目次
意外と知られていないけど成長中、または今後成長の可能性が高い業界・マーケットをご紹介します。
今回は「アグリテック」について。転職を目指すあなたに、市場の動向をレポートします!
マーケットが拡大している新しい分野では、経験者が少なく人材不足ということもあり、狙い目です。業界未経験でもチャレンジできる可能性が高いというわけです。
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さまざまな企業がアグリテックに新規参入
アグリテックに参入した企業を見てみると、実に幅広いことが分かります。
農協、肥料、農薬(化学)、種苗、農機メーカー、農業資材、自動車メーカー、建機メーカー
流通、物流、宅配、商社、IT、通信、外食、食品メーカー、人材派遣、教育など
アグリテックは「農業」と「技術」という2つの分野に大別できます。
「技術」研究開発と、農業現場への導入。
「農業」 技術を活かして農産物の生産、販売を行う。
という関係性があります。
そこでアグリテック新規参入企業を「農業分野」と「技術分野」に分け、どのような業界の企業がアグリテックでどのような事業を展開しているのか、一例をご紹介します。
外食企業や小売業からアグリテック業界へ
「農業分野」外食企業×アグリテック
→居酒屋やカフェ、レストランなどを経営する企業が早い段階で農業に参入
・自家農場を所有し、自社商品として料理に使用する食材を生産
小売業×アグリテック
→百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなども比較的早期から農業に参入
・外食企業同様、主に自社商品を生産
・自社農場から直接店舗に配送することで鮮度を保ち、物流コストも抑える
建機メーカー×アグリテック
・植物工場での栽培と販売
・本来の栄養素に付加価値のある機能性野菜の栽培と販売
化学×アグリテック
・バイオテクノロジーを駆使した機能性野菜の研究
・高付加価値な品種の開発などを進めています。
農業分野でも消費者の安心、安全、新鮮、高品質な農産物に対するニーズに応えるべく、栽培法や品種の研究・開発が進んでいます。
IT企業や自動車、精密機器などのメーカーからアグリテック業界へ
「技術分野」農機、自動車、精密機器などのメーカー×アグリテック
・自動運転トラクターなど、ロボットの開発
・ドローンで撮影・分析してデータ化し、生育状況の診断や改善提案
農業ではまだ、データ化されていない部分が多いので、今後もさまざまな技術開発が必要です。
IT、通信×アグリテック
・クラウド型農業支援システムや農業管理ITツール
・AIを駆使した農作物の病害予測サービス
・農業用ドローンや陸上走行用ロボット
栽培環境や農作業を可視化するための製品やサービスの開発が進められています。
物流、商社×アグリテック
・輸送中の酸素濃度管理など、鮮度保持効果を高める装置
・低コスト、迅速な輸送サービス
農産物を収穫した後の品質管理や劣化を防ぐための、「収穫後技術」。消費者の手元に届くまでの品質管理が重要視されているという背景があります。
種苗×アグリテック
・環境制御システムの開発
・機能性野菜の品種開発
高付加価値の品種や生産性向上のための環境制御システムなども開発されています。
各社これまで培ってきた技術を農業に活かした製品やサービスの開発を行っていることも注目すべきポイントです。
アグリテック業界へ新規参入した企業の事例
case1.農業
冷凍食品製造が安心、安全な食材を求めて農業に新規参入農業に参入した理由
「安心、安全な食材を使って欲しい」という消費者の要望に応えたいと、農地法の改正を機に、農業に新規参入しました。
農業への取り組み
耕作放棄地を自治体から借り、半年かけて土壌改良。農機は自社で揃え、農業技術は近隣農家からの協力を得ています。冷凍食品工場から出た食品の残りを利用して堆肥を作るなど、廃棄する食品を減らす工夫をしています。
農業に新規参入して感じていること
農業技術と経営感覚のバランスや地域との関わりなど、さまざまな試行錯誤と勉強が必要だと感じています。
case2. 農業
栃木県内のJAが観光・地域振興のためにいちご農園を始めた農業に参入した理由
近隣に観光地があり、多くの観光客が訪れる時期に、観光客の誘致や地元の農産物のPR、地域農業の振興などを測るため、いちごの摘み取り農園を始めました。
農業への取り組み
近隣農家から農地を借り、約1年間の準備期間を経て農園をオープン。栽培用ビニールハウスや直売所などの施設は自前で用意しました。農業技術は近隣農家からの協力を得ています。栽培品種や栽培環境を整えることで、収穫時期を5ヶ月間に延長可能になるなど、工夫をしています。
農業に新規参入して感じていること
雇用や子どもたちへの収穫体験など、地域との密接な関わりを通して活性化に繋げたいという思いが大切だと感じています。
case3. 技術
農機メーカーが自動運転トラクタを開発どのような技術なのか
自動運転トラクタの開発。GPS機能を搭載し、自動走行に必要な設定を行う事で正確に測定でき、数センチ単位での作業も可能。リモコンを使用し、遠隔操作も可能に。 また、畑の管理や作業記録、味の測定などをサポートするクラウドサービスの開発なども行っています。
開発の背景
農機開発はもともと、農業の省力化を目指したものなので、農業の課題を解決するために必要な技術を開発し続けています。
利用者の声
広大な自社農場のデータを全て設定し、自動運転で農作業を進めています。クラウドサービスも導入することで、作業や生育状況、作付計画、コストなどが共有しやすくなりました。
case4. 技術
化学企業が水管理システムを開発どのような技術なのか
水田の水管理システム。リモコンやICTを活用した制御装置。タイマー機能があり、自動的にバルブを開閉させて潅水の管理が可能に。モバイルで簡単に操作ができ、カレンダー機能が付いているので、遠隔操作にも対応。水の状態を見て回る手間を省き、潅水の時間なども工夫することができます。
開発の背景
労働者の減少、高齢化により、耕作放棄地が増加。特に稲作においては水管理作業の負荷が離農や規模拡大の障害にもつながっていたため、国の政策と連携して開発。
利用者の声
今まで半日かかっていた田んぼの水回り。水がきちんと田んぼに入っているか、状態を見るのはとても重要な作業です。この手間が不要になり、すごく楽に楽になりました。
大企業からスタートアップ企業まで、さまざまな業種の企業が参入し、事業を展開しています。「社会課題の解決につながる事業はマネタイズする」と捉える企業も多いです。
アグリテックには
ビジネスチャンスがある
のです!
未経験者・異業種にもチャンス!
アグリテックはビジネスチャンスと自分なりのやりがいが見つけられる、そんな可能性を秘めた業界。転職を考えたとき、確かに待遇や職種は気になるところです。でもそれ以上に、深刻化していた社会課題を解決する仕事に携わるというのは、大きな意義を感じられるはずです。
それこそが、アグリテックの本質的な魅力といえるのではないでしょうか。
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