「面接で給料の話はしてもいいのかな」
「年収アップを目指して転職活動中だけれど、給料の話はどう切り出せばいいのだろう」

就職活動や転職活動を行っている場合、このような悩みを抱くことは少なくありません。 働くにあたって、給料や待遇の面は非常に重要です。

一方で、面接で給料の話をする際、タイミングや戦略を誤ると失敗してしまうことも。本記事では、面接で給料の話をするときに気をつけたいことや交渉テクニックなどを解説します。

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面接で給料の話をしてもいい？

結論、企業の就職面接や転職面接で給料の話をするのはタブーではありません。

ただし新卒か中途採用かによって、企業側の受け止め方は大きく異なります。転職の場合、希望年収を伝えることは一般的であり、むしろ必要なことでもあります。

ここでは、新卒と転職それぞれの場合での一般的な考え方について見ていきましょう。

新卒の場合

新卒採用の面接では、志望動機やポテンシャルなどが重視されるため、給料などの待遇面の質問は慎重になるべきです。特に、一次面接など早い段階で給料の話を切り出すと、面接官の心証を損ねる可能性があります。

給料に関して話したいことがある場合には、内定後の条件が提示されるタイミングで切り出すのがおすすめです。企業側もその段階で雇用条件の詳細を伝える準備をしているため、待遇についての質問も自然に行えます。

なお、新卒者の場合、給与水準は職種や社内基準により事前にほぼ決まっていることが多く、交渉の余地はあまりありません。聞き方・タイミングを間違えると、印象が悪くなるだけという可能性もあります。

転職の場合

転職活動では面接で給料の話をするのは一般的であり、必ずしも避けるべきものではありません。希望条件に年収を含めるのは当然で、企業側も「採用が決まったら給与交渉がある」という前提で面接に臨んでいます。

とはいえ、企業にマイナスな印象を与えないためにも、伝える時期や言葉選びには十分な配慮が必要です。 また、面接の中で具体的な希望年収を聞かれることがあります。その際は、自分の経験・スキルを踏まえた希望額を、根拠とともに丁寧に伝えることが大切です。

給与の話をするタイミング

面接で給料の話を切り出す場合、タイミングが非常に重要です。話すタイミングを誤ると、心象を損ねてしまうおそれがあります。ここでは、給与交渉に適したタイミングと避けるべき場面を紹介します。

基本的に一次面接は避ける

一次面接では、企業側は応募者の人柄やスキル、志望動機などに注目している傾向にあります。この段階で給与の話を切り出すと「条件ばかり気にしている人」という印象を与えかねません。

また、一次面接の担当者は給与に関する決定権を持っていない場合もあります。こうした状況では、待遇に関する話をしてもあまり意味がないため、給料に関する話は選考がある程度進んだ後に行うのがいいでしょう。

ただし、最終面接までの回数が少ない場合や、面接官から給与の話があった場合など、一次面接でも給与に関する話をしても問題ないケースもあります。

面接官から聞かれたらチャンス

面接の中で「希望年収はありますか？」と聞かれた場合、それは企業側が条件調整の段階に入っているサインです。このタイミングであれば、給与に関する話題を自然に進められるでしょう。

急に聞かれても焦らず答えられるよう、あらかじめ根拠のある希望額を用意しておきましょう。しっかりと準備しておけば、「入社への意欲がある」と印象も良くなります。希望額の決め方は、次章で詳しく解説します。

面接最後の「逆質問」タイムもOK

面接の終盤でよく見られる「何か質問はありますか？」と聞かれる逆質問のタイミングも、給料の話を切り出すチャンスです。特に二次面接や最終面接など、ある程度進んだ段階であれば、待遇の確認は自然な流れとして受け取られやすくなります。

逆質問のタイミングで唐突に「入社後の給料はどれくらいですか？」と聞くのではなく、「御社の給与体系について少しお伺いしてもよろしいでしょうか」といった柔らかい表現で切り出すのがポイントです。

【関連記事：やる気と意欲が伝わる！転職時の面接に役立つおすすめの逆質問】

労働条件通知書が出たあとは遅すぎる

「給与交渉は内定後であればいつでも可能」と思われがちですが、労働条件通知書が提示された後では遅いです。この通知書は企業があなたに対して出す「最終的な条件提示」にあたります。

労働条件通知書の提示後に年収の引き上げを求めると、間に合わない可能性があったり、信頼を損なったりするリスクがあります。年収交渉は通知書が出る前の、最終面接やオファー面談の場面で行うのが基本です。

希望額はどう決めればいい？

給料の希望額には、ある程度の根拠が必要です。企業側に納得してもらえる金額を伝えるには、事前の情報収集と自己分析が欠かせません。ここでは、希望額を決める際に確認すべきポイントを解説します。

まずは求人票などの情報をしっかりチェック

希望の給料額を考える前に、まずは応募先の求人票や募集要項を確認しましょう。求人票や募集要項には、企業が想定する給料や諸手当の有無、賞与、みなし残業の条件など、判断材料となる情報が詰まっています。

また、月給ベースの記載しかない場合は、ボーナスや手当なども考慮し、年収換算して比較することも重要です。詳細をしっかり確認し、自分の希望額と企業の想定とのギャップがどの程度あるかをあらかじめ把握しておくことで、交渉時のズレを防げます。

また、休日の扱いも必ず確認しましょう。示されている給料の額が高くても、休日が少なければ、日給換算した場合にむしろ損である可能性もあります。

理想だけでなく根拠がある金額を

希望年収を伝える際は、企業が納得できる金額を提示することが大切です。現職の年収、業界・職種の平均相場、自分のスキルや経験、保有資格などを客観的に整理し、それをもとに希望額を導き出しましょう。

また、ひとつの金額をピンポイントで伝えるのではなく、「○○万円～○○万円」といった幅を持たせて伝えるのがおすすめです。最低ラインと上限の金額をあらかじめ決めておくことで、企業側に検討の余地を与えられます。

【関連記事：【自己分析に使える】転職ノートの作り方とは？コツや書くべき内容も徹底解説】

現在の年収と同じか少し多めが目安

年収アップを目指す場合でも、現実的な範囲を超えた金額を提示すると、かえって評価を下げるリスクがあります。 相場や自分のスキルとかけ離れた希望額は、自己評価が甘い印象を与えやすいです。

逆に、低すぎる金額を提示すると、「自分に自信がないのか」「待遇へのこだわりがないのか」と不安を与える可能性もあります。 一般的には、現在の年収と同じか、5〜10％程度高めが目安とされます。

ただし、転職の目的がキャリアアップである場合は、やや強気な金額設定も選択肢に入ります。その際は、しっかりとした根拠を伝えることが重要です。

給料を下げる選択肢も

年収アップを目指して転職する人は多い一方で、キャリアチェンジやライフスタイルの見直しを目的に転職する場合は、年収が下がることも十分あり得ます。

たとえば、未経験職種への転身や、ワークライフバランスを重視した働き方を選んだ場合には、前職より低くなることも多いです。「収入以外を目的にした転職もある」という前提で、希望額は柔軟に考えることが大切です。

企業側の狙いも知っておく

企業が面接で給与の希望額を尋ねるのは、金額を確認するためだけではありません。採用後のミスマッチを防ぐ意図があります。 希望額を聞くことで、企業の予算内での採用が可能か、求職者の自己評価や価値観と折り合いがつくかを見極めようとしているのです。

また相場に対する認識や、自分の市場価値をどう判断しているかといった「ビジネス感覚」も評価の対象になることがあります。質問の背景を理解しておくことで、より適切に受け答えできるようになるでしょう。

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給料交渉時のマナー

給料交渉は、話し方や態度ひとつで印象が大きく変わります。希望額を伝えることは大切ですが、強引すぎたり、誤った相手に伝えてしまったりするのは避けたいところです。

ここでは企業側に好印象を与えつつ、自分の希望を上手に伝えるための基本的なマナーや注意点を紹介します。

交渉は「相談」の姿勢で

給与交渉はあくまでも「お願い」や「相談」という姿勢で行うことが基本です。一方的に希望額を主張するのではなく、納得できる基準や理由を提示したうえで、謙虚で協調的な言い回しで希望額を伝えることで好印象につながるでしょう。

特に、企業との信頼関係がまだ十分に構築されていない段階では、強気すぎる交渉は評価を下げるリスクもあります。話し合いのスタンスを忘れず、柔らかい言葉選びを心がけましょう。

希望額の背景を伝える

希望額を伝えるときは、なぜその金額なのか、納得できる背景を添えることが大切です。たとえば「同業種で即戦力として働けるスキルがある」「前職では営業目標を連続達成した実績がある」といった具体例を示すことで、企業も判断しやすくなります。

根拠がないまま希望額を伝えるだけでは、ただの願望に見えてしまう恐れがあります。企業側に「この人には年収を上げる価値がある」と思ってもらえる伝え方を心がけましょう。

交渉相手が適切かどうかを判断

給与の話をする際は、誰に伝えるかも重要なポイントです。決定権のない人に話してもあまり意味がなく、かえって印象を損ねる可能性があります。

一般的には、人事担当者や採用責任者が年収の交渉相手となることが多いです。面接中に話すべきかどうか迷ったら、「条件についてはどなたにご相談すればよいですか？」と確認するのもひとつの方法です。

前職の給料は正直に伝える

前職の給料額は、企業が給与を設定するうえでの重要な参考データです。しかし、故意に高めに伝えたり、曖昧にごまかしたりするのは避けるべきです。ウソをついても、源泉徴収票の提出などでバレてしまうでしょう。

「希望額に比べて前職の給料額が低いとマイナスになるのでは」と不安に思うかもしれませんが、その場合は年収交渉した理由やスキル面での補足説明を添えることで、カバーが可能です。誠実な姿勢こそ、交渉成功の土台になります。

希望給料額を伝える際のNG例

給料額を交渉する場面では、話す内容や伝え方が重要です。うっかりしていると、企業側に悪い印象を与えてしまうこともあります。ここでは、よくあるNGパターンを紹介します。

根拠のない希望額だけを伝える

「家庭の事情で○○万円は必要」「このくらいは欲しい」など、個人的な事情や感覚だけで希望額を伝えるのはNGです。また、未経験の職種でいきなり高額な給与を希望したり、相場を無視した金額を提示したりすると、「自己評価が甘い」と見なされやすいでしょう。

希望額を伝える際は、前職の年収やスキル、経験や業界相場など、企業が納得できる根拠をセットにして伝えることが大切です。

不安そうな態度や強気すぎる態度

伝え方や態度にも工夫が必要です。おどおどした態度や自信のなさそうな話し方は、「実力がないのでは」と不安を与える原因になります。

一方で「この金額でないと厳しい」と断定的に主張すると、「柔軟性のない人物」と判断される可能性があります。 交渉する際は落ち着いた口調かつ、相談ベースで行うのが基本です。高圧的すぎず、冷静で誠実なコミュニケーションを意識しましょう。

選考過程で希望額がブレる

履歴書、応募フォーム、面接などで希望額にバラつきがあると、「信頼できない」「適当な人」と受け取られる恐れがあります。特に、書面と面接で数字が違うと、企業側は「どれが本音なのか」と判断に迷うでしょう。

交渉をスムーズに進めるには、事前に希望額を明確にしておくことが大切です。一貫した数字を提示することで、交渉相手に安心感と信頼感を与えられます。

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