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目次
  1. インバウンド業界が今、熱い理由とは?
  2. インバウンド業界の魅力とは?

意外と知られていないけど成長中、または今後成長の可能性が高い業界・マーケットをご紹介します。
今回は2012年以降、市場拡大を続けている「インバウンド」について。転職を目指すあなたに、市場の動向をレポートします。

 

インバウンド業界が今、熱い理由とは?

観光業界を中心に「モノ消費」から「コト消費」に注力している

観光業界を中心に、有名観光地はもちろん、それ以外の地方への誘客と体験重視の「コト消費」関連のサービス開発に注力しています。


ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどの国の富裕者層が日本を旅行先に選ぶことが増えてきています。外国人観光客(特に富裕者層)が求めているのは贅沢なサービスだけではなく、地域に根付いている伝統的な文化など「質が高く、他では出来ない本物の経験ができる。」ことに価値を感じてくれる傾向があるので、情報発信などのプロモーションや、サービス内容の質を上げる努力が必要です。

中国市場の変化に合わせた新たな戦略

「花王、資生堂とも近年の好業績は14年以降に急増した訪中中国人需要の影響が大きい。」
(2019年1月7日 日経産業新聞 003ページ掲載)

しかし、インバウンド需要の高まりで収益を上げてきた日用品業界の転換期になるかもしれないと書かれています。


実はインバウンドの購買動向には最近、変化が見られます。中国で2019年1月に電子商取引(EC)法が施行された影響で、中国の個人バイヤーが日本で購入した商品を転売することが難しくなりました。実際、国内大手百貨店では、2019年1月の免税売上が落ち込みました。

「主力の紙おむつでは、現地企業の技術水準も上がり競争が激化している。品質でナンバーワンを維持し続けなければ、価格競争に巻き込まれる。2019年も付加価値路線を追求する。2018年から紙おむつの輸出を始めたインドも有望だ。プレミアム市場で勝負するため、現地で求められる商品特性を分析する。輸出に加えて、将来の現地生産の可能性も探る」
(2019年1月7日 日経産業新聞 003ページ掲載)

このように花王では、新たな技術を生かした新商品や、新たなマーケット拡大でこの変化に対応しようとしているようです。

資生堂でも、現地スタートアップとの協業やM&A(合併・買収)により、デジタル分野での躍進を成長戦略のカギと考えているとのこと。
各社、中国市場の変化に合わせた新たな戦略で柔軟に対応していこうとしていることが分かります。

凹んでる場合じゃないってことだな。

越境ECでの取引が普及

中国をはじめとするアジアでは「日本製」人気を背景に、越境ECでの取引が普及しています。日本の日用品・食品メーカーでも、中国大手ECサイトを通じての販売に力を入れている企業が増えています。

資生堂では中国市場に関して、

「日本の化粧品の需要が減るわけではない。中国の販売店や越境EC、免税店事業など様々な接点を通じて中国人顧客を取り込む必要性が強まっている。」
「2019年には中国・杭州にアリババ集団との取引を担当する専門チームのオフィスを置く。アリババの持つ購買データなども生かし、商品開発やプロモーション全体で協力関係を強めたい。アリババ専用商品の開発も検討する。」
(2019年1月7日 日経産業新聞 003ページ掲載)

アリババ集団は「中国版Amazon」とも言われています。いくつものECを運営していて、その中でもBtoB向けのECでは世界でもトップクラスのシェアを誇ります。

中国のECといえばアリババ、といっても過言ではありません。このような越境ECの存在は中国位以外でも今後、インバウンドに欠かせないツールになることは間違いありません。


また、その一方で

「インバウンド観光客を越境ECの顧客としてコンバージョンしていくためには、国際的に割高な日本の送料が課題となる。海外へ送る送料について、何かしらの国策的な対策を講じなければ、国際競争力は低下していくことになろう。」
(2019/02/22 日経MJ(流通新聞) 006ページ掲載)

など、今後国策レベルで議論を重ね、改善していかなければならない課題もあります。

インバウンドを軸とした異業種連携が相次いでいる

インバウンドビジネスで先行する企業が、自社のノウハウや販売チャネルを第三者に提供する動きがあります。インバウンドを軸とした異業種連携も相次いでいるという傾向があります。

「ラオックスはJTBコミュニケーションデザイン(東京・港)と訪日中国人観光客に向けた販促や宣伝サービスの開発・販売で業務提携した。ラオックスの店頭やオンラインでの中国人顧客網を活用する。マーケティングのツールをインバウンド(訪日外国人)にアプローチしたい企業や自治体に販売する。」
(2018年10月17日 日経産業新聞 012ページ掲載)

店舗の集客力、顧客網などを活かしてインバウンドにビジネスチャンスを模索する企業や地方自治体などにサービスを提供しているそうです。

「株式会社オリエントコーポレーションと金沢中央信用組合は、インバウンド対応強化を目的に、訪日中国人向け電子決済サービス「アリペイ(支付宝/ Alipay)」及び「ウィーチャットペイ(微信支付/WeChat Pay」)」の拡充に向けて業務連携を行います。」
(2019年3月8日 14:55 日本経済新聞電子版)

他社や地方自治体、大学などの異業種間で連携してノウハウやアイディア、サービスなどを共有する。そして新たな製品やサービス、ビジネスモデルなどを開発する「オープンイノベーション」が必要不可欠であり、活発に行われているのがインバウンド業界の大きな特徴といえます。


インバウンド業界の魅力とは?

「お・も・て・な・し」

2013年9月。2020年開催のオリンピック招致のプレゼンで、世界中を魅了した言葉。

「訪れる人を心から慈しみお迎えするという深い意味があり、先祖代々受け継がれてまいりました。そのおもてなしの心があるからこそ、日本人はこれほどまでに互いを思いやり、客人に心配りをするのです。」という内容のスピーチは、古くから日本人に根付く精神性と、独自の伝統文化や習慣などをも巧みに表現し、世界中の人々にインパクトを与えました。インバウンドも2012年頃から、訪日外国人旅行者数・旅行消費額ともに増加しています。

一方で、外国人の受け入れに対応が十分ではない部分もあり、「インバウンド後進国」とも言われている日本。今後も引き続きニーズに合わせて変化させる柔軟さや、変わらない伝統文化や習慣などを理解してもらう努力などが必要不可欠です。


国境や言葉、習慣などを越えて、多くの人にさまざまな形で「おもてなし」をする。難しくも、やり甲斐を感じられるマーケット。それがインバウンドの魅力といえそうです。