目次
「Web広告運用の仕事に興味があるけれど、いまいち業務内容の想像ができない…」
「未経験でもWeb広告運用に転職できる?」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。Web広告運用(オンライン広告運用)は、主にGoogleやYahoo!、SNSなどの媒体に広告を入稿したり、結果や成果をレポーティングしたりする仕事です。
広告運用と聞くと、「深いWebの知識やマーケティングなどに詳しくないとできないのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、Web広告運用の仕事は未経験から始めることも可能です。
この記事では、Web広告運用の仕事内容や求められるスキルなどを詳しく解説します。また、未経験からWeb広告運用に転職する方法も紹介するので、ぜひご一読ください。
Web広告運用(オンライン広告運用)とは、検索エンジンであるGoogleやYahoo!、各種SNS(Facebook・Instagram・X・YouTube・LINE など)に広告を入稿・運用する仕事です。 具体的には、以下のような業務を行います。
ネットの普及やSNSを使う人が増えていることで、オンライン上に広告を出す企業・個人が増加し、それを運用するWeb広告運用の需要が高まっています。
Web広告運用の年収
引用:「Web広告運用人材の年収と採用難易度」に関する実態調査 | 株式会社Shirofune
広告運用ツールを開発・提供する「株式会社Shirofune」が2023年5月に実施した調査によると、Web広告運用人材の平均年収は約623万円だとわかりました。 経験年数別の平均年収は、以下のとおりです。
この結果から、平均年収は比較的高いことがわかります。ただ、上記はあくまで平均値であり、「未経験〜2年未満」では年収400万円未満と回答した人が48%と、最も多くなっています。
Web広告運用の年収は未経験や2年未満は低いですが、経験値によって徐々に上がっていくことがわかりました。
参考:「Web広告運用人材の年収と採用難易度」に関する実態調査 | 株式会社Shirofune
Webマーケティングは、Web上で商品やサービスが売れる仕組み作りを行う活動のことで、以下のような種類があります。
【Webマーケティングの一例】
このように、Webマーケティングの一部に広告運用が位置している仕組みです。Webマーケターの仕事についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事:Webマーケターの仕事内容を知ろう!向いている人や未経験から学ぶ方法も紹介】
Web広告運用は、基本的にPDCA(Plan・Do・Check・Action)のサイクルで進められます。主な仕事の流れは、以下のとおりです。
それぞれの業務内容について、詳しく紹介します。
たとえば、都市部にあるマンションの広告を出したい場合、購入するのは比較的、年齢層や年収が高い人だと考えられるでしょう。 そのため、媒体はGoogle・Yahoo!、SNSだとFacebookが効果的といえます。
また、それぞれにいくら予算を割り振るのが適切なのかも、企画の段階で検討することが大切です。 ほかにも、どのような広告文やバナーが最適なのか考え、場合によっては営業やデザイン部署と連携し、企画を進めていきます。
この際、大切なのは管理画面ごとの仕様を理解し、適切に操作できることです。また予算や入札単価が問題なく設定できているか、バナーや広告文に誤りはないかも、細かくチェックすることも求められるでしょう。
そのためGoogle Analytics(アナリティクス)や、そのほかの分析ツールを用いて、広告の成果を把握し改善することが求められます。
具体的には、広告の表示回数(インプレッション)や広告がクリックされた回数(クリック数)、ユーザーがアクションした割合(コンバージョン率)などをチェックします。
そして、これらの数値を上げるにはどうすればいいのか、データを元に分析するのもWeb広告運用の重要な業務です。
たとえば、クリック数が少ない場合はタイトルや広告文、バナーなどを改善する必要があるでしょう。また、そもそも広告がユーザーに表示されていないのなら、広告の入札単価が低い・予算上限に達しているなどの理由が考えられます。
このように、分析したデータから課題を洗い出し、次の施策を検討するのもWeb広告運用の仕事です。
Web広告運用の仕事では、運用型広告を扱います。運用型広告とは、テレビやラジオなどの広告とは異なり、出稿後にターゲットや入札単価・広告の内容を自由に変えられる広告のことです。
主に以下の4種類が、運用型広告に挙げられます。
Web広告運用をするうえで、これらの種類を把握しておくことが大切です。それぞれの特徴を詳しく解説します。
商品やサービスを探しているなど、ユーザーのニーズに合った広告を表示できるので、コンバージョンする可能性が高い人にリーチできるのが強みといえます。 テキスト広告のため、短い文章でいかに商品やサービスの強みをアピールできるのかが重要です。
テキストだけでなく、画像や動画を用いるためユーザーの興味を引きやすい・クリックしてもらいやすいなどのメリットがあります。
また、リスティング広告やディスプレイ広告では手動で入札単価の調整をするなど、手作業が必要になる場合がある一方、DSP広告は半自動で入札単価を調整できます。 そのため、広告の配信工数を下げられるのもメリットといえるでしょう。
SNS広告では、登録時にユーザーが入力した情報や行動データをもとに、精度の高いターゲティングができるのが特徴といえます。
「Web広告運用の仕事をしてみたいけど、どこで働ける?」と疑問に思う人もいるでしょう。ここでは、以下3つの方法を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので、自分に合った方法を見つけてみてください。
外注費をかけずに運用できるため、会社のコスト削減につながるのが大きなメリットです。広告運用の担当者だけでなく、営業や広報などの他部署と一緒に仕事を進めることもあります。
広告代理店は主に、以下3種類に分類されます。
広告代理店の種類によって、求められるスキルが異なります。
たとえば総合広告代理店なら、多くの媒体・メディアの知識、専門広告代理店は特定の媒体の深い知見、ハウスエージェンシーは広告主となる会社の商品・サービスへの理解などが求められるでしょう。
【関連記事:広告代理店は残業が多い!その理由や残業が少ない企業を見分けるポイントも解説】
仕事内容は広告運用のみを担当したり、広告運用以外のマーケティング部分に関わることもあります。
クラウドソーシングや営業など、自分で仕事を受注する必要がありますが、実力によっては収入を増やしたり、広い領域でビジネスに関われたりする点が魅力です。
Web広告運用は自分が出稿した広告がたくさんの人の目に届いたり、クライアントの成果につなげられたりとやりがいが大きい仕事です。ここでは以下3つのやりがいについて紹介します。
ときにはコンバージョンにつながらなかったり、数値が伸び悩んだりと、焦りや不安に思うこともあるでしょう。しかし、自分の運用で売り上げに貢献できたときの達成感は大きいといえます。
そのため、リモートワークやフレックスタイム制を取り入れている企業が多いのも特徴です。また、副業から始められるため、慣れてきたら独立を目指しやすいのも魅力でしょう。
総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、2022年のインターネット広告費が3兆912億円に対し、マスコミ広告(テレビメディア・新聞・雑誌・ラジオ)の広告費は2兆3,985億円と、Web広告が大きく上回ったことがわかりました。
現在はAIや自動化の発展により、一部のデータ分析や入稿などは人が行わなくてもよくなっています。
ただ、Web広告運用の仕事は人と人とのコミュニケーションが求められる機会も多くあるため、仕事自体がなくなる可能性は低いといえるでしょう。将来性のある仕事について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
【関連記事:今の仕事のままだと将来が不安…不安を取り除く方法とは?将来性のある職種も解説】
参考;総務省|令和5年版 情報通信白書|広告
Web広告運用の仕事はメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
これらのデメリットについて、詳しく紹介します。
たとえば、日本国内ではPodcast(ポッドキャスト)やSpotify(スポティファイ)などの音声コンテンツが人気を集めています。そのため、「音声で配信する『デジタルオーディオ広告』が注目されそう」など、トレンドを逃さずキャッチすることが求められるでしょう。
トレンドに興味がない人、知識や技術を追いかけることが苦に感じる人にとっては、働きづらいかもしれません。
Web広告運用をする際には、以下のような指標を用いて、最適化を図ります。
【管理指標の一例】
これらすべての管理指標の意味を勉強して、広告を分析しなければならないため、覚えることが苦手な人にはつらいかもしれません。
Web広告運用の業務について、大体はイメージできても実際にやってみると「自分には向いていなかった…」と思う可能性もあります。
Web広告運用の仕事が向いている人・向いていない人の特徴をまとめたので、当てはまっているかぜひ確認してみてください。
広告運用では、数値を見て分析・改善を行います。そのため、数字を見ることに抵抗がない人に向いているでしょう。
また、ときにはクライアントだけでなく営業やデザイナーと関わることがあるため、仕事を円滑に進められるコミュニケーション力も必要です。
数字が苦手、CTRやCVなど専門用語を覚えられない人は、Web広告運用の仕事が難しいかもしれません。
また、休日に広告を配信する場合は、土日祝関係なく、うまく運用できているか管理画面をチェックすることもあります。そのため仕事のオンオフをしっかり作りたい人は、ストレスに感じる可能性が高いです。
ほかにも、数値を改善するために自分で方法を考えてPDCAを回すため、人から与えられた仕事だけをしたい人にも不向きといえるでしょう。
Web広告運用をするうえで、必要な3つのスキルについて紹介します。
これらのスキルを持ち合わせていないと、広告運用の仕事ができないというわけではありません。しかし、持っていれば転職時の強みになるので、ぜひ参考にしてください。
「impを増やすにはどうすればいいのか」「CVにつながらない原因は何があるのか」など、日々分析する必要があります。そのため分析力に加えて、論理的に物事を考えられる思考力も求められるでしょう。
データをまとめたりレポートを作ったりするため、Excelの関数計算ができるとアピールになるでしょう。また、個人で広告を出した経験があると管理画面やツールの操作スキルを証明しやすいです。
「どんな広告ならユーザーがクリックしたくなるのか」といった客観的な想像力、そして競合に負けないキャッチコピーやバナーを作成するための発想力も不可欠です。
結果を見てそれで終わりではなく「なぜこうなったのか?」と考えて、アイデアを積極的に生み出す姿勢が広告運用には求められるでしょう。
Web広告運用の仕事に就くために、必須の資格はありません。
しかし、資格を持っていることでスキルを証明しやすくなります。 Web広告運用に興味がある方は、ぜひ取得を検討してみてください。
Googleが作成した学習コンテンツも豊富のため、「まずは広告について知りたい」という方はこちらの資格を取得するところから始めてみてもいいでしょう。
ただ、有効期限は取得後1年間のため、定期的に受験し直す必要があります。
「GAIQ(Google Analytics Individual Qualification)」は、Google Analyticsの知識を証明できる資格です。実務でも使用頻度の高いGoogle Analyticsについて詳しく学べるため、資格を取得すれば即戦力になれることをアピールできます。
ほかにも、データ分析だけでなくWebマーケティングスキルも身につけられる「ウェブ解析士」も、広告運用に役立つ資格です。
初心者の方は、基本的なマーケティングの知識を学べる「ネットマーケティング検定」や「マーケティング・ビジネス実務検定」がおすすめ。
より専門性を高めたい場合は、SEOやSEM、広告やデータ解析などの知識をを証明できる「IMA(Internet Marketing Analyst)検定」の受験も視野に入れてみてください。
「未経験でもWeb広告運用に転職できる?」と不安な方もいるでしょう。結論、経験がなくても転職することは可能です。
ここでは、Web広告運用への転職成功率を上げるためにできる3つのことを紹介します。
独学で勉強する方法には、以下のようなものがあります。
また、自身のSNSアカウントやサイトがある方は、それを活用して広告を運用してみるのもおすすめ。実際に広告を出したり、管理画面を触ったりした経験があると大きなアピールになります。
また、スクールによっては現役のマーケターが講師を務めていることもあり、最新の知識やスキルについてもキャッチアップしやすいのが魅力です。
自身が希望する条件にマッチする求人を紹介してくれることもあるため、転職活動を効率よく進められるでしょう。
これからWeb広告運用の仕事へ転職を検討している方は、転職サービスである「ミイダス」の活用がおすすめです。ミイダスは、あなたの特徴と企業の社風がマッチングしていることを重視した、転職支援サービスです。
ミイダス独自の診断コンテンツ(コンピテンシー診断・バイアス診断ゲーム)を使えば、あなたの強みや向いている仕事などがわかります。また、コンピテンシー診断を受けることで、あなたの特徴に合った企業からスカウトが届く可能性も。
ミイダスにはWeb広告運用の求人情報も載っているので、効率よく転職活動を進めたい方はぜひチェックしてみてくださいね。 コンピテンシー診断について、詳しく知りたい方は以下の記事もぜひご覧ください。
【関連記事:転職できる?適職診断ならミイダスの「コンピテンシー診断」】
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この記事では、Web広告運用の仕事内容や向いている人、活用できるスキルや資格などを紹介しました。オンライン広告の市場は今後ますます拡大する見込みがあり、広告運用の需要もより高まるでしょう。
未経験からWeb広告運用の仕事を始めたい方は、広告やマーケティングについて学習したり、自身で広告を出してみたりするのが大切です。また、「ミイダス」のような転職サービスを活用して、自身にマッチする求人を見逃さないことも、転職成功の鍵といえます。
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「未経験でもWeb広告運用に転職できる?」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。Web広告運用(オンライン広告運用)は、主にGoogleやYahoo!、SNSなどの媒体に広告を入稿したり、結果や成果をレポーティングしたりする仕事です。
広告運用と聞くと、「深いWebの知識やマーケティングなどに詳しくないとできないのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、Web広告運用の仕事は未経験から始めることも可能です。
この記事では、Web広告運用の仕事内容や求められるスキルなどを詳しく解説します。また、未経験からWeb広告運用に転職する方法も紹介するので、ぜひご一読ください。
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Web広告運用とは|媒体に出稿した広告を運用・管理する仕事
Web広告運用(オンライン広告運用)とは、検索エンジンであるGoogleやYahoo!、各種SNS(Facebook・Instagram・X・YouTube・LINE など)に広告を入稿・運用する仕事です。 具体的には、以下のような業務を行います。
- 広告を出す媒体を選ぶ
- 入札額やキーワード、広告文などの登録・変更をする
- 運用状況を確認する
- 分析・改善・レポーティングを行う
ネットの普及やSNSを使う人が増えていることで、オンライン上に広告を出す企業・個人が増加し、それを運用するWeb広告運用の需要が高まっています。
Web広告運用の年収
引用:「Web広告運用人材の年収と採用難易度」に関する実態調査 | 株式会社Shirofune 広告運用ツールを開発・提供する「株式会社Shirofune」が2023年5月に実施した調査によると、Web広告運用人材の平均年収は約623万円だとわかりました。 経験年数別の平均年収は、以下のとおりです。
- 未経験〜2年未満:約520万円
- 2〜5年未満:約550万円
- 5〜10年未満:約750万円
- 10年以上:約916万円
この結果から、平均年収は比較的高いことがわかります。ただ、上記はあくまで平均値であり、「未経験〜2年未満」では年収400万円未満と回答した人が48%と、最も多くなっています。
Web広告運用の年収は未経験や2年未満は低いですが、経験値によって徐々に上がっていくことがわかりました。
参考:「Web広告運用人材の年収と採用難易度」に関する実態調査 | 株式会社Shirofune
WebマーケティングとWeb広告運用の違い
Web広告運用と混同されがちな職種のひとつに、Webマーケティングがあります。しかし、厳密には同じ業務ではありません。Web広告運用は、Webマーケティングの施策のひとつです。Webマーケティングは、Web上で商品やサービスが売れる仕組み作りを行う活動のことで、以下のような種類があります。
【Webマーケティングの一例】
- Webサイト・メディア運用
- メルマガ運用
- SNS運用
- Web広告運用
このように、Webマーケティングの一部に広告運用が位置している仕組みです。Webマーケターの仕事についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事:Webマーケターの仕事内容を知ろう!向いている人や未経験から学ぶ方法も紹介】
【4ステップ】Web広告運用の基本的な仕事の流れ
Web広告運用は、基本的にPDCA(Plan・Do・Check・Action)のサイクルで進められます。主な仕事の流れは、以下のとおりです。
- 広告の企画
- 広告の入稿
- 運用実績の分析・評価
- 改善・施策検討
それぞれの業務内容について、詳しく紹介します。
ステップ1.広告の企画
まず、広告の企画を行います。具体的には、自社やクライアントの広告を誰に向けて出すのかというターゲット決めや、広告を出稿する媒体・予算決めなどが挙げられます。たとえば、都市部にあるマンションの広告を出したい場合、購入するのは比較的、年齢層や年収が高い人だと考えられるでしょう。 そのため、媒体はGoogle・Yahoo!、SNSだとFacebookが効果的といえます。
また、それぞれにいくら予算を割り振るのが適切なのかも、企画の段階で検討することが大切です。 ほかにも、どのような広告文やバナーが最適なのか考え、場合によっては営業やデザイン部署と連携し、企画を進めていきます。
ステップ2.広告の入稿
企画で広告の戦略やプランが決まったら、各媒体にタイトルや広告文、バナー・動画などを入稿していきます。広告の入稿は、各媒体の管理画面から設定を行います。この際、大切なのは管理画面ごとの仕様を理解し、適切に操作できることです。また予算や入札単価が問題なく設定できているか、バナーや広告文に誤りはないかも、細かくチェックすることも求められるでしょう。
ステップ3.運用実績の分析・評価
広告を入稿したら、問題なく運用できているかの分析や、成果のチェックを行います。 初めからクライアントが求める成果や、効果的な広告を作るのは難しいです。そのためGoogle Analytics(アナリティクス)や、そのほかの分析ツールを用いて、広告の成果を把握し改善することが求められます。
具体的には、広告の表示回数(インプレッション)や広告がクリックされた回数(クリック数)、ユーザーがアクションした割合(コンバージョン率)などをチェックします。
そして、これらの数値を上げるにはどうすればいいのか、データを元に分析するのもWeb広告運用の重要な業務です。
ステップ4.改善・施策検討
広告の数値を分析できたら、改善点を洗い出し次の施策を検討します。施策検討の際に見るべきポイントは、以下のとおりです。- ユーザーに問題なく広告が表示されているか
- 狙ったユーザーからクリックされているか
- コンバージョンにつながっているか など
たとえば、クリック数が少ない場合はタイトルや広告文、バナーなどを改善する必要があるでしょう。また、そもそも広告がユーザーに表示されていないのなら、広告の入札単価が低い・予算上限に達しているなどの理由が考えられます。
このように、分析したデータから課題を洗い出し、次の施策を検討するのもWeb広告運用の仕事です。
運用型広告の主な4種類
Web広告運用の仕事では、運用型広告を扱います。運用型広告とは、テレビやラジオなどの広告とは異なり、出稿後にターゲットや入札単価・広告の内容を自由に変えられる広告のことです。
主に以下の4種類が、運用型広告に挙げられます。
- リスティング広告(検索連動型広告)
- ディスプレイ広告
- DSP広告
- SNS広告
Web広告運用をするうえで、これらの種類を把握しておくことが大切です。それぞれの特徴を詳しく解説します。
1.リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告(検索連動型広告)とは、GoogleやYahoo!でユーザーがキーワードを検索したときに表示される広告のことです。商品やサービスを探しているなど、ユーザーのニーズに合った広告を表示できるので、コンバージョンする可能性が高い人にリーチできるのが強みといえます。 テキスト広告のため、短い文章でいかに商品やサービスの強みをアピールできるのかが重要です。
2.ディスプレイ広告(バナー広告)
ディスプレイ広告(バナー広告)は、「画像とテキスト」または「動画とテキスト」を組み合わせた広告のことです。Webサイトの上部や右側、アプリのニュースフィードなどの目につきやすい場所に表示されます。テキストだけでなく、画像や動画を用いるためユーザーの興味を引きやすい・クリックしてもらいやすいなどのメリットがあります。
3.DSP広告
DSP広告は、「Demand Side Platform」の略称で、狙いたいターゲットに絞り込んで配信する広告を指します。自社の商品やサービスに関心が高い人に絞って広告を出せるので、費用対効果が高いことが特徴です。また、リスティング広告やディスプレイ広告では手動で入札単価の調整をするなど、手作業が必要になる場合がある一方、DSP広告は半自動で入札単価を調整できます。 そのため、広告の配信工数を下げられるのもメリットといえるでしょう。
4.SNS広告
SNS広告は、X・Instagram・ Facebook・LINEなどのプラットフォームに表示する広告を指します。たとえば、Instagramだとストーリーズやフィード、リールなどに広告を出稿可能です。SNS広告では、登録時にユーザーが入力した情報や行動データをもとに、精度の高いターゲティングができるのが特徴といえます。
Web広告運用者として働く3つの方法
「Web広告運用の仕事をしてみたいけど、どこで働ける?」と疑問に思う人もいるでしょう。ここでは、以下3つの方法を紹介します。
- 事業会社に勤める
- 広告代理店に勤める
- フリーランスとして独立する
それぞれ詳しく解説するので、自分に合った方法を見つけてみてください。
1.事業会社に勤める
事業会社に勤めて、広告代理店に外注せずに自社内で商品・サービスの広告運用(インハウス運用)をする方法があります。外注費をかけずに運用できるため、会社のコスト削減につながるのが大きなメリットです。広告運用の担当者だけでなく、営業や広報などの他部署と一緒に仕事を進めることもあります。
2.広告代理店に勤める
広告代理店に勤める方法もあります。広告代理店とは、クライアント企業の広告を代わりに運用したり、宣伝活動を行ったりする会社のことです。広告代理店は主に、以下3種類に分類されます。
- 総合広告代理店:あらゆる広告メディアにおいて企画〜制作まで担当する
- 専門広告代理店:雑誌、屋外、ネットなどの特定の広告媒体に特化している
- ハウスエージェンシー:広告主となる特定の事業会社の専属で広告事業を行う
広告代理店の種類によって、求められるスキルが異なります。
たとえば総合広告代理店なら、多くの媒体・メディアの知識、専門広告代理店は特定の媒体の深い知見、ハウスエージェンシーは広告主となる会社の商品・サービスへの理解などが求められるでしょう。
【関連記事:広告代理店は残業が多い!その理由や残業が少ない企業を見分けるポイントも解説】
3.フリーランスとして独立する
会社に属さず、フリーランスとして独立する方法もあります。 フリーランスは、受注すればするほど売上を伸ばせるのが魅力。そのため、広告運用の経験や実績がある人におすすめの方法です。仕事内容は広告運用のみを担当したり、広告運用以外のマーケティング部分に関わることもあります。
クラウドソーシングや営業など、自分で仕事を受注する必要がありますが、実力によっては収入を増やしたり、広い領域でビジネスに関われたりする点が魅力です。
Web広告運用で働くやりがい・メリット3つ
Web広告運用は自分が出稿した広告がたくさんの人の目に届いたり、クライアントの成果につなげられたりとやりがいが大きい仕事です。ここでは以下3つのやりがいについて紹介します。
- 数字で結果がわかるから達成感を得やすい
- 柔軟に働きやすい
- 将来性がある
1.数字で結果がわかるから達成感を得やすい
Web広告運用は、成果が数字で見えるため達成感を得やすい点が魅力です。「自分が入稿した広告から商品が⚪️個売れた」「施策を変えたことでアクセス数が⚪%アップした」など、結果が目に見えます。ときにはコンバージョンにつながらなかったり、数値が伸び悩んだりと、焦りや不安に思うこともあるでしょう。しかし、自分の運用で売り上げに貢献できたときの達成感は大きいといえます。
2.柔軟に働きやすい
柔軟に働きやすいのも、Web広告運用のメリットです。広告運用はPCを使って仕事をするため、基本的にどこでも働けます。そのため、リモートワークやフレックスタイム制を取り入れている企業が多いのも特徴です。また、副業から始められるため、慣れてきたら独立を目指しやすいのも魅力でしょう。
3.将来性がある
近年、Web広告の市場規模が拡大していることで、広告運用の仕事も将来性が期待されています。総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、2022年のインターネット広告費が3兆912億円に対し、マスコミ広告(テレビメディア・新聞・雑誌・ラジオ)の広告費は2兆3,985億円と、Web広告が大きく上回ったことがわかりました。
現在はAIや自動化の発展により、一部のデータ分析や入稿などは人が行わなくてもよくなっています。
ただ、Web広告運用の仕事は人と人とのコミュニケーションが求められる機会も多くあるため、仕事自体がなくなる可能性は低いといえるでしょう。将来性のある仕事について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
【関連記事:今の仕事のままだと将来が不安…不安を取り除く方法とは?将来性のある職種も解説】
参考;総務省|令和5年版 情報通信白書|広告
Web広告運用で働くデメリット2つ
Web広告運用の仕事はメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
- 最新トレンドを追い続ける必要がある
- たくさんの指標を覚えなければならない
これらのデメリットについて、詳しく紹介します。
1.最新トレンドを追い続ける必要がある
Web・IT業界はトレンドの流行り廃りが激しいため、知識をアップデートし続ける必要があります。たとえば、日本国内ではPodcast(ポッドキャスト)やSpotify(スポティファイ)などの音声コンテンツが人気を集めています。そのため、「音声で配信する『デジタルオーディオ広告』が注目されそう」など、トレンドを逃さずキャッチすることが求められるでしょう。
トレンドに興味がない人、知識や技術を追いかけることが苦に感じる人にとっては、働きづらいかもしれません。
2.たくさんの指標を覚えなければならない
Web広告運用では、広告を最適化するためにも多くの指標が使われます。ここでいう指標とは、その広告の効果を分析・判断するために用いるデータのことです。Web広告運用をする際には、以下のような指標を用いて、最適化を図ります。
【管理指標の一例】
- CPC:クリック単価
- CTR:クリック率
- CT:クリック数
- CPM:インプレッション単価
- CV:コンバージョン(最終的な成果)
- CVR:応募率
- Imp:インプレッション
これらすべての管理指標の意味を勉強して、広告を分析しなければならないため、覚えることが苦手な人にはつらいかもしれません。
Web広告運用に向いている人・向いていない人
Web広告運用の業務について、大体はイメージできても実際にやってみると「自分には向いていなかった…」と思う可能性もあります。
Web広告運用の仕事が向いている人・向いていない人の特徴をまとめたので、当てはまっているかぜひ確認してみてください。
Web広告運用に向いている人
Web広告運用の仕事が向いている人の特徴は、以下のとおりです。- 数字に苦手意識がない人
- データを分析することが好きな人
- 物事をロジカルに考えられる人
- クライアントの成果を上げる努力ができる人
- 消費者の立場で物事を考えられる人
- コミュニケーションが得意な人
- マーケティングに興味がある人
広告運用では、数値を見て分析・改善を行います。そのため、数字を見ることに抵抗がない人に向いているでしょう。
また、ときにはクライアントだけでなく営業やデザイナーと関わることがあるため、仕事を円滑に進められるコミュニケーション力も必要です。
Web広告運用に向いていない人
以下の特徴に当てはまる人は、Web広告運用に向いていない可能性があります。- 単純作業・ルーチンワークが好きな人
- 数字や専門用語に苦手意識がある人
- マルチタスクが苦手な人
- オンオフをはっきり分けたい人
- PDCAを回すのが苦手な人
数字が苦手、CTRやCVなど専門用語を覚えられない人は、Web広告運用の仕事が難しいかもしれません。
また、休日に広告を配信する場合は、土日祝関係なく、うまく運用できているか管理画面をチェックすることもあります。そのため仕事のオンオフをしっかり作りたい人は、ストレスに感じる可能性が高いです。
ほかにも、数値を改善するために自分で方法を考えてPDCAを回すため、人から与えられた仕事だけをしたい人にも不向きといえるでしょう。
Web広告運用に求められる3つのスキル
Web広告運用をするうえで、必要な3つのスキルについて紹介します。
- 数字を見て分析する力
- ツールの操作スキル
- 想像力・発想力
これらのスキルを持ち合わせていないと、広告運用の仕事ができないというわけではありません。しかし、持っていれば転職時の強みになるので、ぜひ参考にしてください。
1.数字を見て分析する力
Web広告運用者に特に必要なスキルが、数字を見て分析する力です。広告効果を上げるためには、データから改善点を読み取る工程が不可欠といえます。「impを増やすにはどうすればいいのか」「CVにつながらない原因は何があるのか」など、日々分析する必要があります。そのため分析力に加えて、論理的に物事を考えられる思考力も求められるでしょう。
2.ツールの操作スキル
Web広告運用はPCを使って行うため、Word・Excelなど基本的なソフト以外にもGoogle Analytics、Googleタグマネージャーといったツールの操作スキルが必要です。データをまとめたりレポートを作ったりするため、Excelの関数計算ができるとアピールになるでしょう。また、個人で広告を出した経験があると管理画面やツールの操作スキルを証明しやすいです。
3.想像力・発想力
Web広告運用では主に数字を見て分析・判断しますが、想像力や発想力も求められます。「どんな広告ならユーザーがクリックしたくなるのか」といった客観的な想像力、そして競合に負けないキャッチコピーやバナーを作成するための発想力も不可欠です。
結果を見てそれで終わりではなく「なぜこうなったのか?」と考えて、アイデアを積極的に生み出す姿勢が広告運用には求められるでしょう。
【スキル別】Web広告運用に活かせる資格
Web広告運用の仕事に就くために、必須の資格はありません。
しかし、資格を持っていることでスキルを証明しやすくなります。 Web広告運用に興味がある方は、ぜひ取得を検討してみてください。
広告に関する資格
広告の知識を身につけるのにおすすめの資格は、「Google広告 認定資格」です。「ディスプレイ広告」と「検索広告」の2つに分かれており、無料で受験できるのも魅力。Googleが作成した学習コンテンツも豊富のため、「まずは広告について知りたい」という方はこちらの資格を取得するところから始めてみてもいいでしょう。
ただ、有効期限は取得後1年間のため、定期的に受験し直す必要があります。
解析・統計に関する資格
ある程度、広告運用についての知識が身についたら、解析や統計に関する資格を取得するのもおすすめ。「GAIQ(Google Analytics Individual Qualification)」は、Google Analyticsの知識を証明できる資格です。実務でも使用頻度の高いGoogle Analyticsについて詳しく学べるため、資格を取得すれば即戦力になれることをアピールできます。
ほかにも、データ分析だけでなくWebマーケティングスキルも身につけられる「ウェブ解析士」も、広告運用に役立つ資格です。
マーケティングに関する資格
広告はマーケティングの一種でもあるため、マーケティングに関する知識があると、業務の視野が一気に広がるでしょう。初心者の方は、基本的なマーケティングの知識を学べる「ネットマーケティング検定」や「マーケティング・ビジネス実務検定」がおすすめ。
より専門性を高めたい場合は、SEOやSEM、広告やデータ解析などの知識をを証明できる「IMA(Internet Marketing Analyst)検定」の受験も視野に入れてみてください。
未経験からWeb広告運用に転職する3つの方法
「未経験でもWeb広告運用に転職できる?」と不安な方もいるでしょう。結論、経験がなくても転職することは可能です。
ここでは、Web広告運用への転職成功率を上げるためにできる3つのことを紹介します。
- 独学でスキルを習得する
- スクールに通って学ぶ
- 転職サービスを活用する
1.独学でスキルを習得する
未経験からWeb広告運用の仕事に転職するなら、事前に広告の知識を身につけておくことが大切です。求人では「未経験OK」と書かれていても、企業から見ると知識がある人のほうが魅力的に映ります。独学で勉強する方法には、以下のようなものがあります。
- GoogleやYahoo!広告に関する書籍を読む
- YouTubeで広告運用に関する動画を見る
- 無料で受験できる「Google広告 認定資格」を取得する など
また、自身のSNSアカウントやサイトがある方は、それを活用して広告を運用してみるのもおすすめ。実際に広告を出したり、管理画面を触ったりした経験があると大きなアピールになります。
2.スクールに通って学ぶ
「独学で勉強できる自信がない」という方は、Web広告運用について学べるスクールに通うのもひとつの手です。スクールなら基礎から実務レベルの内容まで、必要な知識を体系的に学べます。また、スクールによっては現役のマーケターが講師を務めていることもあり、最新の知識やスキルについてもキャッチアップしやすいのが魅力です。
3.転職サービスを活用する
未経験からWeb広告運用に転職するなら、転職サービスの活用もおすすめです。転職サービスなら、専属のコンサルタントが面接対策や書類の添削、転職に関する相談などサポートしてくれます。自身が希望する条件にマッチする求人を紹介してくれることもあるため、転職活動を効率よく進められるでしょう。
ミイダスならWeb広告運用の求人が多数!
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