ITコンサルタントとは、企業が直面する経営課題に対して、ITツールやシステムを活用し、解決策を提案・実行する職種です。ITに関する幅広い知識や提案力が求められる一方で、デジタル化が進む現代では欠かせない職種であり、キャリアアップも期待できる仕事といえます。

本記事では、ITコンサルタントの仕事内容やSEとの違い、必要なスキルや資格、向いている人の特徴まで詳しく解説します。また、ITコンサルタントへの就職・転職先を見つけるための効果的な方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、ITコンサルタントへの就職・転職を考えている方には、自分の適性や資質を客観的に把握できる転職アプリ「ミイダス」の「コンピテンシー診断」がおすすめです。自身に合った職場環境を探す際や面接対策のヒントとして、ぜひ以下より活用してみてください。

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ITコンサルタントとはどんな仕事？基本情報を解説

まずは、ITコンサルタントの仕事内容や似た職種との違い、年収などの概要を解説します。

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、企業が直面する経営課題に対し、ITツールやシステムを活用して問題解決に導く職種のことです。 企業ごとに異なる課題に対して、システム導入のアドバイスから、実際の運用サポートまで幅広い業務を担います。

また、最適なITツールの選定や導入後の効果測定、業務改善策の提案を行う場合もあり、クライアントごとに行う業務は異なります。 なお、コンサルタントの仕事は、職位によってメインで担当する業務や範囲がさまざま。企業により異なりますが、大きく分けて以下の3つです。

▼主な3つの職位と仕事内容

職位	業務内容
アナリスト	情報収集、分析、資料作成、先輩に同行しヒアリング　など
コンサルタント	プロジェクトの進行管理、提案、仮説検証、クライアントとの調整　など
マネージャー	プロジェクト全体の統括、予算管理、チームの成果物の品質管理　など

次の章では、ITコンサルタントの仕事内容と種類について見ていきましょう。

ITコンサルタントの仕事内容の種類

ITコンサルタントは、企業の課題を解決するために、ITやシステムを活用した戦略の提案と実行支援を行います。企業ごとに仕事内容の詳細は異なりますが、以下のような業務が挙げられます。

▼ITコンサルタントの仕事内容の例

• クライアント企業の経営方針や企業課題のヒアリング、要件整理
• IT戦略や具体的なITツール導入の提案
• IT導入に際する業務整備やスケジュールの策定
• プロジェクト全体の進捗管理や、クライアントとの調整　など

また、ITコンサルタントの職種は、メインで扱うシステムや支援する分野によって細かく分かれています。代表的なITコンサルタントの職種名と仕事内容を以下にまとめました。

▼代表的なITコンサルタントの職種名と特徴

職種名	扱うシステム・分野	主な仕事内容
ERPコンサルタント	ERP（経営資源を管理するシステム）	ERPの導入を支援し、経営課題の解決（業務効率化など）を目指す
SAPコンサルタント	SAP（ドイツのSAP社が提供しているERPの1つ）	SAPの導入を支援し、経営課題の解決（業務効率化など）を目指す
CRMコンサルタント	CRM（顧客関係管理システム）	CRMの導入を支援し、顧客情報の適切な管理で営業活動の効率化を目指す
PMOコンサルタント	プロジェクトマネジメント	プロジェクトマネージャーを支援し、進行管理などプロジェクト全体を管理する

各職種によって、クライアントが求める解決策や導入支援の対象が異なるため、実際にどの業務を行うかは企業やプロジェクトによって違います。また、企業によりさまざまなITコンサルタントの仕事があるので、長期的に活躍するためには、就職・転職の際に企業の業務内容や社風を理解することが重要です。

なお、ITビジネスコンサルタントについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事：ITビジネスコンサルタントとは？仕事内容や求められる能力を解説】

ITコンサルタントとSE（システムエンジニア）の役割の違い

「ITコンサルタントとSE（システムエンジニア）は何が違うの？」と疑問に思う方もいるかもしれません。

ITコンサルタントとSEは、どちらもITを活用する職種ですが、仕事内容や役割に違いがあります。以下に、両者の違いを簡単にまとめました。

	ITコンサルタント	SE
仕事の特徴	ITを活用して企業課題の解決を行う	顧客の要望をもとにシステムを設計・開発などを専門に行う
必要なスキル	・幅広いIT知識 ・マネジメント力 ・クライアントとの調整力	・システム開発に関する深い専門知識と技術 ・チームで効率的に作業を進める能力
向いている人の特徴	・幅広い情報のキャッチアップが得意 ・企業の課題解決にやりがいを感じる	・技術的なスキルに興味がある ・顧客の要望に応じたシステム開発に関心が高い

どちらの職種もITを活用する仕事ですが、ITコンサルタントは経営の目線から企業課題を把握し、広範囲にわたって課題解決に取り組む仕事といえます。一方、SEはクライアントのニーズに沿って、技術的な視点からシステムの開発や運用を担当します。

したがって、顧客との頻繁な連絡・調整が苦手な人や、技術に専念したい人にはSEの仕事が向いているかもしれません。一方で、クライアントの課題解決にやりがいを感じ、ビジネス全体の改善に貢献したい人は、ITコンサルタントが適しているでしょう。

求められるスキルが異なるため、自身に適した仕事を選ぶには、適性を考慮することが大切です。なお、SEの仕事内容や向いている人の特徴について知りたい方は、以下の記事もご一読ください。

【関連記事：社内SEの仕事内容は？向いている人と未経験から転職する方法】

ITコンサルタントの年収は？

ITコンサルタントの年収はどのくらいなのでしょうか。 厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、ITコンサルタントの平均年収は684.9万円と発表されています（令和5年の賃金構造基本統計調査より算出）。

また、月額の平均賃金は35万円（ハローワークの求人統計データより）と報告されており、高水準であることがうかがえます。

ITコンサルタントは、直接企業の課題解決に関わり、高い専門知識や問題解決能力が求められるため、スキルや経験が豊富な人ほど高収入が期待できる職種です。成果主義の傾向も強いことから、高いプロジェクトマネジメント力や専門的なIT知識を持つ人は、年収1,000万円以上といったさらに高い年収を得られる可能性があります。

ただし、年収は実績や年齢、担当する案件などによって変わるため、高収入を目指したい方は、入社前に企業の給与体系や評価制度などを確認しましょう。

参考：ITコンサルタント - 職業詳細 ｜ job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））

未経験からITコンサルタントになれるのか？

ITコンサルタントになるためには、ITに関する専門知識が必要とされます。そのため、多くのITコンサルタントは情報系や経営系の大学・大学院を卒業していたり、前職でのIT業務経験を持っていたりする人が多い傾向にあります。

しかし、未経験からでもITコンサルタントになることは不可能ではありません。 未経験でITコンサルタントを目指す場合、主な方法としては、ITコンサルタントが在籍するコンサルティング会社に就職、または転職することが挙げられます。

その際、IT業界に特化した転職サイトやエージェントにて、未経験OKの求人を探すことが有効です。 また、未経験からITコンサルタントへの就職・転職を成功させるには、自分の適性や企業の雰囲気が自分に合っているかどうかも重要なポイント。

自分に向いていない業務や社風だと、力が発揮できずに長期的に活躍するのが難しい可能性があります。 ITコンサルタントに向いている人の特徴や、就職・転職先の見つけ方については後述します。

ITコンサルタントに役立つ資格

ITコンサルタントになるために必須の資格はありません。 しかし、ITコンサルタントの仕事はITや経営に関する深い知識が求められるため、年収アップやキャリアの幅を広げるためにも資格の取得を目指すことがおすすめです。

一定の知識を持っている証明にもなるので、転職時にも有利になるでしょう。ITコンサルタントの仕事に役立つ資格の一例を以下に挙げてみました。参考にしてみてください。

• 基本情報技術者：IT分野の全体的な基礎知識や技能を持つことを証明する国家資格
• 応用情報技術者：高度IT人材に必要とされるITの応用的な専門知識や技術を証明する国家資格
• ITストラテジスト：高いIT知識を用いて、IT戦略の策定や提案、推進ができることを証明する国家資格
• ITコーディネータ：経営とITに関する専門知識を持ち、IT活用の推進ができることを証明する民間資格

ITコンサルタントに求められるスキル

ITコンサルタントとして活躍するには、ITに関する知識に加えて求められるスキルがあります。ここでは、3つのスキルとその必要性を解説します。

幅広い層との調整ができるコミュニケーション能力

ITコンサルタントは、単に経営課題に対する戦略を提案するだけでなく、クライアント企業の経営層や現場の担当者、社内外のプロジェクトメンバーなどさまざまな立場の人と連携しながらプロジェクトを進行します。

そのため、立場や背景が異なる人との意見交換や意思疎通を行うことが欠かせません。

たとえば、ITシステム導入の際、経営層に対しては投資効果や経営の視点からのメリットを説明します。また、現場の担当者には具体的な運用方法や、運用時の注意点を適切に伝えることが大切です。

どのような企業やプロジェクトに携わっても臨機応変に対応し、プロジェクトを円滑に進められるコミュニケーション能力が不可欠といえます。

企業課題に対応するための問題解決力と情報収集力

ITコンサルタントには、高い問題解決力と情報収集力も必要です。 論理的に問題を分析し、最適なITやシステムを提案・導入することが求められます。

また、ITやシステム技術は常に進化しているため、最適な提案をするには最新の技術動向や業界トレンドを把握することが欠かせません。

たとえば、クライアント企業が業務効率化を目指す場合、まずは現状の業務フローを分析して、どの部分にITが必要かを見極める必要があります。その後、最適なITツールやシステムを導入に際し、必要な業務整備や手順などを提示します。

こうした複数の業務を効率よくこなすことは、クライアント企業の信頼を勝ち取り、成果を出すうえでも重要です。

プロジェクトを成功に導くマネジメント力

ITコンサルタントには、プロジェクト全体を統括するマネジメント力も求められます。クライアント企業が円滑にシステム導入できるよう、進捗管理やスケジュール調整を行い、各工程が予定通り進むようにサポートする必要があるからです。

たとえば、クライアント企業がITシステムを導入する際、トラブルが発生すると導入スケジュール全体が遅れるなどの影響が及びます。ITコンサルタントは、こうした状況を防ぐために、クライアント側の担当者と定期的にコミュニケーションを取り、必要に応じてフォローや調整を行います。

こうしたマネジメント力やリーダーシップを発揮することで、複雑なプロジェクトも円滑に進行し、スムーズに課題解決に導けるでしょう。 以上、ITコンサルタントに求められる3つのスキルをお伝えしました。

上記で紹介したスキルが備わっているかを確認するためには、自己分析が役立ちます。 「ミイダス」の「コンピテンシー診断」を活用することで、自分に適したスキルや職務が簡単に確認できます。コンピテンシー診断の詳細は以下の記事をご覧ください。

【関連記事：転職できる？適職診断ならミイダスの「コンピテンシー診断」】

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ITコンサルタントに向いている人・向いていない人は？

ITコンサルタントへの就職や転職を成功させるには、具体的にどのような人が向いているのかを理解することが大切です。 ここでは、ITコンサルタントに向いている人と、向いていない人の特徴を紹介します。

向いている人の特徴

ITコンサルタントに向いている人の特徴は、以下の通りです。

▼ITコンサルタントに向いている人の特徴

• ビジネスや経営への関心が高い人
• 知識欲や好奇心が強い人
• 困難な状況でも目標を見失わない人
• 物事へ柔軟に対応できる人
• 頻繁にコミュニケーションを取るのが苦にならない人　など

ITコンサルタントは、クライアントの経営課題を理解し、最適なITを提案するため、ビジネスや経営に対して関心が高い人が向いています。新しい技術や業界動向を常に追いかける必要があるので、自主的に学び続ける姿勢も必要です。

また、プロジェクトの途中で新たな課題が発生した場合でも、目標に向かって冷静に対応できる粘り強さや、状況に応じて柔軟に対策を立てられる力も求められます。その際、多くの関係者とのコミュニケーションを図るため、人とのやり取りが苦にならないことも重要です。

こうした特徴を持つ人は、ITコンサルタントとして活躍しやすいでしょう。なお、コンサルティングの仕事に興味のある人は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事：未経験からコンサルに転職することは可能？求められる能力や転職を成功させる方法を紹介】

向いていない人の特徴

ITコンサルタントに向いていない人には、次のような特徴が挙げられます。

▼ITコンサルタントに向いていない人の特徴

• 向上心が低い人
• 自ら学ぶことや勉強が苦手な人
• 困難な状況にすぐに諦めてしまう人
• 自分のペースで仕事を進めたい人
• リーダーシップを取るのが苦手な人
• 人との連絡や調整が苦痛な人　など

ITコンサルタントは、さまざまな企業の課題を解決するために、常に最新のIT知識を学び続ける必要があり、向上心や学習意欲が欠かせません。また現場では、プロジェクトがスムーズに進まないことも多く、そうしたときに諦めずに対応する粘り強さが求められます。

さらに、クライアントやチームメンバーとの頻繁なコミュニケーションを取る必要があるため、人と連絡を取ることにストレスを感じる方や、リーダーシップを取ることが苦手な方には不向きかもしれません。

とはいえ、自分がITコンサルタントに向いているかどうかがわからない方もいるでしょう。その場合は、転職アプリ「ミイダス」の「コンピテンシー診断」を活用することがおすすめです。

コンピテンシー診断では、ITコンサルタントに必要なスキルや適性の度合いを数値で確認できます。また、診断結果にもとづいた適合度の高い企業から、スカウトを受け取ることも可能です。

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ITコンサルタントになるには？就職・転職先の見つけ方

ITコンサルタントの求人を見つけるには、いくつかの方法があります。ここでは、ITコンサルタントの求人を見つけるための具体的な方法を2つ紹介します。

人材紹介会社・転職エージェントを活用する

ITコンサルタントの求人を見つける方法として、IT業界に特化した人材紹介会社や転職エージェントを利用する方法が挙げられます。 IT分野の求人を専門的に扱う人材会社やエージェントは、IT業界の動向や求人に関する知見を持ち、求職者のスキルや経験に応じた求人を紹介してくれるからです。

特に経験者の場合、条件に適合するITコンサルタントの非公開求人の案件を紹介してもらえる可能性があります。 さらに、履歴書の添削や面接対策といったサポートを提供するエージェントもあるため、初めての転職やキャリアチェンジでも安心です。

適切なエージェントを選ぶことで、ITコンサルタントへの就職・転職の成功率を高められるでしょう。

複数の転職サイト・アプリを活用する

ITコンサルタントの求人を探す際、複数の転職サイトやアプリを利用するのも有効です。サイトやアプリごとに、掲載される企業や職種が異なるため、幅広く情報を集めたい人には特におすすめ。

またサイトやアプリによっては、希望する条件に合った求人が掲載された際に通知を受け取るアラート機能や、企業からスカウトを受け取れる機能もあります。そのため、忙しいなかでも効率よく就職・転職活動を進められるでしょう。

たとえば、転職アプリ「ミイダス」の「コンピテンシー診断」を活用すると、自分の強みや適性を理解したうえで、自分に最適なITコンサルタントの仕事を見つけられる可能性が高まります。 また、社内の雰囲気や業務スタイルなども確認できるため、未経験者でも安心して活躍できる求人も探せるでしょう。

さらにスカウト機能もあるため、自分に合った求人からスカウトを受け取れる可能性もあります。就職先や転職先を検討している方は、ぜひ以下よりミイダスをお試しください。

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本記事では、ITコンサルタントへの就職・転職を検討中の方に向けて、ITコンサルタントの仕事内容や必要なスキル、求人の見つけ方を解説しました。

ITコンサルタントとは、企業の経営課題に対してITの活用で解決する職種で、専門的なIT知識やビジネスへの深い理解、コミュニケーション能力など高いスキルが求められます。ITコンサルタントを目指して転職を考えている方は、まずは自分の適性や強みを把握することが大切です。

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