働き方の多様性が広まるなか、会社員をやめて起業する人が増えています。脱サラして起業する場合、どのような仕事だと始めやすいのでしょうか。

この記事では脱サラ起業のメリット・デメリットに加えて、おすすめの仕事や脱サラ起業でありがちな失敗を避けるポイントについて解説します。いまの仕事をやめて起業を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

脱サラ起業のメリット

会社員をやめて起業する“脱サラ”には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

収入の枠がなくなる

脱サラ起業のメリットは収入の枠がなくなることです。サラリーマンの場合、会社の役職や勤務年数に応じて昇給することはあっても、収入の上限は定められています。

脱サラして起業することは自分の能力やアイデア、努力次第で収入を大きく伸ばせるのが魅力です。成功すれば、それに見合った報酬を得られるため、収入の枠に関係なく増やせられる可能性があります。

自由な時間が増える

脱サラ起業は自分の働く時間や休日、働く場所を自由に決められるのもメリットです。通常のサラリーマンとは異なり、起業家は自分のビジネスのニーズや自身のライフスタイルに合わせて営業時間を調整できます。

業態によっては働く場所も自由に選べるので、自宅やカフェ、共同オフィスなど、自分にとって働きやすく、生産性が高い場所での仕事が可能です。

人間関係のストレスを軽減できる

脱サラして起業することは、人間関係に縛られないのもメリットの1つです。サラリーマンとして働く場合、上司の指示や評価に左右されたり、部下との意思疎通などが困難なこともあります。

起業するとビジネスの主導権を握れるため、自分が選んだパートナーや顧客との関係のみに注力できます。これによりストレスが少ない人間関係を築けられ、ビジネスの展望も一段と広がるでしょう。

脱サラ起業のデメリット

脱サラ起業には多くのメリットがありますが、自由度が高まるぶん、それに伴うデメリットも存在します。それぞれを詳しく解説します。

収入面での不安

脱サラ起業の場合、基本的には自ら仕事を獲得しなければならないため、仕事がないと収入が得られないのがデメリットです。 また、取引先によっては収入の支払い時期が異なるため、入金が遅れることもあります。

収入と支出のスケジュールを把握しておかないと、マイナスになるリスクもあることを忘れないようにしましょう。

責任が伴う

脱サラ起業では、自己責任が求められます。一般的なサラリーマンの場合、仕事上のミスや問題が生じたら基本的に会社がその責任をカバーすることが多いです。

しかし、脱サラ起業の場合は仕事上の失敗やトラブルは、すべて自分で解決策を見つけて対処しなければなりません。失敗すればリスクや損失を負うことになるので、常に緊張感が伴うでしょう。

キャリアアップにつながりにくい

脱サラして起業することには、キャリアアップにつながりにくいというデメリットがあります。成功すれば収入や自己実現の面で大きな満足感を得られます。

しかし、通常の組織内での昇進や地位の向上とは異なるため、起業成功後に再び転職を考える際は不利になる可能性もあります。転職を考えたときは、起業家としての経験や成果、スキルを活かせる職種を選ぶのも1つの選択肢です。

脱サラ起業におすすめの仕事10選

脱サラ起業におすすめの仕事を解説します。何の仕事を始めたらいいのかわからない方は、興味のあることや自身のスキルに合わせて選ぶのがよいでしょう。

物販・ネットショップ運営

ネットショップは店舗を持たなくても、ネットショップ作成サービスを利用して誰でも開業できます。低コストで開業でき、失敗してもリスクが少ないので、手軽に始められるのがメリットです。

また、在庫を抱えずに販売する方法や、一部の業務を外部委託する方法もあります。そのため、複数の事業の掛け持ちや、最初は副業として始めるのもおすすめです。

小売業

コンビニ、雑貨店、自動車販売、レンタカーサービス、リサイクルショップなどの小売業は、多くがフランチャイズ展開されており、脱サラ起業したい人におすすめの業種です。 フランチャイズに参加すると、すでに確立されたブランドやビジネスシステムに基づいてビジネスを行えるのがメリットです。

また、ブランドの知名度や信頼性を得やすいため、廃業リスクを減らし、安定した収入が期待できるでしょう。

SNS運用代行

SNS運用代行は、企業や個人のSNSアカウントの管理を委託され、コンテンツの投稿作成やフォロワーとのコミュニケーションなどを代行する仕事です。報酬は1つのアカウントで月に約2,000〜3万円ほどで、案件の内容やアカウントの規模によって増減します。

また、フォロワーや閲覧数に応じて報酬が変動する場合もあります。複数の企業からの依頼があれば、月収100万円ほど稼ぐことも可能です。

Webライター

Webライターは、Webサイトのコラム記事やニュース記事など、オンラインで文章を執筆する仕事です。パソコンとネット環境があればできる仕事のため、開業資金をほとんどかけずに始められます。

文章のジャンルは自分の興味や得意な分野から選ぶことも可能です。初めは収入が少なくても、経験やスキルを積み重ねることで報酬を増やすことが可能です。

Webデザイナー

Webデザイナーは企業や個人からの依頼を受けて、Webサイトのデザイン制作を担当する仕事です。同じ料金でもスキルやクライアントからの信頼度によって報酬が上がることがあります。

広告バナー、Webサイト、ランディングページなどの制作などがあり、最も高いランディングページの作成料金は15万〜100万円ほどです。

プログラマー・システムエンジニア

プログラマーは、プログラミング言語を使ってシステムやソフトウェアを開発する仕事です。一方で、システムエンジニアはソフトウェア開発のプロセス全体にわたり、設計から保守まで幅広いタスクを担当します。

プログラミング言語やIT関連の専門知識やスキルを必要としますが、習得すれば長期的に安定した収入が期待できます。

農業や漁業などの一次産業

農業や漁業、酪農などの一次産業で、脱サラ起業するのも1つの選択肢です。これらの分野では一定の知識やスキルが必要ですが、年齢に関係なく始められ長期的に続けられる魅力があります。

都市部に住んでいる人が地方に移住する場合、適切な知識やスキルを身につけることで、自由な働き方を実現できるでしょう。

動画制作・編集

Web上で動画コンテンツを制作・編集する仕事は、無料の編集ツールを使えば誰でも簡単に始められる仕事です。特別なスキルや資格は不要でパソコンさえあればどこでも作業ができるため、在宅や外出先からでも行えます。

動画広告など高単価の案件をもらうためには、スキルを磨き、経験を積んでいくことが大切です。動画編集のマニュアル本で学んだり、他のプロフェッショナルからアドバイスを受けることでスキルを磨けるでしょう。

営業代行

営業経験があり成果報酬で実績を積んできた人は、知識やスキルを活かせる営業代行の仕事がおすすめです。この仕事は事務所や店舗を持つ必要がなく、比較的少額の初期投資で始められます。

報酬は契約によって異なりますが、成果報酬や月額固定報酬が支払われるのが一般的です。また、一部は固定報酬、残りが成果に基づく報酬として支払われる場合もあります。

介護事業

介護事業は社会貢献度の高い仕事で、今後も成長が見込まれる分野です。高齢化社会に伴い需要が拡大していますが、同時に人手不足も深刻化しています。

介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格が求められるので、事業を始める前に必要な資格やライセンスを取得するか、専門のスタッフを雇うことを検討しましょう。

脱サラ後にやるべきこととは？

サラリーマンは会社で税金や保険などの手続きを行いますが、脱サラした場合、すべて自分で手続きをしなければなりません。脱サラ後にやるべき手続きについて解説します。

健康保険・年金の切り替え

脱サラした場合、これまで給与から天引きされていた保険や年金はすべて自分で国民健康保険や国民年金に移行し、自分で支払いを行う必要があります。

加入方法や手続きは地域によって異なるため、それぞれの役所や保険機関、年金事務所に相談してみるとよいでしょう。

開業届の提出

脱サラ後、起業したり、個人事業主として開業したりする際には税務署に開業届を提出する必要があります。開業届の提出期限は、事業を開始してから1ヵ月以内なので早めの手続きを行いましょう。

開業届は、新たな事業が開始されたことを税務署に通知するもので、届出を怠ると罰則が課される場合があるので注意が必要です。

確定申告の準備準備

個人事業主になると、確定申告が必要です。これは1年間の収入や支出、利益を報告し、税務署に所得税などを支払う手続きで、これにより納税額が確定します。

税理士に依頼すれば手続きがスムーズに進みますが、自分で行う場合は領収書の保管や決算申告書などの準備が必要です。前もって必要なものをそろえておくと安心でしょう。

脱サラ起業でありがちな失敗を避けるポイント

脱サラ起業は準備不足で失敗するケースがよくあります。以下では、脱サラ起業でありがちな失敗を避けるための対処法を解説します。

開業資金の準備

脱サラ起業を検討する前に、開業資金の準備など資金繰りをしっかりと確認しましょう。起業する際は開業資金や運転資金として、最低でも半年分の資金を準備することが望ましいです。

資金が不足していると焦りや不安が生じたり、本来、やりたくない仕事を受けなければならない場合もあります。また、開業資金とは別に生活資金も用意しておくことで、私生活に余裕が生まれるでしょう。

ビジネスモデルを計画

起業する際には情報収集と計画立案が必要です。情報収集を通じて、自身がどのような仕事をやりたいのか、また成功しやすいビジネスモデルが何なのかを検討する必要があります。

具体的には起業に必要な資金や原価、費用の見積もり、見込まれる利益を詳細に計算します。また、競合他社や市場動向などの情報を収集し、自身のビジネスがどのような位置づけになるかを理解することも大切です。

マーケットの動向をチェック

起業するマーケットの動向は常にチェックしておきましょう。市場環境は日々変化しており、競争や顧客ニーズも常に変動します。 業界のニュースや専門誌、市場調査レポートの分析、SNSやオンラインコミュニティなどの情報発信の活用もおすすめです。

マーケットのトレンドや競合他社の動向を把握し、それに応じたビジネス戦略を行うことが成功への鍵となります。

適職診断を受験

脱サラして起業を考える場合、適職診断を受けるのがおすすめです。適職診断を受けることで、自分の興味や能力、価値観に合ったビジネスアイデアや起業の方向性を見つける手助けとなります。

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診断結果では自己理解を深められるだけでなく、自分の強みや弱みを把握し、それを活かしたビジネスの立ち上げや経営に役立てられます。

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将来的に脱サラ起業を検討している人は、転職もおすすめ

脱サラして起業する人は多くいますが、同時に失敗のリスクがあることを忘れないようにしましょう。ありがちな失敗を避けるためには、念入りな準備と計画性が大切です。

また、自分は何の仕事が向いているのか適性を知ることは特に重要といえるでしょう。ミイダスのコンピテンシー診断を活用し、自分の強みや向いている仕事を把握しておくのがおすすめです。

また、ミイダスの「バイアス診断ゲーム」では自分がどのようなバイアス（思い込み）を持っており、うまくコントロールするにはどうすれば良いのかがわかる診断サービスです。 これらのサービスはミイダスに登録すれば誰でも無料で利用できます。

また、将来的に起業を考えている方は、興味のある業界に転職してスキルや実績を積むのもよいでしょう。

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