意外と知られていないけど成長中、または今後成長の可能性が高い業界・マーケットをご紹介します。
今回は「シニアマーケット」について。転職を目指すあなたに、市場の動向をレポートします!
マーケットが拡大している新しい分野では、経験者が少なく人材不足ということもあり、狙い目です。業界未経験でもチャレンジできる可能性が高いというわけです。
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シニアマーケットとはどんなビジネス?
シニアマーケットとは、65歳以上の世代をターゲットにした市場のことです。65歳以上の人に向けた商品やサービスなどを提供し、利益を得る。それがシニアマーケットです。
シニアマーケットは医療・介護福祉・生活産業の3業種に大きく分けられますが、「シニア対象の」マーケットということですから、実際にはあらゆる業界が関わっています。
高齢者ビジネスが転職市場で有望な理由
高齢者の人口が年々増加している
2014年に総務省統計局が発表した資料によると、日本の総人口1億2276万人のうち、シニア人口は3168万人。つまり約4人に1人がシニア。今後、団塊の世代が75歳を迎える2025年以降、シニア人口はさらに増加し2035年には3人に1人がシニアになるという時代が到来します。シニア世帯数も増えていて、なんと全世帯の約半分を占めるといいます。
高齢者市場は比較的資金力があるマーケット
シニア世代の家計資産状況は比較的良好で、60歳代の平均で約4,800万円の資産を持っているとも言われています。
厚生年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられ、不安が広がる一方、定年年齢の引き上げや廃止についても検討、実施が進められています。それに加え、65歳以上でも応募可能な求人も徐々に増えていて、求人内容も多様化しています。このような状況の中、65歳以上になっても仕事を継続するという方が増えています。
でも、実はそんなに甘くないんです。
「2006年ごろは団塊世代の大量退職を見据え、シニア消費のけん引役は、お金も時間もある「アクティブシニア」が注目された。高級オーディオ、別荘、豪華クルーズ旅行などが売れるのではないかと売り手の期待を集めたが、出足はパッとせず、期待は一時しぼんだ。高齢化が進み、年金不安が広がったためだ。」(2019年3月27日 日経MJ 流通新聞 003ページ掲載)
「時間とお金に余裕のあるシニアはごく一部。シニアのマス市場を開拓しきれていないのは、この当たり前のことを見落としているからか。」(2018年6月25日 日経MJ 流通新聞 001ページ掲載)
「シニア=お金と時間に余裕がある」という安易な観点では反響は得られず、成功しないというのです。でも、逆にそんな”一筋縄にはいかない”、開拓の途上にあるマーケットだからこそ、潜在的な可能性を感じます。
高齢者の価値観や好みが多種多様となった時代
「こたつでみかんを食べている」そんなシニア像はひと昔前のこと。現代のシニアは仕事や趣味、家庭での役割なども含め、時代の変化と共にライフスタイルの多様化を経験してきた世代でもあり、性別問わず価値観や好みも多様な世代といえます。
「最近、健康志向が強く、インターネットを使いこなして情報を収集する知的な「スマートシニア」が急増している。」(2019年3月27日 日経MJ 流通新聞 003ページ掲載)
という記事。
記事にはさらに、スマートエイジング(=年を重ねることによる体の変化に賢く対処し、知的に成熟すること)という価値観についても紹介し、スマートエイジング志向を持つスマートシニアの心をつかむためのキーワードを
- 1.運動
- 2.認知
- 3.栄養
- 4.社会性
として、「効果とエビデンス(根拠)をしっかりと示さなければ、知的で意識が高いシニアの購買意欲をかき立てられない」と書かれています。
知的で意識が高いターゲット相手に、さまざまなニーズを探り商品やサービスを生み出すことが求められているマーケットです。
シニアの実態を深く理解することが大事だな。
シニアマーケットでの有望職種は?
医療、福祉介護、生活産業と幅広い分野と関わるシニアマーケット。分野によって職種もさまざまです。
- 医療系専門職:医療・看護、薬剤、介護福祉ほか
- 事務:医療事務、介護事務、一般事務など
- 営業:営業全般
- 企画・管理:マーケティング、商品開発、広告宣伝
- 販売・サービス職:店舗・販売、旅行関連、宿泊施設・ホテル、教育関連など
シニアマーケット関連業界では、医療や介護関連資格や知識を持った異業種からの流入人材は優遇される傾向があります。
医療や介護福祉の場合、資格があれば有利ですが、意欲やコミュニケーション能力を重視するポジションでの求人も。また、資格取得支援などにも積極的な企業もあります。応募時には資格がなくても、営業や接客、コールセンターなどで培ったコミュニケーション能力や忍耐力などはアピールポイントになるでしょう。パソコンや経理など一般的な事務スキルも重宝されます。
現在の転職市場においては、「成熟業界から成長業界への異業界転職」が盛んになっている傾向にあります。古い産業が新しい産業に形を変えていく、それに伴って新たな人材が求められています。「業界の新陳代謝」と言えます。
人口のボリュームゾーンがシニアへ移行しているタイミング。各業界においてもシニアマーケットを意識した事業展開は必要不可欠です。今後、ますます各業界でシニアをターゲットにしたビジネスの需要が高まっていくことが予想されます。
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