目次
「第二新卒の転職は難しい」とよくいわれますが、実際のところはどうなのでしょうか。新卒で入社した会社を数年で退職していると、転職の際に企業側から「またすぐに辞めてしまう」と判断されてしまうのではないか、と不安な方も多いでしょう。
本記事では、第二新卒の転職は本当に難しいのか、毎年第二新卒で転職する人数や第二新卒の転職を成功させるコツなどをご紹介します。これから転職をしようと考えている方は、第二新卒の転職のメリットやデメリットを理解したうえで、転職活動に踏み出してみてください。
第二新卒とは一般的に、新卒で入社した会社を3年以内に退職し、転職活動をしている若手求職者のことを指します。最終学歴にもよりますが、第二新卒の年齢は22〜25歳前後が多い印象です。
ただし、第二新卒に明確な定義があるわけではないため、求人によっても定義が異なり、企業によっては新卒3年以内の基準に当てはまっていない場合でも、第二新卒として受け入れてくれるケースもあります。
一方で、第二新卒にとって転職は再スタートでもあります。同世代に遅れを取らないように業務に励む就業意欲の高さがあり、社会人経験があるため教育コストがかからない点も企業側にとってはメリットです。
これらの理由で、近年売り手市場では第二新卒が注目されています。第二新卒の転職だからこそ有利な面もあるので、難しく考えすぎずに自分の進みたい道にチャレンジしてみましょう。
目指していた業界だったが、入社してみると想像と異なっていた 働いてみたら自分には仕事内容が合わなかった 一方で、新卒の就活で憧れの業界や企業に縁がなく一度別の会社に就職したものの、やはり諦めきれずに第二新卒として再挑戦するという人もいます。
どのような理由でも現在の仕事に不満や違和感を感じている場合は、転職を考えてみるのもひとつの解決策になるかもしれません。
では、第二新卒は実際にどのくらいいるのでしょうか。
厚生労働省が公表している「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によると、大学卒業後3年以内に離職する人数の割合は、1995年(平成7年)ごろから継続して平均的に3割を超えています。約30年間大卒で入社してから3年以内に離職する割合が3割を超えているのは変わっていません。
2018年(平成30年)に行われた厚生労働省の「若年者雇用実態調査」では、以下の離職理由が上位にありました。
これらの理由から、大卒者の約3割という人数が新卒の会社を数年で退職し、転職を行っているのです。
よって、第二新卒の転職は約2〜4ヶ月かけて行う人が多いようです。 第二新卒の採用は、以下のような企業側の理由によって新卒採用と比べて比較的短いスパンで選考が進みます。
そのため、新卒の就職活動よりも第二新卒の転職のほうがあまり時間がかからない傾向があります。
4月は1年以内に退職する人や定年退職する人がいるため、会社は人手不足になります。さらに4月入社であれば新卒と一緒に研修に参加して、会社になじむこともできるため、第二新卒に向けた求人が増加します。
10月は転勤や異動で欠員が出ることが多く、人手の補充が必要になる傾向です。また、企業では下半期の始まりが10月という会社も多く、4月と同様に下半期入社の人と研修を同時に行えるメリットがあるため、求人が増える傾向があります。
このように4月と10月は求人募集が増えるので、第二新卒の最適な転職時期とされているのです。転職時期に悩んでいる方や、理想の求人が見つからず悩んでいる方は、4月と10月の求人をチェックしてみるとよいでしょう。
第二新卒が転職するメリットは、以下のとおりです。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
また、経験者採用だとどうしてもスキルやある程度の経歴が求められますが、第二新卒は社会人経験が浅いことから、人柄やコミュニケーションスキルなどの潜在能力を評価する傾向にあります。 そのため自身のポテンシャルをアピールすることで、スキルに関わらず希望の会社に転職できる可能性が高いです。
第二新卒はある程度の社会人マナーを備えており、まだまだ新しいことを吸収できる意欲や体力があるので、企業側としても注目する存在です。未経験の第二新卒を歓迎している求人も多数あるので、新卒で目指していた業界に縁がなかった方は、第二新卒の転職で再トライしてみてもいいでしょう。
ライバルが多くいるとその中から内定を勝ち取らなければならず、他の人より秀でたことをいわなければと焦ってしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。1人に向き合ってくれる第二新卒の転職なら、本来の強みや自分らしさをアピールできるはずです。
本当の自分を評価してくれる会社に出会えれば、働きやすい環境に転職できる可能性が高まります。
その条件をもとに、より自分にマッチする会社を探せるようになるため、現職よりも待遇のいい会社に転職できる可能性があるでしょう。
第二新卒が転職する場合、異業種に挑戦しやすかったり、よりよい条件の会社に転職できたりするメリットがある一方で、不利な点もあります。
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
短期間でも社会人経験がある以上は挨拶や言葉遣い、身だしなみなど最低限のマナーを求められます。社会人経験の浅い人や、転職後の会社でビジネスマナーをしっかり身につけたいと考えている人は苦労するかもしれません。
人手不足で入社後すぐに現場で働いてもらいたいと考えている会社からは、採用を見送られる可能性があります。中途採用の求人は即戦力を求めている場合があるので、異業種への転職や転職してから知識やスキルを身につけたいと考えている方は、募集要項に第二新卒歓迎と記載のある求人に応募するのがおすすめです。
第二新卒歓迎の求人の中から希望の条件に合う会社を見つけることが、転職を成功させるための鍵といえるでしょう。
第二新卒の転職が成功しない人には、いくつかの共通点があります。
それぞれの特徴を確認して、今後の転職に活かしましょう。
「仕事が自分に合わなかった」「人間関係の不一致」など退職理由があいまいだと、転職してどうなりたいのかが面接官に伝わらなかったり、転職後に再度同じ状況になったときに辞めてしまうのではと懸念されたりと、マイナスな評価をされてしまうかもしれません。
退職理由があいまいで今後のビジョンが伝えられない人は、転職するのが難しいといえます。
会社側は長く働いて利益をもたらしてくれる人材を求めていることが多いため、辞めそうだと思われると転職に不利になってしまうでしょう。
ビジネスマナーを学ぶ前に退職してしまった方は、独学で構わないので、面接に挑む前に言葉遣いや身だしなみなどのマナーついて勉強するようにしましょう。
続いて、第二新卒の転職に成功しやすい人の特徴を見ていきましょう。
なぜ今この仕事がやりたいのかがはっきりするため、面接の際に説得力が増して熱意も伝わりやすいでしょう。仕事のことだけでなく、プライベートも含んだキャリアビジョンを考えると、より具体的なイメージを持てます。
転職活動を始める前に、どんな理由でなぜ退職したのか、転職の目的は何かを明確にしておくと、目指すべきゴールが見えて転職を成功させやすくなるでしょう。
会社が第二新卒を採用する際に何を重視しているか想像し、自分のどの部分をアピールすればいい印象を与えられるか、よく考えてから面接に挑みましょう。応募する会社がどんな人材を求めているかわかれば、自分に合っている会社かそうでないかを見極められて、入社後のギャップを軽減させられるかもしれません。
第二新卒の転職を成功させる方法は、次のとおりです。
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さらに、企業研究をしてその会社のいい点や課題点についても深く理解すれば、「実際に働いてみたら想像と異なっていた……」という入社後のミスマッチを生まれにくいです。事前の企業研究を怠ると、転職後の働きやすさにも影響する可能性があるので、努力を惜しまずできるだけ入念に行うよう心がけましょう。
転職を成功させるには、自分のやりたいことを明確にしたり譲れない条件を決めたりして、企業選びを妥協しないことが大切です。転職先に求める条件が明確になっていれば、それが転職の軸になるので転職活動も進めやすくなるでしょう。
「残業時間が長かったから」という理由ならば、「オンオフのメリハリをつけ、業務に集中したいから」のように退職理由を前向きな言葉に変換できます。さらに転職先で今後どうなりたいかまでつなげられれば、面接官に向上心も伝わり、評価もプラスに傾くはずです。
特に第二新卒の場合はほとんどの人が初めての転職活動なので、不安は大きいものです。転職の進め方に悩んでいる方は、転職エージェントの利用もおすすめです。
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第二新卒者には初めて転職活動をする人も多く、何に気をつけて転職活動をしたらいいか戸惑っている方もいるのではないでしょうか。ここでは第二新卒の転職活動にあたって注意すべき点を3つご紹介します。
経歴に関わらず希望の会社に転職できる可能性は十分にあるので、今までの経歴を気にしすぎず自分のやりたい業種にチャレンジしたり、気になる会社にアプローチしたりしてみてください。
自分に向いている仕事が見えてきたり、会社に求める条件が明確になったりするので、自分に合った会社を探せるようになるでしょう。 現職よりもいい環境に転職するためには、自分に合う会社に応募するやり方に切り替えることが大切です。
たくさんの企業に応募をしてしまうと1社に集中できなくなり、転職が長引いてモチベーションが下がる原因にもなりかねません。 第二新卒の転職は企業に求める条件を絞って、量より質の就職活動を目指すのがベストです。
仕事をしながらの転職活動は時間も労力も使い大変ですが、焦って妥協した会社に転職するような事態を防ぐためにも、内定が出るまでは退職しないほうがいいでしょう。内定が出てからでも退職の手続きは間に合うので、急いで行動せず、スケジュールを立てて計画的に転職に取り組むのがポイントです。
「ビジネスマナーやスキルに自信がない……」「なるべくスムーズに転職したい」という方に、第二新卒の転職に役立つ書籍を3冊ご紹介します。
新卒と同じような面接対策では、第二新卒の転職はうまくいかない可能性があります。客観的な見方ができるようになりたい方におすすめの書籍です。
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また、著者である福澤徹三は小説家なので、堅苦しくなく読みやすい文体となっています。仕事を選ぶ前に一読すると、社会の見方を変えてくれるはずです。
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上記のように全5章で構成されており、転職を成功させる方法が事細かに書かれています。転職は行動するのに大きなエネルギーを消費しますが、前向きに転職しようと勇気を与えてくれます。
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最後に、第二新卒の転職に関するQ&Aをまとめました。
たとえば、IT業界は将来的に人手不足が慢性化するおそれがあるので、未経験でも応募してもらえるように手厚い研修サポートを整えている企業も存在します。
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第二新卒の転職を成功させるには、自分に合った会社を探すための自己分析が鍵となります。自分の行動特性はどの企業に適性があるのか、コンピテンシー診断を利用してしっかりと確認しておくとよいでしょう。
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第二新卒の転職のメリットやデメリット、転職を成功させる方法などをご紹介しました。第二新卒の転職は早期退職を懸念される、求人が多くないといった不利な点もあります。
しかし企業研究を入念に行ったり、ミイダスのコンピテンシー診断で自己分析を行ってアピールポイントを考えたりするなど、自分のがんばり次第で転職を成功させられるでしょう。納得のいく転職ができるように行動し、周囲の力も頼りながら転職活動に挑戦してみてください。
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本記事では、第二新卒の転職は本当に難しいのか、毎年第二新卒で転職する人数や第二新卒の転職を成功させるコツなどをご紹介します。これから転職をしようと考えている方は、第二新卒の転職のメリットやデメリットを理解したうえで、転職活動に踏み出してみてください。
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第二新卒とは?新卒で入社した会社を3年以内に退職した求職者
第二新卒とは一般的に、新卒で入社した会社を3年以内に退職し、転職活動をしている若手求職者のことを指します。最終学歴にもよりますが、第二新卒の年齢は22〜25歳前後が多い印象です。
ただし、第二新卒に明確な定義があるわけではないため、求人によっても定義が異なり、企業によっては新卒3年以内の基準に当てはまっていない場合でも、第二新卒として受け入れてくれるケースもあります。
第二新卒の転職は難しい?
第二新卒の転職は難しいとよくいわれています。理由としては、新卒の会社を数年で退職したことで「入社してもまたすぐ辞めてしまうのでは」と、面接官に懸念される可能性があるからです。一方で、第二新卒にとって転職は再スタートでもあります。同世代に遅れを取らないように業務に励む就業意欲の高さがあり、社会人経験があるため教育コストがかからない点も企業側にとってはメリットです。
これらの理由で、近年売り手市場では第二新卒が注目されています。第二新卒の転職だからこそ有利な面もあるので、難しく考えすぎずに自分の進みたい道にチャレンジしてみましょう。
第二新卒が転職する理由
第二新卒が転職する理由は、職場の人間関係が合わなかったり、労働環境の改善のためだったりとさまざまです。 なかでも以下のように、実際に働いてみてギャップを感じ転職を決意する人が多いようです。目指していた業界だったが、入社してみると想像と異なっていた 働いてみたら自分には仕事内容が合わなかった 一方で、新卒の就活で憧れの業界や企業に縁がなく一度別の会社に就職したものの、やはり諦めきれずに第二新卒として再挑戦するという人もいます。
どのような理由でも現在の仕事に不満や違和感を感じている場合は、転職を考えてみるのもひとつの解決策になるかもしれません。
第二新卒はどのくらいいる?
では、第二新卒は実際にどのくらいいるのでしょうか。
厚生労働省が公表している「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によると、大学卒業後3年以内に離職する人数の割合は、1995年(平成7年)ごろから継続して平均的に3割を超えています。約30年間大卒で入社してから3年以内に離職する割合が3割を超えているのは変わっていません。
2018年(平成30年)に行われた厚生労働省の「若年者雇用実態調査」では、以下の離職理由が上位にありました。
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった
- 人間関係がよくなかった
- 賃金の条件がよくなかった
これらの理由から、大卒者の約3割という人数が新卒の会社を数年で退職し、転職を行っているのです。
第二新卒は転職にどのくらい時間をかけるのか
「マイナビ 転職動向調査2021年版(2020年実績)」によると、第二新卒が転職にかける時間は、転職を意識してから会社を探し、転職後の会社に応募するまでに約2ヶ月未満。応募から選考に移り、内定通知を受けるまでに約2ヶ月未満という調査結果が出ています。よって、第二新卒の転職は約2〜4ヶ月かけて行う人が多いようです。 第二新卒の採用は、以下のような企業側の理由によって新卒採用と比べて比較的短いスパンで選考が進みます。
- 欠員補充のためになるべく早く人材を確保したい
- 新卒採用よりも候補者が少ないため、選考に時間がかからない
そのため、新卒の就職活動よりも第二新卒の転職のほうがあまり時間がかからない傾向があります。
第二新卒に最適な転職時期とは?
転職自体は求人が常にある状態なので通年可能ですが、第二新卒には求人募集が増える時期があるといわれています。それは4月(転職時期は1〜3月)と10月(転職時期は7〜9月)です。4月は1年以内に退職する人や定年退職する人がいるため、会社は人手不足になります。さらに4月入社であれば新卒と一緒に研修に参加して、会社になじむこともできるため、第二新卒に向けた求人が増加します。
10月は転勤や異動で欠員が出ることが多く、人手の補充が必要になる傾向です。また、企業では下半期の始まりが10月という会社も多く、4月と同様に下半期入社の人と研修を同時に行えるメリットがあるため、求人が増える傾向があります。
このように4月と10月は求人募集が増えるので、第二新卒の最適な転職時期とされているのです。転職時期に悩んでいる方や、理想の求人が見つからず悩んでいる方は、4月と10月の求人をチェックしてみるとよいでしょう。
第二新卒が転職する4つのメリット
第二新卒が転職するメリットは、以下のとおりです。
- ポテンシャルや柔軟性を評価される
- 異業種に挑戦しやすい
- 新卒の就職活動よりもライバルが少ない
- 現職よりよい条件の企業に転職できる可能性がある
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
ポテンシャルや柔軟性を評価される
第二新卒者は社会人経験が短いため、前職の会社のルールや考え方に染まりきっていない状態といえます。転職後の会社の決まりごとや、社風に無理なく適応できる柔軟性を魅力に感じる会社も多いようです。また、経験者採用だとどうしてもスキルやある程度の経歴が求められますが、第二新卒は社会人経験が浅いことから、人柄やコミュニケーションスキルなどの潜在能力を評価する傾向にあります。 そのため自身のポテンシャルをアピールすることで、スキルに関わらず希望の会社に転職できる可能性が高いです。
異業種に挑戦しやすい
異業種にチャレンジしやすい点も、第二新卒の転職においてメリットといえます。一般的にキャリアチェンジは若手が有利で、年齢を重ねるにつれて難易度が上がる傾向です。第二新卒はある程度の社会人マナーを備えており、まだまだ新しいことを吸収できる意欲や体力があるので、企業側としても注目する存在です。未経験の第二新卒を歓迎している求人も多数あるので、新卒で目指していた業界に縁がなかった方は、第二新卒の転職で再トライしてみてもいいでしょう。
新卒の就職活動よりもライバルが少ない
新卒の就職活動は一斉に採用が行われるためライバルが多く、希望の会社に就職するハードルが高いですよね。第二新卒の転職は新卒採用のときと比べて応募者も少ないため、会社もより自分と向き合って選考してくれるでしょう。ライバルが多くいるとその中から内定を勝ち取らなければならず、他の人より秀でたことをいわなければと焦ってしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。1人に向き合ってくれる第二新卒の転職なら、本来の強みや自分らしさをアピールできるはずです。
本当の自分を評価してくれる会社に出会えれば、働きやすい環境に転職できる可能性が高まります。
現職よりよい条件の企業に転職できる可能性がある
転職をすることによって、現在勤めている会社よりもいい条件の企業で働ける可能性が高まります。一度会社に勤めたことで、新卒の就職活動のときにはイメージがしにくい自分の求める福利厚生や、業務内容が徐々に明確になってきます。その条件をもとに、より自分にマッチする会社を探せるようになるため、現職よりも待遇のいい会社に転職できる可能性があるでしょう。
第二新卒が転職するときに生じるデメリット
第二新卒が転職する場合、異業種に挑戦しやすかったり、よりよい条件の会社に転職できたりするメリットがある一方で、不利な点もあります。
- ビジネスマナーや社会人マナーが身についていると思われる
- 即戦力ではないと判断される
- 第二新卒の求人が少ない
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
ビジネスマナーや社会人マナーが身についていると思われる
企業が第二新卒を採用する際に「社会人としての基礎を身につけるための教育コストがかからない」というメリットがあります。企業側は教育コスト削減を狙って第二新卒を採用する場合があるため、ビジネスマナーや社会人マナーが身についている前提で第二新卒を募集する会社が多いようです。短期間でも社会人経験がある以上は挨拶や言葉遣い、身だしなみなど最低限のマナーを求められます。社会人経験の浅い人や、転職後の会社でビジネスマナーをしっかり身につけたいと考えている人は苦労するかもしれません。
即戦力ではないと判断される
第二新卒は社会人経験があるとはいえ、短期間で身につけた知識やスキルを活かして仕事をした経験は少ないといえます。そのため、転職後の会社ですぐ活躍できるほどの即戦力とはいえないことが多いです。人手不足で入社後すぐに現場で働いてもらいたいと考えている会社からは、採用を見送られる可能性があります。中途採用の求人は即戦力を求めている場合があるので、異業種への転職や転職してから知識やスキルを身につけたいと考えている方は、募集要項に第二新卒歓迎と記載のある求人に応募するのがおすすめです。
第二新卒の求人が少ない
近年、売り手市場が第二新卒に注目しているといわれていますが、実際は第二新卒の求人が多くないのが現状です。 未経験者可の求人は新卒を求めていることが多かったり、経験者向けの求人は3年以上の職歴が必須だったりするため、第二新卒に向けた求人は少ないといえます。第二新卒歓迎の求人の中から希望の条件に合う会社を見つけることが、転職を成功させるための鍵といえるでしょう。
第二新卒の転職が難しい人の特徴
第二新卒の転職が成功しない人には、いくつかの共通点があります。
- 前職の退職理由があいまいである
- 辞めそうな雰囲気が出ている
- 基本的なビジネスマナーが備わっていない
それぞれの特徴を確認して、今後の転職に活かしましょう。
前職の退職理由があいまいである
転職の面接の際に必ず質問される前職の退職理由は、答え方によって面接官に大きな印象を与えます。「仕事が自分に合わなかった」「人間関係の不一致」など退職理由があいまいだと、転職してどうなりたいのかが面接官に伝わらなかったり、転職後に再度同じ状況になったときに辞めてしまうのではと懸念されたりと、マイナスな評価をされてしまうかもしれません。
退職理由があいまいで今後のビジョンが伝えられない人は、転職するのが難しいといえます。
辞めそうな雰囲気が出ている
態度や話の節々から辞めそうな雰囲気が出ている人も、第二新卒の転職が難しい人の特徴です。退職理由など面接時の会話から、「困難に直面したら退職すればいいと考えている」「逃げ癖がある」という印象を面接官に持たれてしまうと、採用を見送られてしまう可能性があります。会社側は長く働いて利益をもたらしてくれる人材を求めていることが多いため、辞めそうだと思われると転職に不利になってしまうでしょう。
基本的なビジネスマナーが備わっていない
多くの企業は第二新卒を採用すれば教育コストを削減できるため、基本的なビジネスマナーが身についている人を採用したいと考えています。そのため、面接で最低限のビジネスマナーが身についていないと判断されると、第二新卒の転職は難しくなってしまうでしょう。ビジネスマナーを学ぶ前に退職してしまった方は、独学で構わないので、面接に挑む前に言葉遣いや身だしなみなどのマナーついて勉強するようにしましょう。
第二新卒の転職に成功しやすい人の特徴
続いて、第二新卒の転職に成功しやすい人の特徴を見ていきましょう。
- 自身のキャリアビジョンをしっかり持っている
- 前職の退職理由が明確である
- 応募する会社がどんな人材を求めているのかイメージできている
自身のキャリアビジョンをしっかり持っている
面接時にやりたいことや熱意をアピールするためにも、自身のキャリアビジョンをしっかり持つことが大切です。中長期的なキャリアビジョンを持っていれば、それを達成するために今やるべきことが逆算できます。なぜ今この仕事がやりたいのかがはっきりするため、面接の際に説得力が増して熱意も伝わりやすいでしょう。仕事のことだけでなく、プライベートも含んだキャリアビジョンを考えると、より具体的なイメージを持てます。
前職の退職理由が明確である
前職の退職理由が明確だと「その原因を改善するために転職する」という軸ができ、転職活動を進めやすくなります。転職後に何をしたいか明確になっていれば、転職の途中で目的がわからなくなって妥協したり、転職後に前職の退職理由と同じ問題で悩んだりせずに済みます。転職活動を始める前に、どんな理由でなぜ退職したのか、転職の目的は何かを明確にしておくと、目指すべきゴールが見えて転職を成功させやすくなるでしょう。
応募する会社がどんな人材を求めているのかイメージできている
面接で自身をアピールするには、会社側がどのような人材を必要としているかを把握することが重要です。会社が欲している人材をイメージできれば、その人材に当てはまるようなアピールをして効果的に自分を売り込めるからです。会社が第二新卒を採用する際に何を重視しているか想像し、自分のどの部分をアピールすればいい印象を与えられるか、よく考えてから面接に挑みましょう。応募する会社がどんな人材を求めているかわかれば、自分に合っている会社かそうでないかを見極められて、入社後のギャップを軽減させられるかもしれません。
第二新卒の転職を成功させる5つの方法
第二新卒の転職を成功させる方法は、次のとおりです。
- 自己分析を十分に行う
- 企業研究は入念に行う
- 転職先に求める条件をあいまいにしない
- 転職理由はネガティブにならないようにする
- 第三者に相談する
自己分析を十分に行う
自分に向いている仕事や自身が持っている強みを理解するには、自己分析が重要です。しかし、自分のことを理解するのは予想以上に難しいもの。実は自己分析が苦手な方も多いのではないでしょうか。自己分析で悩んだら、ミイダスの「コンピテンシー診断」を活用するのがおすすめです。 質問に答えるだけで自身の特性や能力、どんな環境でストレスを受けやすいのか、相性のいい上司や部下などがわかります。
ミイダスのコンピテンシー診断は、心理学や認知神経科学で博士号を取得したメンバーを含む組織が監修しているため、信頼できる分析結果が得られます。 ぜひコンピテンシー診断を活用して具体的な自己分析をし、転職に活かしてみましょう。
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企業研究は入念に行う
気になっている業界や企業が自分に合っているかを判断するためには、転職前の企業研究が非常に大切です。社会人経験を活かして、新卒のときに行った企業研究よりも詳しく分析すれば、会社と自分のマッチ度合いがわかったり、会社が求める人材が見えて自身のどの部分をアピールすればいいか考えられたりするでしょう。さらに、企業研究をしてその会社のいい点や課題点についても深く理解すれば、「実際に働いてみたら想像と異なっていた……」という入社後のミスマッチを生まれにくいです。事前の企業研究を怠ると、転職後の働きやすさにも影響する可能性があるので、努力を惜しまずできるだけ入念に行うよう心がけましょう。
転職先に求める条件をあいまいにしない
転職先の会社に求める条件をはっきりさせておかないと、せっかく転職したのに前職と同じ問題に悩まされ、労働環境を改善できないおそれがあります。転職を成功させるには、自分のやりたいことを明確にしたり譲れない条件を決めたりして、企業選びを妥協しないことが大切です。転職先に求める条件が明確になっていれば、それが転職の軸になるので転職活動も進めやすくなるでしょう。
転職理由はネガティブにならないようにする
転職理由を伝える際に「残業時間が長かった」「仕事が合わなかった」などのネガティブな理由だけだと、仕事に対しての意欲が低いのではないかと思われてしまう場合があります。マイナスな印象を与えないよう、本来はネガティブな退職理由だったとしても、ポジティブな言葉に言い換えて伝えるとよいでしょう。「残業時間が長かったから」という理由ならば、「オンオフのメリハリをつけ、業務に集中したいから」のように退職理由を前向きな言葉に変換できます。さらに転職先で今後どうなりたいかまでつなげられれば、面接官に向上心も伝わり、評価もプラスに傾くはずです。
第三者に相談する
転職活動に行き詰まったときは1人で悩みすぎず、家族や友人などの第三者に相談することも大切です。自分だけで考えても結論が出ないときは、周囲の人に頼ることで客観的な意見が聞けて、転職のヒントになるかもしれません。特に第二新卒の場合はほとんどの人が初めての転職活動なので、不安は大きいものです。転職の進め方に悩んでいる方は、転職エージェントの利用もおすすめです。
転職のプロが会社の情報を教えてくれたり、面接のアドバイスをしてくれたりするので、効率的に転職を進められますよ。
第二新卒の転職活動にあたって注意したいこと
第二新卒者には初めて転職活動をする人も多く、何に気をつけて転職活動をしたらいいか戸惑っている方もいるのではないでしょうか。ここでは第二新卒の転職活動にあたって注意すべき点を3つご紹介します。
- 今までの経歴を気にしすぎない
- 新卒のときと同じ感覚で転職に取り組まない
- 内定が出るまで退職しない
今までの経歴を気にしすぎない
異業種や現在よりレベルの高い会社に転職したいけど、今までの経歴では通用しないのではないか、と気にしている方もいるかもしれません。しかし、第二新卒の転職のメリットでも紹介したとおり、第二新卒の採用は経験者採用とは異なり、スキル重視ではなくポテンシャルを評価されることが多いです。経歴に関わらず希望の会社に転職できる可能性は十分にあるので、今までの経歴を気にしすぎず自分のやりたい業種にチャレンジしたり、気になる会社にアプローチしたりしてみてください。
新卒のときと同じ感覚で転職に取り組まない
新卒のときの就職活動のように多数の会社に応募するやり方では、第二新卒の転職はうまくいかない可能性があります。 第二新卒は、一度会社で働いたことで自身の適性がわかるようになります。自分に向いている仕事が見えてきたり、会社に求める条件が明確になったりするので、自分に合った会社を探せるようになるでしょう。 現職よりもいい環境に転職するためには、自分に合う会社に応募するやり方に切り替えることが大切です。
たくさんの企業に応募をしてしまうと1社に集中できなくなり、転職が長引いてモチベーションが下がる原因にもなりかねません。 第二新卒の転職は企業に求める条件を絞って、量より質の就職活動を目指すのがベストです。
内定が出るまで退職しない
なるべく早く現在の会社を辞めたいと思っている方の中には、先に退職してから転職活動を始めようと考えている人もいるかもしれません。しかし、退職して収入源がない状態での転職活動は焦りが生じやすく、転職活動に身が入らなくなってしまいます。仕事をしながらの転職活動は時間も労力も使い大変ですが、焦って妥協した会社に転職するような事態を防ぐためにも、内定が出るまでは退職しないほうがいいでしょう。内定が出てからでも退職の手続きは間に合うので、急いで行動せず、スケジュールを立てて計画的に転職に取り組むのがポイントです。
第二新卒の転職に役立つ書籍3選
「ビジネスマナーやスキルに自信がない……」「なるべくスムーズに転職したい」という方に、第二新卒の転職に役立つ書籍を3冊ご紹介します。
谷所 健一郎『第二新卒の転職成功ルール: 第二新卒のアピールポイントを理解していますか? 』
『第二新卒の転職成功ルール:第二新卒のアピールポイントを理解していますか?』の著者・谷所健一郎は、1万人以上の面接を経験してきた採用に知見のある人物です。第二新卒の転職活動 第二新卒の職務経歴書 第二新卒の面接 第二新卒のワーク 第二新卒Q&A 上記のような見出しで構成されており、転職活動の基本ルールや企業がどのような人材を求めているのかなど、企業側目線の面接対策について書かれています。新卒と同じような面接対策では、第二新卒の転職はうまくいかない可能性があります。客観的な見方ができるようになりたい方におすすめの書籍です。
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福澤徹三『自分に適した仕事がないと思ったら読む本―落ちこぼれの就職・転職術 』
「今の仕事を辞めたいけど、自分の能力に自信がない」「自分に合った仕事がわからない……」という方は、この本を転職活動を行う前に読んでみるのをおすすめします。経験値が少ない新卒や第二新卒のころだと知り得ないような、社会の構造について教えてくれる本です。また、著者である福澤徹三は小説家なので、堅苦しくなく読みやすい文体となっています。仕事を選ぶ前に一読すると、社会の見方を変えてくれるはずです。
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山下 良輔『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法 』
この本は、新卒で第一志望の企業に入れなかった人や、今の会社に満足していない人に向けた書籍です。- 第1章:会社選び
- 第2章:書類選考・面接
- 第3章:転職エージェント
- 第4章:実績づくり
- 第5章:身だしなみ
上記のように全5章で構成されており、転職を成功させる方法が事細かに書かれています。転職は行動するのに大きなエネルギーを消費しますが、前向きに転職しようと勇気を与えてくれます。
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第二新卒の転職に関するQ&A
最後に、第二新卒の転職に関するQ&Aをまとめました。
Q1.第二新卒だが未経験の業界でも転職できる?
第二新卒でも、未経験の業界に転職はできます。近年は少子高齢化による人手不足により、新卒だけではなく中途の採用も積極的に行っている企業が多い状況です。たとえば、IT業界は将来的に人手不足が慢性化するおそれがあるので、未経験でも応募してもらえるように手厚い研修サポートを整えている企業も存在します。
Q2.高卒でも第二新卒に該当する?
高卒の方も、新卒で入社した会社を3年以内に退職し、転職活動をしている若手求職者であれば該当します。Q3.第二新卒と既卒の違いは何?
第二新卒は「新卒で入社した会社を3年以内に退職し、転職活動をしている若手求職者」を指します。 一方で既卒は「卒業後3年以内に社会人経験がない人」のことです。学校を卒業後、アルバイトやパートで働いている人も、既卒にあたります。
ミイダスのコンピテンシー診断で転職を成功させよう
ミイダスの「コンピテンシー診断」とは、個人の行動特性や思考性を分析し、仕事に関する能力の有無や程度を明らかにするツールのことです。近年は人材教育や人事評価の際に使用する企業も増えてきています。
ミイダスのコンピテンシー診断は20個以上の質問に答えるだけで、以下のような詳しい自己分析が可能です。
- 自身の強み
- パーソナリティ
- ストレス要因
第二新卒の転職を成功させるには、自分に合った会社を探すための自己分析が鍵となります。自分の行動特性はどの企業に適性があるのか、コンピテンシー診断を利用してしっかりと確認しておくとよいでしょう。
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自己分析を十分に行ったうえで転職に挑戦しよう
第二新卒の転職のメリットやデメリット、転職を成功させる方法などをご紹介しました。第二新卒の転職は早期退職を懸念される、求人が多くないといった不利な点もあります。
しかし企業研究を入念に行ったり、ミイダスのコンピテンシー診断で自己分析を行ってアピールポイントを考えたりするなど、自分のがんばり次第で転職を成功させられるでしょう。納得のいく転職ができるように行動し、周囲の力も頼りながら転職活動に挑戦してみてください。