお金がかかってしまうでしょう。

休職が必要と判断されたら会社と相談し、まとまった休みを取ることが大切です。症状が軽いうちは、有給を取得してリフレッシュするのも良いでしょう。

5月病を抜け出すための考え方

5月病から抜け出すうえで重要な考え方を4つご紹介します。

• 自分の状態を客観視する
• 完璧主義をやめる
• 周りの助けを得ることを恐れない
• 新しい環境にゆっくりと適応する

5月病だと思ったら、症状が軽いうちに対策を取りましょう。「5月病になる前の対策」で解説した内容に加えて、ここで紹介する「考え方」を覚えて実践し、5月病から抜け出してください。

自分の状態を客観視する

5月病から抜け出すためには、自分の状態を客観視することが大切です。5月病の症状に苦しんでいると、物事を悪い方向にばかり考えがちです。

そこで、一歩引いて自分の状態を見つめることで、現実的な判断ができます。

また客観的に自分の状況を把握することで「今、自分はどのような状態か」「何が必要か」が明確になります。そこから、具体的な解決策を考え、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

自分の状態を客観視する方法をいくつかご紹介します。

• 自分の気持ちを言葉にして書き出してみる
• 理想の状態と現状を書き出して比較し、何が足りないか考える
• 自分の思い込みを排除して、客観的な事実を書き出す
• 信頼できる人に相談相手となってもらう

自分の気持ちを書き出していることは、自分を客観視するうえで大切です。紙はもちろんパソコンやスマホ・タブレットでも良いので、自分の気持ちを言葉にしてみましょう。

また信頼できる人から、自分の状態について客観的な意見をもらうことも重要です。自分にはない考え方や視点に気づくキッカケになり、心が軽くなるかもしれません。

完璧主義をやめる

5月病を抜け出すためには、完璧主義をやめることも大切です。「こうしなくてはいけない」「〇〇するべきだ」といった信念を持つことは良いですが、こだわりすぎると自分が苦しくなり、達成できなかったときに心を病んでしまいかねません。

完璧に信念や目標を達成しようとせず、ある程度は自分を許すことも大切です。たとえば自分が持っている合格ラインやルールの基準を少し下げたり、周りの人と比較せず自分が達成できそうかどうかに焦点を当てて目標設定をしたりしましょう。

周りの助けを得ることを恐れない

5月病を抜け出すためには、時には周りの助けを得ることを恐れない姿勢が大切です。

人間は社会的な存在であり、他者との関わりのなかで支え合うことで心身の健康を維持できます。一人で抱え込むと行き詰まりがちな問題も、友人や家族など周囲のサポートを受け入れることで、新たな視点や解決策を見つけやすくなります。

仮にその場で良い解決策が出てこなくても「自分には相談できる人がいる」と思えば、心も軽くなるはずです。必要であれば、病院を受診するなど専門家の意見を取り入れる姿勢も重要です。

新しい環境にゆっくりと適応する

5月病を抜け出すためには、新しい環境にゆっくりと適応していくことが大切です。「はやく新しい環境に慣れなければ」と焦ると、物事がうまくいかないときに自分を責めてしまい5月病にかかりやすくなってしまいます。

まずは「ゆっくりと新しい環境に馴染めば良い」と、考え方を変えるところから始めてみましょう。また達成しやすい小さな目標を設定していくことで成功体験を積みやすく、自己肯定感の向上も期待できます。

5月病になったら適切に対策をとろう

本記事では5月病の対策について解説しました。5月病は心身にさまざまな不調をもたらすものです。睡眠時間を確保したりストレスを解消するため趣味に打ち込んだり、規則正しい生活を心がけたりして予防しましょう。

もし5月病の症状が現れたら、無理せず周りに相談したり病院を受診したりすることも大切です。

なお、どうしても新しい環境に馴染めず困っているのであれば「転職」も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。転職アプリ「ミイダス」は、あなたの特徴と企業の社風とのマッチングを重視している転職支援サービスです。

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