最近、書籍や情報メディアなどでも注目されている「移住」。 コロナ禍により、これまでのワークスタイルを含めたライフスタイルを根本的に考え直したという声も聞かれ始めて、移住という選択肢もぐっと身近なものになってきました。
しかし、移住に憧れはあるものの、疑問や不安もいっぱい。
- 編集部員A
- 移住には興味あるけど、分からない事だらけ。欲しい情報を気軽に入手できる場所があったら良いのに...
- 編集部員B
- 有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」に行けば、地方移住に関する情報が得られるらしいです。
- 編集部員A
- へー!行ってみたい!でもいきなり行っても大丈夫? 予約は必要?まだ移住をするかどうかも決まってないのに相談に乗ってくれるの?
そんな疑問を解決するため、ミイダスマガジン編集部がふるさと回帰支援センター内に窓口を設ける「ひろしま暮らしサポートセンター」を徹底取材!
今回お話を聞かせていただくのは、ひろしまライフスタイリスト・移住相談員の森上陽子さん。窓口の概要や利用方法、得られる情報や移住希望者が受けられる具体的な支援について詳しく教えていただきました。 人気移住先のひとつである広島県。その魅力や人気の理由などについても「移住者目線」で聞いてきました!
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「ひろしま暮らしサポートセンター」って、どんなところ?
- 編集部員A
- 森上さん、まずは「ふるさと回帰支援センター」、そしてその中にある「ひろしま暮らしサポートセンター」について教えてください。
ふるさと回帰支援センターとは?
この場所を運営しているNPO法人ふるさと回帰支援センターができたのは2002年と伺っていますが、広島県がここに「ひろしま暮らしサポートセンター」を開設したのは2014年の10月です。現在ではほとんどの道府県がここに窓口を設置していますので、こちらにお越しいただければ、さまざまな地域の移住に関する情報が得られます。
相談に来る人の数
コロナによる緊急事態宣言の影響で4月、5月はセンター自体が休館していたからか、6月は相談件数が増えました。それ以降も多くの相談をいただいています。
相談に来る人の家族構成・年代
ご家族やご夫婦で移住を考えている方と単身者の方、同じぐらいの割合ですね。また、UターンよりIターンの相談が多いです。年代に関しては20〜40代が多く、最も多いのは30代です。
コロナの影響はあるのか?
コロナの影響に関して言えば、コロナが後押しになって移住を考え始めたという方もいれば、逆の考えの方もいると思います。今のところ、コロナによる影響を実感できるほどの増減はありません。
「ひろしま暮らしサポートセンター」で相談後、実際に移住した人の数
昨年は81世帯です。ただ、ここに相談に来た後、ご自身で移住を進めている方も多いはずですので、正確にはもっと多くの方が移住していると思います。
「ひろしま暮らしサポートセンター」の利用方法
- 編集部員A
- 「ひろしま暮らしサポートセンター」の利用方法を教えてください。
- 森上さん
- 現在はコロナ禍ということもあって、お電話やメール、WEBサイトで事前予約をしていただいたうえ、お越しいただいています。 1組あたりのご相談時間はおよそ1時間ですが、場合によっては2時間以上お話しさせていただく場合もあります。それぞれ移住に対する希望や条件も違いますし、「移住相談は人生相談」みたいな部分もありますからね。私もついつい話し込んでしまうんです(笑)
- 編集部員A
- 移住の意思や条件がある程度固まってから相談した方が良いですか?
- 森上さん
- いえ、そんなことはありません。「まだ移住するかどうかわからない」「広島に住むかどうかも決まっていない」という方でも大丈夫ですし、「移住に対して漠然としたイメージしかない」という方でもOKです。 「窓口で相談」というと少し身構えてしまうかもしれませんが、気軽にお越しいただければと思っています。皆様のご要望や条件に応じて、さまざまなサポートをさせていただきます。
人気移住希望地、広島。その理由とは?
- 編集部員A
- 広島県は移住希望地として人気が高いと聞きました。ふるさと回帰支援センター(東京)の移住希望地ランキングでも、近年は常に4位〜6位と上位にランクイン。2019年は長野県に次ぐ2位を獲得しています。人気の理由は何でしょうか?
- 森上さん
- まず、人気の理由は仕事にあると思います。 移住希望者の方々のボリュームゾーンは20代〜40代ですので、「どのように生計を立てるか」ということが重要になります。広島には多くの企業が集う都市があるので、仕事の選択肢が広いという特徴があります。
都市部と観光地や自然豊かな場所へのアクセスが良いことも広島の魅力の一つです。都市部に住んでいても気軽に自然を楽しむことができます。逆に、自然豊かな場所に住みながら都市部の会社に通うこともできます。
広島は海も山もあり豊かな自然に恵まれています。さらに県外に足を伸ばせば、四国や瀬戸内の島へも日帰りで行けますからね。それに食べ物も美味しいんです。有名な瀬戸内のレモンやリンゴなどの果物、野菜、魚の種類も豊富です。このような美味しい食材が産直市やスーパーの産直コーナーで安く手軽に手に入ります。
多様化する、理想のライフスタイルやワークスタイルを受け入れられる土壌が広島にはあると思います。広島に移住してからスキーや釣りなど、新しい趣味を始めたという方も多いんですよ。
移住を実現するために。どのようなサポートをしてくれるのか?
就業サポート
就業サポートに力を入れています。県にも就職・転職に関するアドバイザーがいますし、人材紹介会社とも連携しています。 また、私達も独自で動いています。広島県下の企業に私達の取り組みをご理解いただいたうえで、現地企業と移住希望者のマッチングを行うこともあります。また、県庁職員が企業の代表の方に直接お話を伺い、企業紹介や求人内容の記事を作成して、窓口やホームページで紹介しています。
広島県には全国的に有名な企業が多い!
私たちは「オンリーワン・ナンバーワン企業」と呼んでいますが、独自の技術を持っている企業や、特定分野で高いシェアを誇る企業がたくさんあります。 例えば自動車のマツダ、ジャムで有名なアオハタ、100均ショップのダイソーを運営する大創産業も広島県内に本社を構えています。その他にもオタフクソースやサッカーボールのモルテン、福山市にはJFEスチールの製鉄所があります。 ものづくり系の企業を中心に、数多くの優良企業が集結しているのも広島県の特徴です。
暮らしのサポート
広島県にはエリアごとに私たちの活動に協力いただいているコーディネーターの方がいて、移住希望者の方や実際に移住された方々のサポートをしてくれています。 移住後も地域のキーパーソンやコーディネーターの方の助力があると、地域独自のコミュニティなどに入りやすくなりますからね。現地とのネットワークを使って、あらゆるジャンルの方とおつなぎすることができますので、遠慮せずにご相談ください。
家探し・子育て情報などのサポート
家探しのためのサイトのご紹介のほか「古民家を買ってDIYでリフォームしたい」という方であれば空き家バンクをご紹介することもあります。 子育てに関しては自治体ごとの担当部署におつなぎしています。「広島県での子育て」ということであれば私も経験者なのである程度はお話できます。 また、仕事、住居、子育てなど、テーマやエリアごとに移住希望者の方々のためのイベントを行うことで幅広い情報をご提供しています。
移住希望者向けイベントの開催
現在はコロナ禍なので基本はオンラインイベントになりますが、概ね週1回のペースで開催しています。 県や自治体、コーディネーターなど地域のキーマンとなるさまざまな方の話を聞いていただけます。また、コーディネーターとオンラインで話をする事も可能です。 お陰様で多くの方々からご好評の声をいただいており、5月以降に開催しているオンラインイベントには毎回、平均30名以上の方にご参加いただいています。
その他のサポート
広島県への移住を考えている首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)にお住まいの方々に対し、広島訪問の際の片道交通費を支援する制度もあります。 また、LINEを活用して、ひろしまライフスタイリストのキャラクターである「あびぃちゃん」によるAI移住相談が受けられるシステムもリリースしました。今後、本格的に運用していく方針です。
私は広島のどこに住むのが良いでしょうか?
- 編集部員A
- 広島への移住に興味があります。でもUターンでもないと、土地のことも詳しく分からないので、いろいろ不安です。そんな私にオススメの場所を教えてください!
- 森上さん
- はい、わかりました。広島に行かれたことはありますか?
- 編集部員A
- はい、仕事で何度か。広島市、三次市、福山市、あとは大崎上島(瀬戸内海芸予諸島の島)にも行きました。
- 森上さん
- いろいろ行かれていますね。どこが一番良かったですか?
- 編集部員A
- 大崎上島ですかね。島がいいです。
- 森上さん
- 風景がいいですもんね。島であれば瀬戸内の風景に囲まれながら暮らせますよ。あとはお仕事ですね。
- 編集部員A
- やっぱり島暮らしを希望すると仕事の幅は狭まりますか?
- 森上さん
- 業種や職種のご希望によっては狭まる可能性もありますね。でもやりがいのある仕事もあると思いますよ。最近ではリモートワークが可能という方も多いですから、移住前の仕事をそのまま持って来られる方もいます。それなら好きな場所に住めますよね。時々東京に行かなければならないという場合は、空港や新幹線の駅にアクセスしやすい地域を選ばれる方もいますよ。
- 編集部員A
- 広島で仕事を探すとなると、都市部に近い島を探した方がいいでしょうか。
- 森上さん
- そうですね、たとえば広島市内に住んでも週末に瀬戸内の島々を楽しむことは可能ですし、橋で繋がっている島も多いので、島に住みながら市内まで車で通勤する方もいらっしゃいます。
- 編集部員A
- フェリー通勤って、時間はどのくらいかかるんですか?
- 森上さん
- 例えば江田島から広島市のフェリーで30分ほどですね。 あと、広島市以外のエリアでは尾道市の近くのしまなみ海道にある、向島・因島・生口島などは、本土まで橋が架かっているので、尾道や福山の会社にも車で十分通える距離です。
- 編集部員A
- 島暮らしかぁ...海なし県在住なので憧れます。通勤時間を1時間ぐらいと考えれば、島はもちろん海側、山側、いろんな場所に住めそうですね!
「ひろしま暮らしサポートセンター」に行ってみて思ったこと
「移住相談は人生相談」とおっしゃっていた、ひろしま暮らしサポートセンターの森上さん。地域の暮らし、住まい、仕事、子育てなど、ジャンルを問わずどんなことにでも親身になって答えていただける懐の深さが印象的でした。移住に興味があるという方は、ぜひ足を運んでみてください! 私たち「ミイダス」も、地方への移住希望者の皆さんを就業面で強力にサポートしていきたいと考えています。 「全国どこででも、働いて笑える」そんな社会を目指して...。
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