今回、ミイダス マガジンに連絡をいただいたのは20代後半の男性。現在MR(CSO業界でのコントラクトMR)の仕事に打ち込んできたものの、将来に不安を感じ始め、転職の相談に乗ってほしいといいます。
「MRは給料がいいから辞められずにいます。転職すると年収が下がるしかないのでは?と不安に思っています。現在私が所属しているコントラクトMR(※1)の企業では大手製薬会社のプロジェクトが終了することで、所属するプロジェクトがなくなり待機状態となっています。待機社員は一定期間給与が支給されるのですが、それ以上待機状態が続く場合、給与が支給されません。このまま不安定な状態であるよりは、30歳までには転職したいと考えているため、MRの転職事例を教えていただけたらと思います」
※1:コントラクトMRとは、CSO(製薬会社の販売・マーケティング戦略を実現するためのビジネスパートナー)に所属するMRのことです。コントラクトMRは、製薬会社に派遣され、その製薬会社の社員と同じように営業活動を行います。派遣という形をとってはいるものの、雇用形態はCSOに所属する正社員で、いわゆる一般派遣スタッフとは異なります。プロジェクト終了後には、その製薬会社の正社員MRとして引き抜かれるケースもあります。
了解しました。では、さっそくミイダスが保有している転職に関するデータを参照しながら、解説することにしましょう。
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MRの転職はほぼ同業種。年収は維持できる?
※MR全体の転職状況MRが転職先に選ぶのは、メディカルが87%。続いてメーカーが5%、サービスが2%と、それぞれ10%未満となっています。職種においても営業系が81%。業種と職種を変えるケースが少ないことがわかります。
他の職種と比べて年収が高いのが魅力のMR。営業職全体の平均年収が、400万円未満が45%、400~599万円が38%、600~799万円が11%なのに比べ、MRの全年代平均年収は400~599万円が51%、600~799万円が24%という具合に給与水準は高めです。
とはいえ、技術系(メディカルなど)への転向が15%あります。CRO業界でのCRA(臨床開発職)採用において、未経験枠として看護師やMR経験者を採用していることが、転職を促しているようです。
MRから技術系等、違う職種へ転職する20代も
※22~25歳MR転職状況年齢別では、若い年代に技術系への転職が少しばかり見られます。22~25歳の方の技術系への転職は26%。技術系のまったく違う職種への転職でも、若いうちであれば採用の可能性は高まります。
30~32歳の場合、業種は90%がメディカル、職種には83%が営業系を選択しています。
43~45歳の転職では、メディカルが97%、営業系が93%。年収1000万円超える高収入を得ている方は34%も。
これらのデータからもわかるように、30歳を超えると他業種への転職率は大きく下がります。家庭を支えたりなど、他業種転職によって給与を下げられない理由もあるのだと思います。
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