「栄養士の仕事とは何か、理解を深めたい」
「栄養士として仕事をしたい」

このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 栄養士になるには、資格を取得しないといけません。資格を取得していない方は、まずは資格の合格を目指してみましょう。

本記事では「資格を取ったあとはどのような組織で働けるのだろうか」と悩んでいる方に向けて、栄養士の就職先別に仕事内容を紹介しています。 すでに栄養士として働いている人はもちろん、これから栄養士の資格を取得して就職・転職したい人にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

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栄養士の仕事内容は職場によって異なる

栄養士は職場によって仕事内容が大きく異なる場合があります。ここでは、栄養士が活躍できる可能性がある下記の職場で、どのように栄養士の知識を活かせるのか解説します。

• 学校
• 保育園・幼稚園
• 給食会社
• 病院
• 福祉・介護施設
• 保健所
• スポーツ関係の現場
• 飲食店
• 食品関連企業
• 研究機関

仕事内容について、個別に詳しく解説します。

学校

小〜中学校で働く栄養士（管理栄養士）は、「学校栄養職員」とも呼ばれます。生徒の発育を考慮した、栄養バランスの取れた献立を作成したり、食材の調達や調理の指導、衛生管理などを行ったりするのが主な仕事です。

また、食物アレルギーがある子どもに対応した献立を作成したり、特別な支援が必要な養護学校などでは、子どもが抱えている障害に配慮した献立を立てたりすることも求められます。

保育園・幼稚園

学校に入学する前の子どもが通う保育園・幼稚園でも、栄養士は活躍します。 保育園・幼稚園では昼食に加え、おやつや（場合によっては）夕食の献立を考えるのが仕事です。

栄養士として必要な栄養が摂れる献立を考え、食材を調達し、調理する必要があります。 好き嫌いが激しい子どもでも美味しく食べてもらえるよう、工夫が求められる職場です。

また、食物アレルギーを持っている子どもに配慮した昼食・おやつを提供したり、保護者向けの食育便りを作成したりすることも求められます。

給食会社

企業の社員食堂や学生食堂なども、栄養士の働く場所です。 生活習慣病にならないよう栄養の摂れる食事を作ったり、工場で働く人が元気になるようボリュームのある食事を作ったりすることが求められます。

学生食堂の場合は、小〜中学校と同様、栄養バランスへの配慮が必要です。 予算内で栄養のある食事を提供できるよう、仕入れ原価を考慮した献立を作成することも求められます。

また一度に大量の食事を作るため、異物が混入したり傷んだ食材を使用して食中毒が発生したりしないよう、細心の注意を払う必要もあります。健康被害のリスクを防ぐため、職場の衛生管理を徹底して行うことも栄養士の重要な仕事です。

病院

栄養士は主に患者への食事提供を行います。栄養価の高い食事を作り、療養中の方が元気になるのをサポートします。

なお、患者への栄養指導や栄養管理は、管理栄養士の仕事です。 患者によっては柔らかい食事しか食べられなかったり、流動食しか食べられなかったりする人もいるため、一人ひとりに合った食事を作ることが求められる仕事です。

また、患者の治療計画に沿った食事の提供を求められるため、医者や看護師との連携も求められます。

福祉・介護施設

高齢者向けに、バランスの取れた食事を提供するのも栄養士の仕事です。年齢の高い人向けに食事を提供するため、喉に詰まりにくい料理を出したり歯がなくても食べやすい食事を作ったりなど、特別な配慮が必要です。

人によって状態は異なるため、その人に合った食事を提供することが求められる職場といえます。また職場によっては看護師や介護士、理学療法士など他職種の人とも連携を取りながら食事内容を考える必要があります。

保健所

保健所で働く栄養士は公務員のため「行政栄養士」と呼ばれることがある仕事です。 地域の住民向けに栄養相談を行ったり、健康作りをサポートする講座を開いたりします。

また給食施設向けに、献立や衛生管理の指導を行うこともあります。 地域で暮らす住民や働く人が安心できるよう、公衆栄養に関するさまざまな業務を行うのが栄養士の仕事です。

スポーツ関係の現場

スポーツ選手の栄養管理をサポートするのも栄養士の仕事です。選手が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、食事管理や献立の作成を行います。

選手がケガをしたときに治療食を作るため、スポーツドクターや理学療法士と連携することがあります。また、該当のスポーツに関する知識を持っていたり、選手と良好な関係を築く必要があるため、勉強やコミュニケーション能力が求められたりする職場です。

飲食店

レストランやカフェなどの飲食店でも、栄養士の知識は役立ちます。特に近年は健康を意識する人が増えています。 お客様の需要に応えられるヘルシーなメニューを開発するなど、管理栄養士の知識を活かして活躍できるでしょう。

栄養を意識した献立を作成するだけでなく、調理のスキルも他の職場より求められやすいです。

食品関連企業

ダイエット食品や健康食品を開発している企業に入社するのも、栄養士のキャリアのひとつです。市場で求められる商品を開発するため、営業やマーケター、研究者などと連携して企画を立て、新しい商品を開発します。

栄養士として、エビデンスにもとづいた安全な食品を開発することが求められる仕事です。企業によっては、マーケティングのスキルやプレゼンをはじめとしたビジネススキルも鍛えられるでしょう。

研究機関

栄養士は、大学や国の研究施設などで働く場合もあります。研究者として食品や保健、福祉、スポーツなど栄養に関する領域の研究を行うのが仕事です。

栄養に関する新しい発見をできる可能性もあり、知識の追求や研究に没頭したい人に適しているでしょう。研究機関によっては別の組織と連携して地域活動を行うなど、研究力だけでなくコミュニケーション能力をはじめとしたビジネススキルも求められます。

栄養士と管理栄養士の違い

栄養士と混同されやすい資格に「管理栄養士」という資格があります。対応できる仕事内容や資格の取得方法などに違いがあるため、混同しないよう注意しましょう。

仕事内容の違い

栄養士と管理栄養士が担当できる仕事内容は、ほとんど同じです。ただし医療機関で栄養指導を行う場合は、管理栄養士が担当する必要があります。

たとえば、病気療養を行っている人で特別な配慮が必要な場合、栄養指導を行ったり食生活を改善するための企画を立案したりするのは、管理栄養士でないと担当できません。

資格取得方法の違い

栄養士の資格を取得する場合、栄養士を養成する学校（専門学校、短期大学など）で専門課程を取得し卒業する必要があります。

一方で管理栄養士の場合、栄養士として3年以上の実務経験を積んだうえで、国家試験に合格することが必要です。もしくは栄養士の資格を所有している前提で、管理栄養士養成校で4年以上学び、専門課程を習得し、卒業後に国家試験に合格することで管理栄養士の資格を取得できます。

どちらも国家資格という点では共通していますが、管理栄養士は栄養士の上位資格という位置づけです。

資格発行元の違い

実は栄養士と管理栄養士では、資格を発行している組織が異なります。 栄養士は各都道府県の知事が資格を発行しているのに対し、管理栄養士は厚生労働省の大臣が資格を発行しています。

栄養士の給与・働き方

令和5年の賃金構造基本統計調査によると、栄養士の平均賃金は390.2万円*という結果が出ています。国税庁の調査では、令和4年12月末時点では日本で働く人の平均給与は458万円という結果がわかっており、栄養士の平均賃金のほうがやや低いといえるでしょう。

ただし国税庁のデータをよく見ると、男性の平均給与は563万円、女性は314万円となっています。栄養士の男女比率に関するデータは確認できませんでしたが、「女性が多いため栄養士全体の平均賃金が全体よりも低い」という可能性も考えられます。

また390.2万円というのは、あくまで栄養士全体の平均です。就職先の組織や勤続年数、役職などによっては、栄養士の平均給与よりも多く稼ぐことは十分可能です。

*出典：栄養士｜jobtag
**出典：令和４年分　民間給与実態統計調査｜国税庁

栄養士のキャリア

栄養士のキャリアプランは、所属する企業によって大きく異なります。一般的な会社員と同じように企業で働く場合は、組織内での昇進・出世を狙い、部下のマネジメントを行う方向に進むことになるでしょう。

栄養士として専門性を突き詰めるなら、管理栄養士の資格を取得したり食品関連企業にて栄養の専門家として就職したり、研究機関に入ったりするのもありです。

他にも独立するのもひとつの手です。プロスポーツ選手の専属栄養士として活動する人のなかには、フリーランスとして個人契約で働く人も珍しくありません。

このように栄養士は、企業で働いたり公務員になったりするのはもちろん、独立して働くことも可能な、働き方の柔軟性の高い職種といえます。

また公益社団法人 日本栄養士会では、管理栄養士・栄養士向けにスキル向上と障害教育制度を設けています。もし栄養士としてキャリアアップ・スキルアップを狙うなら参考にしておきましょう。

栄養士になるには

栄養士の資格取得方法は上述しましたが、ここではより詳細な栄養士のなり方について紹介します。 栄養士の資格は、厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設で2年以上学び、都道府県知事から免許を受けることで取得できます*。

18歳より若い方がこれから栄養士を目指すなら、栄養士の専門学校へ入るのがいいでしょう。入学前に栄養士の資格を取得できるか、毎年何人の在校生が栄養士の資格を取得できているかを確認することが大切です。

社会人として働いている人が栄養士を目指す場合も同様です。まずは栄養士の専門学校へ入学しましょう。

ただし基本的に、今の会社で働きながら専門学校に通うのは困難といえます。なぜなら、栄養士の専門学校には通信や夜間学校がないからです。

そのため、学校に通う資金とその間の生活費を貯めてから、専門学校に通うことをおすすめします。「昼は学校に通って夜に働く」「学校がない休日に働く」という方法もありますが、疲れが溜まってしまい栄養士の勉強に集中できない可能性があるため、おすすめはできません。

*参考：栄養士制度の概要｜文部科学省

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栄養士の仕事とは何かを理解して行動を起こしてみよう

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