「経験はないけれど、IT業界で働くことに興味がある」
「経験者でないと、IT業界への転職は難しい？」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、20代未経験でIT業界へ転職する場合のポイントについて解説していきます。おすすめの職種や必要なスキルについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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20代未経験でもIT業界への転職はできる
結論として、20代未経験でもIT業界への転職は可能です。
IT業界では、専門的な知識や技術が求められることもありますが、次の3つの理由から20代未経験でも転職のチャンスがあります。
年齢が若いとポテンシャルを期待されるから
20代は伸びしろがあり、長期間にわたって企業の即戦力になることが予想されるため、転職市場では需要も高いです。経験やスキルが不十分でも、将来的な成長を期待して採用を決める企業も多いといいます。
また、IT分野について「学びたい」という姿勢や学習意欲が高いことも、20代未経験者の特徴の一つです。新しい環境にも比較的すぐに馴染むことから、そのポテンシャルを期待されて転職時に有利になることもあります。
関連記事：「開発経験」とはどの程度？未経験でITエンジニアに転職する方法も解説
20代の人材を求めている企業が多いから
IT業界では、技術の変化に対応するため、常にアップデートしていく必要があります。そのため、20代ならではの吸収力や柔軟性を見込んで、20代の人材に期待する企業も多いです。
企業の中には、未経験者向けに研修制度や教育プログラムなどを導入しているケースもあり、IT関連の知識や技術について学ぶ環境が整えられています。
20代でキャリアをスタートさせ、将来的には重要なプロジェクトに携われるような即戦力へ成長することが可能です。
関連記事：Webアプリ開発に転職するならミイダス！未経験でも大丈夫なのか解説
人材不足の企業が多い業界なため
日本は少子高齢化などの影響により、人材不足が深刻となっています。
IT業界でも人材が不足しており、経済産業省の資料[注]によると、2030年には約79万人のIT人材が不足するという試算データも出ています。 IT業界は今後ますます成長していくことが予想されているため、20代未経験者でもIT業界で転職するチャンスは多いにあるといえるでしょう。
従来は経験や実績を重視していた企業も、近年は20代未経験者を積極的に採用しようとする動きも見られます。
[注]出典：参考資料（IT人材育成の状況等について）｜経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課
IT業界に転職するメリット
IT業界の転職には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、以下の4つのメリットを紹介します。
- 成長産業で求人数も多い
- 専門的なスキルが身につき、キャリアの幅が広がる
- 柔軟なはたらき方ができる可能性が高い
- 平均年収が高い
それぞれの詳細について見ていきましょう。
成長産業で求人数も多い
前述した通り、IT業界は人材不足の影響により、求人数が多いです。そのため、求職者にとっては、複数の企業を比較したうえで応募先を決められるといったメリットがあります。
また、IT業界はAI、IoT、ブロックチェーン技術、ビッグデータなど、最新技術を活用するシーンも多く、求められる技術も日々変化しています。
将来性の高い成長産業でもあるため、仕事に対するやりがいを感じやすいといえるでしょう。
専門的なスキルが身につき、キャリアの幅が広がる
IT業界での職種にはさまざまな種類がありますが、職種によっては専門資格を取得するような専門性の高いスキルや技術を身につけることができるため、将来のキャリアにも良い影響を及ぼすでしょう。
実績を積むことで手に職を付けることが可能なため、転職先の選択肢が広がるだけでなく、将来的には独立やフリーランス契約といった選択肢を持つことができます。
IT人材は今後ますます需要が高まるため、自身の成長とともに着実なキャリア形成を築くことが可能です。
柔軟なはたらき方ができる可能性が高い
IT業界での仕事は、パソコンを使用して業務を行うケースがほとんどで、企業によっては勤務時間を選べる「フレックスタイム制度」や、リモートワークを導入しているなど、比較的柔軟な働き方ができる職場が多いです。
服装などもスーツではなくカジュアルな服装で出勤できる企業が多いため、「堅苦しい雰囲気は苦手」という方や、事情があって自宅で仕事がしたいという方にとっては、ライフスタイルにあわせやすいといった利点があります。
平均年収が高い
IT業界は、他の業界と比較すると、平均年収がやや高い傾向があります。
dodaの集計による、2024年の「業種分類別平均年収ランキング」では、「IT／通信」の平均年収は460万円という結果で、全体平均年収「426万円（男性：481万円、女性：366万円）」よりも高い数値となっています。
職種別の平均年収については、以下のとおりです[注]。
4業種とも平均年収が前年よりも上がっており、中でも上昇幅が大きかったのは「通信／ISP／データセンター」で20万円アップ、次いで「ITコンサルティング」が19万円アップとなりました。"
[注]引用：業種（業界）別に見る日本の平均年収（平均年収ランキング最新版） ｜転職ならdoda（デューダ）
20代未経験におすすめなIT業界の職種
IT業界には技術系の職種だけでなく、営業やマーケティング、事務やサポート業務といった仕事があります。応募する職種によっては、前職での経験を活かせるケースもあるため、転職もしやすいでしょう。
ここでは、20代未経験でIT業界でのキャリアをスタートするのにおすすめの職種を4つ紹介します。
IT営業
IT営業は、IT製品やサービスを顧客に対して提案したり、販売したりする仕事です。人とコミュニケーションを取るのが好きという方や、顧客のニーズをキャッチするのが得意という方に向いているでしょう。
営業職の経験がある方は、IT業界は初めてという場合でもチャレンジしやすいです。経験を積むことでIT関連の知識も増えるので、将来的にはITコンサルティングへのキャリアアップもできます。
実際に顧客のもとに足を運んで営業するフィールドセールスと、電話やメール、オンラインを活用して営業活動を行うインサイドセールスがありますが、IT業界では比較的インサイドセールスを採用する企業が多いとされています。
営業とは少し違いますが、IT関連のトラブルをサポートする「社内ITヘルプデスク」という仕事もあります。詳しくは下記リンクの記事で解説しています。
関連記事：社内ITヘルプデスクとは？仕事内容や転職するメリットなどを解説
Webマーケティング
IT業界におけるWebマーケティングとは、IT製品やサービスをどのように認知させ、購入してもらえるか、戦略を立てていく仕事を指します。IT関連の知識も必要ですが、データ分析や効果測定が得意な方が力を発揮しやすいです。
分析したデータをもとにプロモーション計画を立てるなど、人と接する機会も多い職種なため、IT業界のトレンドを抑えつつ、新しいことにもチャレンジしたいと考える20代にはぴったりの仕事です。
プログラマー
プログラマーは技術職の一つで、プログラミング言語を用いてシステム開発を行います。
未経験者ではチャレンジするのは難しいと思いがちですが、未経験者向けのオンラインスクールや講座などが開催されており、企業の中には研修制度を設けているケースもあるため、未経験者でもチャレンジが可能です。
IT業界で専門スキルを習得し、IT人材として今後のキャリアパスにも役立てたいという方には、おすすめといえるでしょう。
システムエンジニア（SE）
システムエンジニア（SE）は、顧客の要望をもとにシステムの設計・構築をするのが主な仕事です。専門的な技術や知識はもちろん、プロジェクト管理能力やコミュニケーションスキルが求められます。
未経験者の場合は研修制度を経てエンジニアへと成長することが可能なので、学習意欲の高い20代であれば、チャレンジしてみるのもおすすめです。まずはサポート業務などからスタートし、少しずつ上流の工程に進んでいくという道が一般的です。
関連記事：シリコンバレー帰りのPythonエンジニア。「そんなわがまま言ってたら転職なんて」…できました！！
IT業界の転職で必要なスキル
20代未経験者がIT業界で転職する際は、次の2つのスキルは最低でも持っているのが望ましいです。
- 基本的なPC操作
- コミュニケーションスキル
それぞれの詳細について解説します。
基本的なPC操作
基本的なPC操作は、IT業界だけでなくどの業界においても必須です。
- Word、Excel、Power Pointを使った文書作成
- ファイルやフォルダの作成・管理
- Eメールでのやりとり など
上記の操作は、日常的に行うことがほとんどなため、問題なく使えるようにしておきましょう。Photoshopやプログラミングのスキルなど、上記に加えて専門性の高い操作が可能であれば、転職時に有利になります。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、人間関係の構築や仕事をスムーズに進めるために必要なスキルです。
積極的に人と関わっていくことはもちろん、話を聞く力や相手にとってわかりやすく説明する力などもコミュニケーションスキルに含まれます。 表情や声のトーン、身振り手振りなどの非言語的な要素を意識することも、コミュニケーションスキルで重要なポイントです。
IT業界では人とのコミュニケーションが仕事に大きく関わってくるため、高いコミュニケーションスキルがあればさまざまなシーンで活かすことができます。
20代未経験でIT業界に転職を成功させるためのポイント
これまで紹介してきた通り、20代未経験でもIT業界に転職することは可能です。しかし、転職を必ず成功させるためには、転職の目的を明確にし、事前に準備しておくことが大切です。
IT業界の転職を成功させるためのポイントは、次の5つです。
- なぜIT業界に転職するのか目的を明確にする
- 業務経験やスキルを整理し、経験を活かせる職種を選ぶ
- 基本的な知識を学んでおく
- IT業界の市場・トレンドを把握する
- 長期的なキャリアプランを考えておく
それぞれの詳細について見ていきましょう。
なぜIT業界に転職するのか目的を明確にする
IT業界で働いたことがない場合は、面接で「なぜIT業界で働こうと思ったのか」と聞かれる可能性が高いです。「興味があったから」といった曖昧な動機では、「入社してもまた辞めてしまうのではないか」と思われる可能性があります。
異業種からの転職でIT業界を選んだ理由については、自身の経験なども織り交ぜながら具体的に説明できるのがベストです。
IT業界へ転職する目的を明確にし、入社後に自分がどうなりたいのか、なぜ応募先の企業で働きたいと思ったのか、自分の言葉で説明できるようにしましょう。
業務経験やスキルを整理し、経験を活かせる職種を選ぶ
前述した通り、IT業界には技術系の仕事以外にも、営業やコンサルティング系の仕事、マーケティング系、事務系の仕事など、職種が複数あります。 転職で有利になるためには、前職で培ってきたスキルや経験を活かせるような職種を選ぶのもおすすめです。
営業経験や事務経験があるのであれば、IT業界でも同じ職種の求人に応募すると、「経験者」として評価される可能性があります。今現在、自分にどんなスキルがあるのか、転職するタイミングで改めて整理してみると、応募したい職種や企業が絞り込みやすくなるはずです。
転職を狙っている職種に少しでも関連した業務経験があれば、面接でアピールしておきましょう。
基本的な知識を学んでおく
未経験でも学習意欲があれば採用される可能性はありますが、「入社してから学べばいい」と考えるのはあまりおすすめできません。IT業界に関する基本的な知識については、事前にある程度は勉強しておくといいでしょう。
まず、IT業界には、主に5つの種類があります。
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- 情報処理サービス業界
- インターネット・Web業界
- 通信インフラ業界
それぞれの特徴や事業内容、どんな人が向いているのかなど、IT業界に関する基本的な知識については、あらかじめ把握したうえで転職活動を進めていきましょう。
IT業界の市場・トレンドを把握する
IT業界のトレンドは移り変わりが激しく、数年前の技術は「古い」とされることもあります。新しい技術も生まれているため、IT業界では常に最新の情報をキャッチする必要があるのです。
特にAIやIoT、DXなど、重要な技術について答えられないと、「この業界でやっていけるのか」と思われてしまう可能性があります。IT業界の市場の状況やトレンドについてはしっかりとリサーチし、面接で質問されても答えられるように準備しておきましょう。
長期的なキャリアプランを考えておく
20代未経験の場合は、どの職種を選択すべきか、迷う方も多いかと思います。技術職であれば、特定の分野の専門性を高めて技術力におけるキャリアアップを目指すという道があり、営業であればITコンサルタントとしてのキャリアの可能性も出てきます。
自分が転職先でどんな人材になりたいのか、10年後、20年後にどのような姿でいたいのか、自己分析をしたうえでキャリアプランを立てておきましょう。キャリアプランがあれば企業選びや面接での対応もスムーズに準備できるはずです。
20代未経験でIT業界への転職に関するQ&A
IT業界への転職について、まだまだ疑問に思うことがあるかもしれません。ここでは、20代未経験でIT業界へ転職するケースに関するよくある疑問について紹介します。
Q1：20代であれば未経験でもIT業界へ転職できる？
A1：今回紹介したとおり、事前のリサーチと転職の目的を明確にしておくことで、IT業界への転職が成功するはずです。
「本当に、20代のうちならIT業界へ転職できるの？」と思う方もいることでしょう。しかし、実際に求人情報を見てみると、IT業界で20代未経験者が応募できる求人はあります。
Q2：20代のIT業界ではたらく人の年収はどれくらい？
A2：dodaのデータ[注]によると、「IT／通信」業界における20代の平均年収は387万円となっています。
「IT／通信」業界の平均年収は460万円でした。同調査で20代全体の平均年収は360万円だったため、IT業界の年収は年代別に見てもやや高いといえるでしょう。
[注]出典：業種（業界）別に見る日本の平均年収（平均年収ランキング最新版） ｜転職ならdoda（デューダ）
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20代未経験でIT業界への転職を成功させるためには、まずは自分の強みや特徴について客観的に分析することが重要です。
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まとめ
今回は、20代未経験でIT業界に転職する場合のポイントについて紹介しました。
IT業界は人材不足が深刻化しており、未経験でもチャレンジできる企業が多くあります。前職の経験を活かしてIT業界に転職することもできますので、まずは自分のスキルについて整理し、将来のキャリアプランを立てたうえで転職活動を行ってみてください。
転職活動を効率的に進めたい方には、転職アプリ「ミイダス」がおすすめです。診断系サービスで自己理解を深め、IT業界への転職を成功させてください。
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※本記事は掲載時点の情報であり、最新のサービス内容と異なる場合があります。最新の情報は、必ずサービスサイトでご確認ください。
村井社会保険労務士事務所 代表／社会保険労務士・キャリアコンサルタント・経営学修士（MBA）
総合士業事務所で経験を積み、愛知県豊橋市にて2014年に独立開業。LGBTQ＋アライ。行政協力業務を経験し、あいち産業振興機構外部専門家を務めた。地方中小企業における企業理念を人事育成に落とし込んだ人事評価制度の構築・組織設計が強み。著作に『職場問題グレーゾーンのトリセツ』『職場問題ハラスメントのトリセツ』、漫画『御社のモメゴト』の原作など。