目次
「一般企業から公務員に転職するのは現実的?」 「どんなメリットやデメリットがあるの?」 このように悩んでいませんか?
結論、一般企業から公務員への転職は可能です。ただしリスクも潜んでいます。
本記事では公務員へ転職するメリット・デメリット、向いている人・向いていない人の特徴、公務員に転職する方法などを解説します。公務員の転職に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
会社員から公務員にキャリアチェンジを検討する人は少なくありません。また、実際に他業種から転職して、公務員として活躍する人も多くいます。
結論として、会社員から公務員への転職は可能です。
公務員には多くの雇用元(国や地方自治体)や職種の選択肢があります。受験に年齢制限が設けられている場合があるため、一般的に30歳以下の方だと目指しやすいといえます。
一方で年齢制限を撤廃したり、社会人経験枠や就職氷河期世代枠を設けたりする自治体もあるため、30~50代でも公務員への転職は実現可能です。公務員へのキャリアチェンジを検討している方は、この記事を通じて公務員転職のいろはを学んでみてください。
国家総合職は、省庁の中枢となって働く職で「キャリア官僚」などとも呼ばれます。卒業大学の制限はありませんが、試験の難易度が非常に高く、合格者の多くは難関大学の出身者で占めているため、狭き門として知られています。
特に霞が関(かすみがせき)での勤務の場合、国会対応で早朝までの残業があることも珍しくなく、激務になることも多いです。
国家一般職は総合職に比べれば採用数が多く難易度も下がりますが、そのぶん多くの人が採用試験を受けます。何度もチャレンジしてようやく合格を手に入れる人もいるようです。
国家一般職には、幅広い業務業務を担う「行政系」と、科学や農学、建築といった専門的な業務を担う「技術系」の2種類があります。国家専門職は、国税専門官や労働基準監督官、航空管制官、海上保安官など非常に多岐にわたります。
行政職(事務職)は、都道府県庁や市区役所、町村役場、出先機関で勤務する一般の行政職のほか、警察や公立学校で勤務する「警察事務」や「学校事務」もあります。警察事務や学校事務は、一般の行政職とは別の募集枠になっていることが多いです。
公立の学校・施設で働く教員や保育士、栄養士、薬剤師、獣医師などの資格職も地方公務員としてくくられます。
国公立大学や農協、医療法人、社会福祉法人などの職員がこれにあたります。
公務員に転職する7つのメリットは、以下のとおりです。
それぞれのメリットを解説します。
また企業と違って業績に左右されないほか、経済状況が悪いときでも、あらかじめ定められた額の給与が支給されるのも特徴。ボーナス(期末勤勉手当)は民間の動向に合わせて支給割合が決定されます。
さらに、公務員は解雇される可能性が低いのも大きなメリットです。
企業は倒産リスクがありますが、国や自治体にはそのリスクは少ないです。 地方自治体は財政破綻する可能性があるものの、非常に稀であるうえに、財政破綻したとしても公務員の雇用がなくなるわけではありません。
また給与に加えて、さまざまな手当を受給できます。
また、企業の会社員が健康保険組合や協会けんぽに加入するのに対し、公務員は共済組合に加入します。共済組合の保険料は健保組合や協会けんぽに比べ、若干安い傾向です。
さらに年金はいわゆる「3階建て構造」で、一部の企業は導入していない企業年金にあたる「年金払い退職給付」がある点もメリットです。
さらに共済組合や任意団体の職員互助会などが独自のローンを設けており、保証料の支払いや連帯保証人を用意しなくてもローンを組めます。
公務員の仕事の根底には、よりよい社会をつくるという目的があります。公務員の中にもさまざまな業務がありますが、いずれも社会貢献につながるものです。
私たちが暮らしている社会の仕組みを自分の目で確かめたいという人には、大きなメリットといえるでしょう。
一方で公務員は、予算の執行状況や費用対効果などは気にかける必要はありますが、営業ノルマのような数字のストレスは少ない傾向にあります。
公務員に転職するデメリットは以下のとおりです。
それぞれのデメリットを解説します。
昇給をモチベーションに仕事を頑張りたい人にとって、この点はデメリットといえます。
もちろん公務員としてのキャリアを活かして、異なる職業に転職するケースは珍しくありません。自身のキャリアプランを長い目で見通し、じっくり検討するようにしましょう。
申請することで認められる可能性がある副業には、以下のようなものがあります。
副業を通じてスキルアップしたい人や副収入を得たい人には、副業禁止は大きなデメリットになり得ます。
さらに部署異動が定期的にあるため、せっかく能力を発揮できる環境に配属されたとしても、数年後にはまったく違う環境になってしまう可能性もあります。
自治体や職種により給与額は異なりますが、公務員に転職することで収入が減ってしまうケースもみられます。
公務員に向いている人の特徴は以下のとおりです。
それぞれの特徴を説明します。
さらに全体で見ると、男性の育休取得率が高いのも特徴です。そのため、安定した収入を得ながら結婚や子育て、親の介護といったライフプランを着実に歩みたい方に、公務員は向いています。
もちろん結婚や子育ての予定がない場合でも、自身の人生設計がある程度明確な方にとっては、先を見通しやすい職業のため向いているといえるでしょう。
また、毎日のように同じ業務を繰り返す必要があることも多く、集中力も必要です。細かな作業が得意な人や、集中力に自信がある人には、公務員の仕事は向いています。
なお、マクロな視点で国民の生活を向上させたい人には「国家公務員」が、1人ひとりと近い距離で接して、役に立ちたい人には「地方公務員」が向いているでしょう。
ただし地方公務員でも直接市民と接する機会がない部門は多くあるため、市民と顔を合わせて仕事をしたいという強い思いがある方は、注意が必要です。
人の話を聞き、意見をまとめるという業務も多いため、コミュニケーション能力や調整能力に長けている方が現場で重宝されるでしょう。
地方公務員の場合は、地域への思い入れがあればあるほど仕事へのやりがいを大きく感じられます。また、地域のさまざまな立場の人と知り合う機会も多いので、多方面から地域活動に関わりたいと思っている人にも公務員はおすすめです。
国家公務員でも地方公務員でも、高い倫理観や責任感を持って業務に専念することが求められます。国や地域への愛着心がある人なら、自然と求められる姿勢で仕事に関われるでしょう。
一方で、公務員に向いていない人の特徴は以下のとおりです。
組織が年功序列構造になっているため、自身より経歴や能力が低いと感じる人が上司である場合が往々にしてあります。年下からの意見に耳を傾けたがらない上司にあたることもあるでしょう。
そのような場合に、冷静に仕事に向き合えない可能性がある人は、公務員以外の仕事を探したほうがいいかもしれません。
ただし、公務員とひと口にいっても事務や行政に携わる仕事がすべてではありません。大雑把な傾向にある方にも向いている職種はありますので、細かいことが苦手だからといって公務員の仕事すべてに向いていないことはないでしょう。
そのため、1人で黙々と仕事を進めるのが好きな人にとって、公務員はあまり向いていません。
公務員に転職して関わりたい分野が明確に定まっていたとしても、その分野に必ずしも関われるわけではありません。特定の分野への思い入れが非常に強い人にとって、公務員はあまり向いていない可能性があります。
一方、技術職や専門職など関与する分野があらかじめ限定されている場合や、特定の分野限定の職員を募集する自治体もあります。
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公務員に転職する方法は以下のとおりです。
チェックするべきポイントは以下のとおりです。
年齢制限は、雇用元や職種、採用形態によって異なります。一例として、東京都(都庁)は採用数が最も多い「Ⅰ類B」の区分で29歳(採用日時点)、千葉県は「一般行政B」で35歳(同)となっています。
また大阪市は「事務行政」について、3つの年齢層(18~21歳、22~25歳、26~34歳)に分けて採用。これに加え、年齢条件が緩和された「社会人経験者枠」や「就職氷河期世代枠」を設けている自治体も多くあります。
このうち、転職希望者が特に気になるのは筆記試験ではないでしょうか。公務員の筆記試験では通常「教養試験」と「専門試験」の2種類があり、自治体や職種によって必要な試験が異なります。
教養試験は「広く浅く」、専門試験は「深く狭く」というイメージです。なかには、教養試験だけで受験できる自治体もあります。
なお社会人採用枠などでは、これらの筆記試験を不要としている自治体があるほか、多様な人材の確保を狙い民間企業の採用試験で使われる「SPI」を導入している自治体もみられます。現実的に試験勉強にかけられる時間も考慮して調べましょう。
まずは試験の全体像をつかみ、苦手分野から学習するといいでしょう。独学で勉強を進める方法と、試験対策スクールに通う方法があります。
仕事をしながら試験勉強をする人には、時間や場所を選ばない通信講座もおすすめです。
試験では、論文試験が課されることも多いです。文章力に自信がない方は、早めに準備を始めましょう。 また面接対策は、筆記試験終了後に始める人が多いようです。
試験対策スクールの模擬面接などを活用して、プロの目からのアドバイスを受けると合格が近づきます。
現時点で関連の資格がない人も、新たに資格を取得して資格職を受験することができます。特に保育や教育は採用の門戸が比較的広いため、この分野に興味がある人は検討してみてください。
保育士の資格は国家資格ですが、年に2回試験が行われています。半年程度の学習期間を経て、1回で合格する方もいます。
また小学校教諭は、4年制大学を卒業した人ならば、通信制大学で最短2年で取得できるのが魅力です。特に小学校教諭は近年、試験倍率が低下しているため、合格しやすい状況といえます。
公務員に転職する際の注意点を説明します。
特に国籍に関しては、帰化していれば通常通り受験できますが、外国にルーツがある方などは注意が必要です。最近では、国籍条件を撤廃する自治体も出てきています。
ほかにも個人で公務員としての日常を綴ったブログやSNSを解説している人もいますので、チェックしてみるといいでしょう。
そこで、個人を客観的に評価・分析できるアセスメントツールを活用することをおすすめします。転職サービス「ミイダス」の可能性診断(コンピテンシー診断)なら、事前に自分の適性を把握できます。
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最後に、公務員転職に関連してよく見られる質問をいくつかピックアップして解説します。
国家公務員の総合職は深夜や翌朝までの残業が連続する「激務」だと知られており、ホワイトという言葉からは程遠い現状もあります。 地方公務員は、自治体や部署によって働き方はさまざまです。
もちろんほぼ毎日のように定時で退庁し、有給休暇も100%取得できる場合もあります。
一方で、役所の消灯時刻を過ぎてもデスクに残り残務に追われる自治体職員の話も耳にします。異動は「運ゲー」といわれることもあるくらいです。 残業の少なさや休暇取得のしやすさにだけ惹かれて公務員転職を希望するのは、リスクがあるといえます。
ただし、給与の額は職種によって異なります。また年齢をベースにした昇給システムのため、若手のうちは平均年収を下回ることもあるでしょう。
地方公務員の場合は、自治体によって給与の額に差があります。各自治体は初任給額や平均年収額を公開しているため、気になる方は事前に確認しましょう。
参考:令和5年国家公務員給与等実態調査報告書 第5表 職種別職員の平均給与額
そのため、いわゆる「学歴コンプレックス」がある方や、職歴に不安がある方にも公平に機会が与えられています。
地方公務員の行政職の場合、一般枠は30歳前後のことが多いです。最近では35歳に引き上げたり、年齢制限を実質撤廃する自治体も出てきたりしています。
また一般枠とは別に、年齢制限がない社会人経験者枠や、就職氷河期にあたる世代に限定した採用枠を設けている自治体も多くあります。なお、国家公務員の採用で就職氷河期にあたる世代とされているのは「1966年度~1986年度生まれ」の方々です。
各自治体や国の期間がWebサイト上で採用要項を公開していますので、確認してみてください。
一方で、面接時には「なぜこの自治体の採用試験を受験したか」という点が問われる可能性が非常に高いです。縁がない土地の公務員を目指す場合は、このような質問に対し、面接官が納得する回答ができるように準備しておく必要があります。
かなり多いと感じる方も多いかもしれません。大学で経済や法律などを学んだ人は、重複している部分もあるため、これより短縮できる可能性があります。
また社会人としての経験が試験内容に有利に働くこともあるため、一度模擬試験などを受けて、試験合格への道のりが現実的かどうか確かめてみるのもおすすめです。
地方公務員の試験科目は、都道府県や東京特別区、政令指定都市(横浜市、大阪市、さいたま市など)は教養試験と専門試験の両方が必要で、そのほかの市町村は教養試験のみというケースが多いです。 教養試験のみの自治体は「狙い目」である一方、人気が高かったり、給与が低かったりする可能性があります。
また経験者枠の場合は試験形式が異なり、一般枠ほどの長時間の対策をする必要がないケースがほとんどです。また一部の自治体は、通常の筆記試験とは異なる方式をとっており、典型的な筆記試験対策は不要の場合もあります。
子育て中は勉強時間の捻出が難しいかもしれませんが、実際にスキマ時間などを活用して公務員への転職を実現した方も多くいます。
市役所などの職場は子育てに理解がある職場だといえますので、子育て中の方も諦めずに検討してみてください。
原則として地域内での異動のみのため、ほかのエリアに異動することは少ないです。ただし地域内では、都道府県境をまたいで異動する可能性があります。
国家総合職は東京の中央省庁での勤務のほかにも、出先機関や地方自治体への出向などにより、全国に異動の可能性もあるでしょう。
地方公務員もその自治体の庁舎(県庁、市役所など)以外にさまざまな出先機関があり、面積の広い県などでは引っ越しが必要な異動の可能性もあります。市町村の場合は人事交流などのレアケースを除き、原則として自治体内のみでの異動ですので、転勤によって引っ越しが必要になることはほとんどありません。
本記事では公務員に転職を検討している方向けに、職種の紹介やメリット、デメリット、よくある質問などをご紹介しました。ほかの仕事と同じように、公務員にも向き不向きがあります。
転職を考えている場合はまずご自分の適性を把握して、向いている業種を探してみましょう。
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結論、一般企業から公務員への転職は可能です。ただしリスクも潜んでいます。
本記事では公務員へ転職するメリット・デメリット、向いている人・向いていない人の特徴、公務員に転職する方法などを解説します。公務員の転職に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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関連記事:転職できる?適職診断ならミイダスの「コンピテンシー診断」
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会社員から公務員に転職することは可能?
会社員から公務員にキャリアチェンジを検討する人は少なくありません。また、実際に他業種から転職して、公務員として活躍する人も多くいます。
結論として、会社員から公務員への転職は可能です。
公務員には多くの雇用元(国や地方自治体)や職種の選択肢があります。受験に年齢制限が設けられている場合があるため、一般的に30歳以下の方だと目指しやすいといえます。
一方で年齢制限を撤廃したり、社会人経験枠や就職氷河期世代枠を設けたりする自治体もあるため、30~50代でも公務員への転職は実現可能です。公務員へのキャリアチェンジを検討している方は、この記事を通じて公務員転職のいろはを学んでみてください。
公務員の種類
ひと口に公務員といっても、雇用元や働き方はさまざまです。大きく分類すると、国家公務員と地方公務員の2つに分けられますが、ほかにも行政職や専門職、資格職といった分類もできます。国家公務員
「国家公務員」は省庁(行政)や裁判所(司法)、国会(立法)などで従事する公務員です。国家総合職、国家一般職、国家専門職の3つに分類できます。国家総合職は、省庁の中枢となって働く職で「キャリア官僚」などとも呼ばれます。卒業大学の制限はありませんが、試験の難易度が非常に高く、合格者の多くは難関大学の出身者で占めているため、狭き門として知られています。
特に霞が関(かすみがせき)での勤務の場合、国会対応で早朝までの残業があることも珍しくなく、激務になることも多いです。
国家一般職は総合職に比べれば採用数が多く難易度も下がりますが、そのぶん多くの人が採用試験を受けます。何度もチャレンジしてようやく合格を手に入れる人もいるようです。
国家一般職には、幅広い業務業務を担う「行政系」と、科学や農学、建築といった専門的な業務を担う「技術系」の2種類があります。国家専門職は、国税専門官や労働基準監督官、航空管制官、海上保安官など非常に多岐にわたります。
地方公務員
地方公務員は、都道府県や市区町村の職員です。行政に関わる業務全般を担当する「行政職」や「事務職」のほかに、専門的な知識や経験を活かせる「技術職」や「専門職」などがこれにあたります。行政職(事務職)は、都道府県庁や市区役所、町村役場、出先機関で勤務する一般の行政職のほか、警察や公立学校で勤務する「警察事務」や「学校事務」もあります。警察事務や学校事務は、一般の行政職とは別の募集枠になっていることが多いです。
公立の学校・施設で働く教員や保育士、栄養士、薬剤師、獣医師などの資格職も地方公務員としてくくられます。
(番外編)団体職員
公務員ではありませんが、財団法人や行政法人などで働くいわゆる「団体職員」は、公共性の高い仕事であり、準公務員として扱われることもあるため、公務員転職に興味がある場合は合わせてチェックしておきたい業界です。国公立大学や農協、医療法人、社会福祉法人などの職員がこれにあたります。
公務員に転職するメリット
公務員に転職する7つのメリットは、以下のとおりです。
- 収入や雇用が安定している
- 休暇や手当が充実している
- 福利厚生が充実している
- ローンが組みやすい
- 社会貢献ができる
- 社会の仕組みを肌で感じられる
- 売上などの数字に追われない
それぞれのメリットを解説します。
収入や雇用が安定している
公務員は多くの方が想像するように、収入が安定しています。給与は原則として年功序列で、年を追うごとに少しずつ増えていきます。また企業と違って業績に左右されないほか、経済状況が悪いときでも、あらかじめ定められた額の給与が支給されるのも特徴。ボーナス(期末勤勉手当)は民間の動向に合わせて支給割合が決定されます。
さらに、公務員は解雇される可能性が低いのも大きなメリットです。
企業は倒産リスクがありますが、国や自治体にはそのリスクは少ないです。 地方自治体は財政破綻する可能性があるものの、非常に稀であるうえに、財政破綻したとしても公務員の雇用がなくなるわけではありません。
休暇や手当が充実している
休暇制度が充実しているのも、公務員の特徴です。一般的に以下のような休暇を取得できます。- 年次休暇(常勤職員の場合、年間20日)
- 病気休暇
- 夏季休暇
- 看護休暇
- 介護休暇
- 結婚休暇
- 忌引休暇
- 産前産後休暇
- 出産サポート休暇
- 育児休業
- 病気休業
また給与に加えて、さまざまな手当を受給できます。
- 通勤手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 特殊勤務手当
- 単身赴任手当
- へき地手当
- 退職手当
福利厚生が充実している
公務員は一般的に、福利厚生が充実しているといわれます。 たとえば、以下のようなものが挙げられます。- 宿泊施設の割引
- ゴールドカードの年会費無料
- 各種保険の優待
- 人間ドック補助
- 結婚や出産などの祝い金
- 福利厚生代行サービス
また、企業の会社員が健康保険組合や協会けんぽに加入するのに対し、公務員は共済組合に加入します。共済組合の保険料は健保組合や協会けんぽに比べ、若干安い傾向です。
さらに年金はいわゆる「3階建て構造」で、一部の企業は導入していない企業年金にあたる「年金払い退職給付」がある点もメリットです。
ローンが組みやすい
住宅や自動車を購入する場合、公務員はローン審査の際に優遇されます。会社員と比較して、倒産リスクや失業リスクが低いことが理由です。さらに共済組合や任意団体の職員互助会などが独自のローンを設けており、保証料の支払いや連帯保証人を用意しなくてもローンを組めます。
社会貢献できる
仕事をするうえで「やりがい」を重視する人は少なくありません。公務員は社会貢献できるという点から、やりがいのある仕事だといえます。公務員の仕事の根底には、よりよい社会をつくるという目的があります。公務員の中にもさまざまな業務がありますが、いずれも社会貢献につながるものです。
社会の仕組みを肌で感じられる
公務員として働くと、外の世界からは見えなかった社会の動きを近くで見られる楽しさがあります。また、部署間の移動が数年おきにあるため、公務員をしながらさまざまな世界を知ることができます。私たちが暮らしている社会の仕組みを自分の目で確かめたいという人には、大きなメリットといえるでしょう。
売上などの数字に追われない
民間企業は会社の存続のために営利を求める必要があるため、常に「数字」を気にかけながら働くこととなります。一部の人にとっては、大きなプレッシャーやストレスとなるでしょう。一方で公務員は、予算の執行状況や費用対効果などは気にかける必要はありますが、営業ノルマのような数字のストレスは少ない傾向にあります。
公務員に転職するデメリット
公務員に転職するデメリットは以下のとおりです。
- 頑張りが評価されづらい
- キャリアアップの幅が狭まる
- 副業の制限が多い
- 能力を活かしきれない可能性がある
- 思っていたほど給与が多くない可能性もある
それぞれのデメリットを解説します。
頑張りが評価されづらい
公務員の給与は、条例などで定められた給与表に基づき、年功序列や昇格などで昇給する仕組みです。役職による基本給の違いはあるうえに、多くの自治体では人事評価に基づく昇給制度も導入していますが、自身の努力がそのまま給与に反映されるとはいいづらい環境です。昇給をモチベーションに仕事を頑張りたい人にとって、この点はデメリットといえます。
キャリアアップの幅が狭まる
公務員が転職を希望する場合、会社員が転職する場合よりも選択肢が限られる傾向にあります。そのため公務員に転職したあと、さらなる転職の可能性を視野に入れている人は注意が必要です。もちろん公務員としてのキャリアを活かして、異なる職業に転職するケースは珍しくありません。自身のキャリアプランを長い目で見通し、じっくり検討するようにしましょう。
副業の制限が多い
公務員は、副業が「原則禁止」となっています。例外として認められる副業もありますが、その内容は限定的です。申請することで認められる可能性がある副業には、以下のようなものがあります。
- 株式投資
- 不動産投資
- 家業の手伝い
- 執筆・講演活動
- 小規模農業
副業を通じてスキルアップしたい人や副収入を得たい人には、副業禁止は大きなデメリットになり得ます。
能力を活かしきれない可能性がある
公務員は、民間企業よりも多くのルールに縛られた状態で業務を遂行します。また意思決定スピードも比較的遅いため「自身の能力を最大限活かしたい」と考えている人にとっては、もどかしく感じるかもしれません。さらに部署異動が定期的にあるため、せっかく能力を発揮できる環境に配属されたとしても、数年後にはまったく違う環境になってしまう可能性もあります。
思っていたほど給与が多くない可能性もある
公務員の給与が安定しているのは確かですが、金額は人によっては少ないと感じるかもしれません。 公務員の給与は民間の水準を基に算定されるため、一般的な民間企業と比べて大幅に高いことも低いこともありません。自治体や職種により給与額は異なりますが、公務員に転職することで収入が減ってしまうケースもみられます。
公務員に向いている人の特徴
公務員に向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 結婚、子育てなどのライフプランが明確な人
- 細かな作業が得意な人
- 多くの人の役に立ちたい人
- コミュニケーション能力や調整能力に長けている人
- 国や地域への愛着がある人
それぞれの特徴を説明します。
結婚、子育てなどのライフプランが明確な人
公務員は出産休暇や育児休業のほかにも、結婚や子育て、介護などさまざまなライフイベントに合わせた特別休暇や給付金が用意されています。数年単位といった長い期間や複数回の育児休業を取得した経歴を持つ女性の職員も珍しくありません。さらに全体で見ると、男性の育休取得率が高いのも特徴です。そのため、安定した収入を得ながら結婚や子育て、親の介護といったライフプランを着実に歩みたい方に、公務員は向いています。
もちろん結婚や子育ての予定がない場合でも、自身の人生設計がある程度明確な方にとっては、先を見通しやすい職業のため向いているといえるでしょう。
細かな作業が得意な人
公務員の業務は多くの場合、正確性の高いきめ細やかな仕事が求められます。ひとつの帳簿を複数人で読み上げながら確認することがあるほか、地味な作業を延々とこなすこともあります。また、毎日のように同じ業務を繰り返す必要があることも多く、集中力も必要です。細かな作業が得意な人や、集中力に自信がある人には、公務員の仕事は向いています。
多くの人の役に立ちたい人
公務員の仕事は、どのポジションでも最終的には「人々の生活のため」という点にたどり着きます。人の役に立ちたいという使命感を持つ人にとって、公務員は向いています。なお、マクロな視点で国民の生活を向上させたい人には「国家公務員」が、1人ひとりと近い距離で接して、役に立ちたい人には「地方公務員」が向いているでしょう。
ただし地方公務員でも直接市民と接する機会がない部門は多くあるため、市民と顔を合わせて仕事をしたいという強い思いがある方は、注意が必要です。
コミュニケーション能力や調整能力に長けている人
国や地方自治体で働いていると、さまざまな利害関係を持った職員や市民、企業などと接する機会があります。人の話を聞き、意見をまとめるという業務も多いため、コミュニケーション能力や調整能力に長けている方が現場で重宝されるでしょう。
国や地域への愛着がある人
ときには「理不尽だ」と思う仕事をするのも公務員の役割です。そんなとき、国や地域への愛着があればそれを受け入れて仕事に取り組めるでしょう。地方公務員の場合は、地域への思い入れがあればあるほど仕事へのやりがいを大きく感じられます。また、地域のさまざまな立場の人と知り合う機会も多いので、多方面から地域活動に関わりたいと思っている人にも公務員はおすすめです。
国家公務員でも地方公務員でも、高い倫理観や責任感を持って業務に専念することが求められます。国や地域への愛着心がある人なら、自然と求められる姿勢で仕事に関われるでしょう。
公務員に向いていない人の特徴
一方で、公務員に向いていない人の特徴は以下のとおりです。
- プライドが高すぎる人
- 大雑把な人
- 1人で仕事を進めるのが好きな人
- 関わりたい分野が限定的な人
プライドが高すぎる人
公務員として仕事をするうえで、ほどよいプライドは自己肯定感をもって働くあと押しとなります。一方で、プライドが高すぎる人は公務員はつらいと感じてしまう可能性も高いです。組織が年功序列構造になっているため、自身より経歴や能力が低いと感じる人が上司である場合が往々にしてあります。年下からの意見に耳を傾けたがらない上司にあたることもあるでしょう。
そのような場合に、冷静に仕事に向き合えない可能性がある人は、公務員以外の仕事を探したほうがいいかもしれません。
大雑把な人
公務員の仕事には繊細さが求められるため、細かな作業が得意な人に向いていると前述しました。 その反面、大雑把な人にとっては作業が細かすぎて苦痛に感じるかもしれません。ミスを多発してしまう可能性もあります。ただし、公務員とひと口にいっても事務や行政に携わる仕事がすべてではありません。大雑把な傾向にある方にも向いている職種はありますので、細かいことが苦手だからといって公務員の仕事すべてに向いていないことはないでしょう。
1人で仕事を進めるのが好きな人
国や地方自治体は、チームとして業務を進める機会が非常に多いです。また異動が多い環境のため属人的な業務は多くなく、ほとんどの業務は個人ではなく部署内でフォローしながら進める傾向にあります。そのため、1人で黙々と仕事を進めるのが好きな人にとって、公務員はあまり向いていません。
関わりたい分野が限定的な人
ここまでで何度かご紹介したとおり、公務員には定期的な部署異動があります。異動先がこれまでとは異なる分野ということも珍しくありません。公務員に転職して関わりたい分野が明確に定まっていたとしても、その分野に必ずしも関われるわけではありません。特定の分野への思い入れが非常に強い人にとって、公務員はあまり向いていない可能性があります。
一方、技術職や専門職など関与する分野があらかじめ限定されている場合や、特定の分野限定の職員を募集する自治体もあります。
「自分は公務員の適性はある?」 「転職活動を行う前に向いているか確認しておきたい」 このようにお考えの方は、ミイダスの可能性診断(コンピテンシー診断)がおすすめです。可能性診断は決められた質問に答えるだけで、あなたのパーソナリティや向いている仕事、ストレス耐性などを分析できます。無料で登録可能なのでぜひ一度お試しください。
※登録後に無料で診断できます。
公務員に転職する方法
公務員に転職する方法は以下のとおりです。
- 条件に合った自治体・職種を探す
- 採用試験の情報を調べる
- 試験対策の勉強をする
- 資格職も一考の価値がある
条件に合った自治体・職種を探す
ここまででご紹介したとおり、公務員にはさまざまな種類があります。まずはご自身の条件に合った雇用元(国や地方自治体)や職種を探しましょう。チェックするべきポイントは以下のとおりです。
- 年齢制限
- 業務内容
- 通いやすさ
- 土地への思い入れ
- 自治体の財政状況
- 採用人数や例年の倍率
- 試験日程 採用日(4月1日がほとんど)
年齢制限は、雇用元や職種、採用形態によって異なります。一例として、東京都(都庁)は採用数が最も多い「Ⅰ類B」の区分で29歳(採用日時点)、千葉県は「一般行政B」で35歳(同)となっています。
また大阪市は「事務行政」について、3つの年齢層(18~21歳、22~25歳、26~34歳)に分けて採用。これに加え、年齢条件が緩和された「社会人経験者枠」や「就職氷河期世代枠」を設けている自治体も多くあります。
採用試験の情報を調べる
公務員になる場合は、採用試験を受験する必要があります。公務員の採用試験は自治体などにより異なりますが、一般的に以下のような構成です。- 1次試験:筆記試験
- 2次試験:人物試験(面接)
このうち、転職希望者が特に気になるのは筆記試験ではないでしょうか。公務員の筆記試験では通常「教養試験」と「専門試験」の2種類があり、自治体や職種によって必要な試験が異なります。
教養試験は「広く浅く」、専門試験は「深く狭く」というイメージです。なかには、教養試験だけで受験できる自治体もあります。
なお社会人採用枠などでは、これらの筆記試験を不要としている自治体があるほか、多様な人材の確保を狙い民間企業の採用試験で使われる「SPI」を導入している自治体もみられます。現実的に試験勉強にかけられる時間も考慮して調べましょう。
試験対策の勉強をする
自分が受験する試験の内容がわかったら、試験対策に取り掛かりましょう。教養試験や専門試験がある場合は、時間をかけて勉強する必要があります。まずは試験の全体像をつかみ、苦手分野から学習するといいでしょう。独学で勉強を進める方法と、試験対策スクールに通う方法があります。
仕事をしながら試験勉強をする人には、時間や場所を選ばない通信講座もおすすめです。
試験では、論文試験が課されることも多いです。文章力に自信がない方は、早めに準備を始めましょう。 また面接対策は、筆記試験終了後に始める人が多いようです。
試験対策スクールの模擬面接などを活用して、プロの目からのアドバイスを受けると合格が近づきます。
資格職も一考の価値がある
ここまでご紹介したのは、主に行政に携わる職員への転職方法です。公務員はこのほかにも、資格職があります。現時点で関連の資格がない人も、新たに資格を取得して資格職を受験することができます。特に保育や教育は採用の門戸が比較的広いため、この分野に興味がある人は検討してみてください。
保育士の資格は国家資格ですが、年に2回試験が行われています。半年程度の学習期間を経て、1回で合格する方もいます。
また小学校教諭は、4年制大学を卒業した人ならば、通信制大学で最短2年で取得できるのが魅力です。特に小学校教諭は近年、試験倍率が低下しているため、合格しやすい状況といえます。
公務員に転職する際の注意点
公務員に転職する際の注意点を説明します。
受験資格を満たしているか確認しておく
自治体などにより異なりますが、公務員試験には以下のような受験資格があります。- 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者又はその刑の執行猶予の期間中の者その他その執行を受けることがなくなるまでの者
- 日本国籍であること(国家公務員と一部の地方公務員)
- 二重国籍でないこと(国家公務員と一部の地方公務員)
特に国籍に関しては、帰化していれば通常通り受験できますが、外国にルーツがある方などは注意が必要です。最近では、国籍条件を撤廃する自治体も出てきています。
イメージと現実のギャップを埋めておく
受験することを決める前に、自分の中の公務員に対するイメージと実際の働き方にギャップがないか、確認しておくことをおすすめします。 各自治体などはそれぞれ採用ページをWeb上に公開しており、職員の声などを掲載しています。ほかにも個人で公務員としての日常を綴ったブログやSNSを解説している人もいますので、チェックしてみるといいでしょう。
転職する前に自分の適性を把握しておく
公務員には、向いている人と向いていない人がいます。記事でもそれぞれご紹介しましたが、自分自身の個性を客観視できている人は多くはありません。そこで、個人を客観的に評価・分析できるアセスメントツールを活用することをおすすめします。転職サービス「ミイダス」の可能性診断(コンピテンシー診断)なら、事前に自分の適性を把握できます。
可能性診断でわかることは以下のとおりです。
- マネジメント資質
- パーソナリティの特徴
- 仕事をしていくうえでのあなたの特徴
- 職務適性
- 上下関係適性
- ストレス要因
- 共感スキル
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公務員転職に関するよくある質問
最後に、公務員転職に関連してよく見られる質問をいくつかピックアップして解説します。
残業がほとんどないって本当?ホワイトな職場?
公務員と聞くと残業がほとんどなく、休暇を取得しやすい「ホワイトな働き方ができる」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。 残念ながら、必ずしもこのイメージ通りではありません。国家公務員の総合職は深夜や翌朝までの残業が連続する「激務」だと知られており、ホワイトという言葉からは程遠い現状もあります。 地方公務員は、自治体や部署によって働き方はさまざまです。
もちろんほぼ毎日のように定時で退庁し、有給休暇も100%取得できる場合もあります。
一方で、役所の消灯時刻を過ぎてもデスクに残り残務に追われる自治体職員の話も耳にします。異動は「運ゲー」といわれることもあるくらいです。 残業の少なさや休暇取得のしやすさにだけ惹かれて公務員転職を希望するのは、リスクがあるといえます。
平均年収ってどのくらい?
総務省や人事院の資料によると、公務員の平均年収は、国家公務員が約677万円(令和5年度)、地方公務員が約655万円(令和4年度)です。ただし、給与の額は職種によって異なります。また年齢をベースにした昇給システムのため、若手のうちは平均年収を下回ることもあるでしょう。
地方公務員の場合は、自治体によって給与の額に差があります。各自治体は初任給額や平均年収額を公開しているため、気になる方は事前に確認しましょう。
参考:令和5年国家公務員給与等実態調査報告書 第5表 職種別職員の平均給与額
学歴や職歴は確認される?
公務員の採用試験において、学歴や職歴は基本的に考慮されません。「大学卒業以上」などの要件がある場合はありますが、採用プロセスで有名大学が優遇されることはないといえます。そのため、いわゆる「学歴コンプレックス」がある方や、職歴に不安がある方にも公平に機会が与えられています。
年齢制限はある?
公務員の採用試験には年齢制限がありますが、具体的な年齢は自治体や職種などによって異なります。地方公務員の行政職の場合、一般枠は30歳前後のことが多いです。最近では35歳に引き上げたり、年齢制限を実質撤廃する自治体も出てきたりしています。
また一般枠とは別に、年齢制限がない社会人経験者枠や、就職氷河期にあたる世代に限定した採用枠を設けている自治体も多くあります。なお、国家公務員の採用で就職氷河期にあたる世代とされているのは「1966年度~1986年度生まれ」の方々です。
各自治体や国の期間がWebサイト上で採用要項を公開していますので、確認してみてください。
縁のない土地の自治体でも受験できる?
地方公務員を志望する場合、どの市区町村を選ぶかは自由です。受験の要件に出身地や居住地の制限はないため、縁もゆかりもない自治体の採用試験を受験することも可能です。一方で、面接時には「なぜこの自治体の採用試験を受験したか」という点が問われる可能性が非常に高いです。縁がない土地の公務員を目指す場合は、このような質問に対し、面接官が納得する回答ができるように準備しておく必要があります。
試験対策にはどのくらいの時間がかかる?
公務員の採用試験を受ける場合、筆記試験の対策(勉強)は必須です。複数の大手試験対策スクールの情報をまとめると、必要な学習時間の目安は以下のとおり。- 国家一般職(教養+専門試験)…800~1,500時間
- 地方公務員(教養+専門試験)…800~1,500時間
- 地方公務員(教養試験のみ)…300~500時間
かなり多いと感じる方も多いかもしれません。大学で経済や法律などを学んだ人は、重複している部分もあるため、これより短縮できる可能性があります。
また社会人としての経験が試験内容に有利に働くこともあるため、一度模擬試験などを受けて、試験合格への道のりが現実的かどうか確かめてみるのもおすすめです。
地方公務員の試験科目は、都道府県や東京特別区、政令指定都市(横浜市、大阪市、さいたま市など)は教養試験と専門試験の両方が必要で、そのほかの市町村は教養試験のみというケースが多いです。 教養試験のみの自治体は「狙い目」である一方、人気が高かったり、給与が低かったりする可能性があります。
また経験者枠の場合は試験形式が異なり、一般枠ほどの長時間の対策をする必要がないケースがほとんどです。また一部の自治体は、通常の筆記試験とは異なる方式をとっており、典型的な筆記試験対策は不要の場合もあります。
子育て中の女性でも採用される?
子育て中の女性でも、公務員に転職することは可能です。 採用プロセスにおいて、子どもの有無といった個人的な事情はプラスにもマイナスにも働かないため、可能性は平等に与えられています。子育て中は勉強時間の捻出が難しいかもしれませんが、実際にスキマ時間などを活用して公務員への転職を実現した方も多くいます。
市役所などの職場は子育てに理解がある職場だといえますので、子育て中の方も諦めずに検討してみてください。
勤務場所の異動はある?
部署異動が定期的に行われるのは公務員の特徴ですが、勤務地の異動の有無もあり得ます。 国家一般職の場合、全国を9地域に分けて採用されます。原則として地域内での異動のみのため、ほかのエリアに異動することは少ないです。ただし地域内では、都道府県境をまたいで異動する可能性があります。
国家総合職は東京の中央省庁での勤務のほかにも、出先機関や地方自治体への出向などにより、全国に異動の可能性もあるでしょう。
地方公務員もその自治体の庁舎(県庁、市役所など)以外にさまざまな出先機関があり、面積の広い県などでは引っ越しが必要な異動の可能性もあります。市町村の場合は人事交流などのレアケースを除き、原則として自治体内のみでの異動ですので、転勤によって引っ越しが必要になることはほとんどありません。
初任給はどのように決まる?
公務員の初任給は、定められた初任給基準表に基づいて、職種や試験、学歴、経験年数を加味して決定されます。社会人として一定期間働いた経験がある場合は、そのぶんは考慮されます。公務員に転職して新しい生活を始めよう
本記事では公務員に転職を検討している方向けに、職種の紹介やメリット、デメリット、よくある質問などをご紹介しました。ほかの仕事と同じように、公務員にも向き不向きがあります。
転職を考えている場合はまずご自分の適性を把握して、向いている業種を探してみましょう。
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