新聞でチェック!ワーケーションの動向
旅行先などで休暇を取りながらリモートワークをするのが「ワーケーション」。
コロナ禍の中で急に注目された感じもありますが、実は地方創生の有効な手段として数年前から各自治体で取り組みとしてワーケーション用オフィスの提供など、関連ビジネスが徐々に広がっていました。
まさに「これから」の市場だけに、異業種人材の多様な視点や経験が生かせるので、転職の観点からも要チェック。
というわけで、皆さんの代わりに新聞で関連記事をチェック!ギュギュッとまとめて、ワーケーションに関わる業界・マーケットの動向や、転職の可能性をお伝えしていきます。
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動向1 官民協力でワーケーション事業を推進
和歌山県の南紀白浜や静岡県下田市、長野県などがワーケーションを推進している自治体では、企業と連携して通信環境や会議施設などを備えたワーケーション向けの拠点作りを進めています。
三菱地所は2019年5月、和歌山県の白浜町が整備した建物内にワーケーション向けオフィスを開業。静岡県下田市は2019年7月、サテライトオフィスと宿泊機能を持つ「Living Anywhere Commons(リビング・エニウェア・コモンズ)伊豆下田レジデンス」を開業。同施設は不動産サイト運営のLIFULL(ライフル)が事業主体になり、キャンプ型の宿泊施設を手がけるヴィレッジインク(下田市)が運営しています。
NTTコミュニケーションズは軽井沢リゾートテレワーク協会(長野県軽井沢町)と連携し、同町にワーケーション施設「ハナレ軽井沢」を19年8月下旬に設けた。このほかにもワーケーションの取り組みは各地の自治体に広がりつつあります。
三菱地所は和歌山・南紀白浜でワーケーション向けオフィスを今春開業して参入。今後の需要を見据え、2019年度中に3拠点程度を新たに開設する予定だ。近年、人口減少に悩む地方の自治体も受け皿として力を入れており、官民合わせて多様な働き方を下支えする。
2019/08/21 日経MJ(流通新聞) 5ページ
不動産サイト運営のLIFULL(ライフル)地方創生推進部の小池克典事業責任者は「各地に廃校や廃郵便局などコミュニティーの核になる施設が眠っている。こうしたハードをワーケーション拠点として生かすため、ソフト面の充実も必要だ。」という。
2019/11/05 日経産業新聞 15ページ
動向2 不動産・旅行業界が需要開拓に注力
具体的に業界別で見ると、主に不動産と旅行関連企業がワーケーション市場の開拓に力を入れています。動向1での官民協力の例でも、三菱地所やライフルといった不動産関連企業が事業を手掛けています。
また、東急不動産グループは運営するホテルの一部でワーケーションプランを開始。JTBは2020年7月、新型コロナウイル感染拡大の影響に伴う働き方の急激な変化に対応し、ニューノーマル時代のワーケーションを個人・企業向けに提案すると発表しています。
中禅寺金谷ホテル(栃木県日光市)は客室1〜2室を9月までにオフィスに改装する。デスクや椅子のほか、ホワイトボードやプロジェクターを置き、通信環境も整える。地元企業と組み、アウトドア体験も楽しんでもらう。
2020/08/11 日経産業新聞 17ページ
動向3 アプリやコンサルビジネスも登場
長期滞在に特化した宿泊予約ができるアプリ、宿泊施設向けのワーケーション事業のコンサルティングやマーケティング支援なども登場しています。
ホテル予約の売買サービスを手掛けるCansellは9月から、3泊以上の長期滞在に特化して予約できるアプリ「Ellcano(エルカノ)」を始める。利用者は宿泊を検討する複数のホテルに日程と予算を伝える。ホテル側は条件を提示する。引っ越しの一括見積もりサービスのように比較できる。
2020/08/10 日経MJ(流通新聞) 6ページ
金沢市でゲストハウスなどを運営するグッドネイバーズは、宿泊施設向けにワーケーションなどのコンサルティングを始めた。実際に石川県白山市のスキー場にある山荘が、3年半ぶりに営業を再開。(中略)グッドネイバーズの宿泊の売り上げは前年比で9割ほど減っている。白山市の山荘を第1弾としてコンサルサービスを収益源に加え、売上高全体の3割を稼ぐ目標を掲げる。
2020/08/10 日経MJ(流通新聞) 6ページ
職種について
企画・管理:商品企画・サービス企画、広告宣伝、販売促進・PR、Webマーケティング
販売・サービス職:店舗開発・施設管理、旅行関連、宿泊施設・ホテル
専門職:ビジネスコンサルタント、不動産開発・運用・管理
など
ワーケーション関連ビジネスは生まれたばかりですから、認知度を高め、利用を促すためにはマーケティングや情報発信も重要です。これらの専門人材の需要も高いと見られます。また、IT(情報技術)系職種は重宝されそうです。
ワーケーションには、オフィスや会議室、通信環境といったハード面を整えるだけでなく、チームビルディングに役立つプログラムの提供、地域の人々と交流できるワークショップの開催など、ソフト面の充実も欠かせません。ですから企画経験などが活かせる場面も多いでしょう。
趣味が活かせる可能性も!
ワーケーションを通してバケーション関連の市場も拡大すれば、アウトドアスポーツやキャンピングといった趣味が仕事に活かせるチャンスも広がるかもしれません。
転職先の有力候補:自治体
地方は遊休施設が多く、観光資源にも恵まれていても、これらを活用する人材が足りません。業種にかかわらず、前職のキャリアが活かせる可能性は大きいと言えます。
転職先の有力候補:不動産・観光関連産業
ワーケーション用の施設を提供している不動産や観光関連産業も、新たな人材ニーズが高まっていくと考えられます。店舗や各種施設の開発、新規事業の立ち上げなどの経験は重要なアピールポイントとなりそうです。
- 編集部員
- いかがでしたか?コロナをきっかけに、ワークスタイルやライフスタイルが変化しています。それにともなって有望な業界やマーケットが、新たに誕生するということも。思わぬところに転職のチャンスがあるかもしれません!皆さんの元に送られてくるスカウトをお見逃しなく!
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