「測量士に転職したいけど、自分は向いているのか不安」
「道端でよく見かけるけど、どんな仕事内容なのかくわしく知りたい」

このように考えている方もいるのではないでしょうか。

測量士は、建築物を作るために正確に地形を測る職業です。本記事では、土木の測量士になる方法や向いている人・向いていない人の特徴について解説します。土木の測量士に興味がある方はぜひ参考にしてください。

測量士とは？仕事内容や平均年収を紹介

測量士とは、建築物や道路、路線などの公共施設を作る際に必要な測量を行い、土地の位置や面積データなどのデータをもとに図面を作成する人のことです。 測量士は地味な作業が多い職業であり、根気と正確性が求められます。

しかし建築や土木工事において欠かせない存在であるため、やりがいの大きい仕事と言えるでしょう。

仕事内容

測量士の仕事は主に「外業」と「内業」の2種類です。

「外業」は、おもに土地や建物の位置を測定するために、測量機器を使用して現地で測量を行います。これには、三角測量や水平測量、高さの測定などが含まれます。 地形や地勢の詳細なデータを収集し、地図や図面に記録するのが仕事です。

「内業」は、現地で収集したデータをもとに、図面や地図を作成します。これにはCAD（コンピュータ支援設計）ソフトウェアを使用することが一般的です。測量データを解析し、建物の基礎や道路の設計、土地の区画割りなどに活用します。

勤務場所

測量士が働く場所として、測量事務所、建設コンサルタント会社、地方自治体などが挙げられます。

役割

建築プロジェクトや土地開発において、正確な測量データを提供することで、建物の配置や土地の利用を最適化します。地図や図面の作成において、測量士は重要な役割を果たします。

平均年収

測量士の平均年収は440万円程度といわれており、日本の平均年収に比べて高い傾向にあります。

測量士歴1～4年までは、ほかの職業と同じように200～300万円程度となりますが、経験年数や役職が上がるにつれて500～800万円程度も目指せるでしょう。

測量士と測量士補の違い

測量士と似た職業として「測量士補」が挙げられます。測量士補とは、言葉でもわかるように測量士を補佐する役割のことです。

測量士は測量計画作成や現場の指示などを出せますが、測量士補はすべて測量士の指示に従って任務を果たす必要があります。

測量士になるにはどうしたらいい？

公益社団法人日本測量協会によると、測量士になる方法として以下の条件があります。

1. 文部科学大臣の認定した大学、短期大学、又は高等専門学校において、測量に関する科目を修め、 当該大学等を卒業し、測量に関し実務経験（大学は1年以上、短大・高等専門学校は3年以上）を有する方。
2. 国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設において1年以上測量士補となるのに必要な専門の知識及び技能を修得し、測量に関して2年以上の実務経験を有する方。
3. 測量士補で、国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設において、高度の専門の知識及び技能を修得した方。登録申請書を提出し、国土地理院へ登録することにより、測量士となることができます。
4. 国土地理院が行う測量士試験に合格した方。

引用：公益社団法人日本測量協会

したがって、測量士になるには国家試験に受かるか、大学や専門学校に通い、卒業後実務経験を積むかのどちらかになるといえます。

測量士の国家試験の難易度・合格率はどのくらい？

上記を読んで「測量士の国家試験に受かったほうが早いのでは？」と思う方もいるのではないでしょうか。測量士の国家試験は難易度はかなり高く、合格率も低いのが現状です。

国土交通省の国土地理院のデータによると、令和5年に実施された測量士試験では受験者数3,667名に対し、合格率は379名という結果でした。合格率は10.3％となっており、前年の令和4年の合格率14.4％に比べてもかなり低い状況です。

この結果を見ても、国家試験に受かってから測量士になることはハードルが高いといえます。測量士を目指すときは、自分に合う方法を慎重に選んだほうがよいでしょう。

測量士に向いている人の特徴

測量士に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

• 細かい作業が好きな人
• 根気がある人
• 地域に貢献したい人
• 学ぶのが好きな人
• コミュニケーションが得意な人

 それぞれの特徴を見ていきましょう。

細かい作業が得意な人

測量士は正確性が必要です。少しのズレによって再測定が発生したり、場合によっては大きな事故につながったりする恐れもあります。

そのためには日頃から、正確で細かい作業が得意である人が向いているといえます。

根気がある人

測量士は、外で長時間の作業を行うこともしばしば。場合によっては、天候や気温にかかわらず業務を行う必要があります。

そのため、根気がある人は測量士に向いているでしょう。

地域に貢献したい人

地域に貢献したい人も、測量士の仕事が向いているといえます。測量士は道路や鉄道、ダムやトンネルなどの整備を行う際の測量計画を行います。

私たちの生活に欠かせないインフラ整備に携われるため、地域に貢献をしたい人にとっては最適な職業であるといえるでしょう。

学ぶのが好きな人

測量は精度を高めるために、最新の技術を導入しています。そのため、新しいことを学び続けなければなりません。

常に新しい知識を学ぶことが好きな人、苦にならない人にとっては測量士の仕事は合っているでしょう。

コミュニケーションが得意な人

コミュニケーションが得意な人も、測量士に向いているでしょう。測量士は測量士補だけではなく、現場の人たちやクライアントの人々ともコミュニケーションを取る必要があります。

また、測量士補に指示を出したり仕事を任せたりするには、コミュニケーションが必須です。

測量士に向いていない人の特徴

測量士に向いていない人の特徴は、以下のとおりです。

• 大雑把な人
• 単調な作業をしたい人
• 室内で仕事をしたい人

それぞれの特徴を見ていきましょう。

大雑把な人

大雑把な人は測量士には向いていないといえます。測量士に一番大切なことは「正確性」です。

「大体このくらいでいいや」という姿勢で働くとミスにつながり、場合によっては多くの人に迷惑をかけてしまうかもしれません。

単調な作業をしたい人

同じ作業をしていたい人にも向いていないと考えられます。一見、測量士は単調な仕事に見えますが、その土地の地形に関するデータを収集したり、場合によってはクライアントと細かいコミュニケーションが必要になったりします。

そのため、単調な作業をしたい人にとっては測量士の仕事はつらいかもしれません。

室内で仕事をしたい人

室内で仕事をしたい人には、測量士は向いていないでしょう。測量士は天気の悪い日や設計図を書く際は室内で仕事になりますが、メインは外での作業です。

「室内で仕事がしたい」「外で行う作業はなるべく避けたい」という方には測量士は向いていないと考えられます。

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【関連記事：転職できる？適職診断ならミイダスの「コンピテンシー診断」 】

土木の測量士は正確性や根気を求められる仕事

本記事では、土木の測量士の仕事内容や、向いている人・向いていない人の特徴について解説しました。測量士は、電車の路線やトンネル、ダムなどを作る際に必要不可欠な職業です。

測量士になるには、国家試験を受けるか測量士について学べる大学や専門学校などを卒業、また1年以上の実務経験が必要になります。国家試験も合格率が低く、簡単にはなれない職業といえます。

目指す前にミイダスのコンピテンシー診断のような適職診断を受け、自分に適性があるかきちんと把握したうえで目指しましょう。

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