美容師の主な仕事は、カットやカラーリングを通じて外見を美しく整えることです。人との関わりが多くやりがいのある職業ですが、具体的にはどのような業務を行うのでしょうか。

この記事では、美容師の仕事内容や年収について詳しく解説します。また、美容師に向いている人の特徴や必要な資格についても紹介しているので、美容師の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてください。

美容師とはどんな仕事？

美容師は、髪の毛のカットやスタイリング、カラーリング、パーマなどの施術を通じて、顧客の美容や外見の向上をサポートする専門職です。 主に美容室やサロンでの勤務が一般的ですが、ヘアショーやファッションショー、映画やテレビなどの撮影現場など、幅広い現場で活躍できます。

美容師になるためには、美容専門学校での学習と国家試験の合格が必要です。専門的な技術と知識はもちろんのこと、顧客に対するサービス精神が求められます。

美容師と理容師の違い

美容師と理容師は、資格や適用される法律、提供する場所やサービスがそれぞれ異なります。

美容師は美容師法により「美容を業とする者」と定義されており、カット、パーマ、化粧、着付け、ネイル、まつ毛のエクステンションなどを通じて容姿を美しく整える仕事です。 美容師になるには美容師国家試験に合格し、美容師免許を取得する必要があります。

一方、理容師は理容師法に基づき「理容を業とする者」と定義されており、理容師国家試験に合格し、理容師免許を取得する必要があります。 理容にはカット、シェービング、シャンプーなどを行い、容姿を整えることが含まれます。

美容師は美容全般のケアで、理容師は顔剃りなど主に男性向けのケアができることが特徴です。

美容師の主な仕事内容

美容師はカットやカラーなど、顧客のヘアケアを全面的にサポートするのが仕事です。美容師の主な仕事内容には、以下のようなものがあります。

ヘアカット

顧客の髪型やスタイルに合わせてヘアカットを行います。その際、顧客の要望を確認し、髪質や生え方、顔の形や輪郭、肌の色なども考慮して最適な提案を行います。

顧客のニーズに応えつつ、満足度の高い仕上がりを実現することが美容師の役割です。

ヘアカラー

ヘアカラーでは顧客の要望だけでなく肌の色や髪質などの特徴も考えて、最適なカラーを選んで施術を行います。

髪のダメージを最小限に抑えながらヘアカラーをするには、専門知識と技術が必要です。顧客の髪の状態をチェックし、適切なカラーリング方法や薬剤を選んで施術します。

パーマ

パーマは髪にウェーブやカールを施す技術のことです。顧客の髪質や希望に応じて、最適なパーマ方法を提案します。

まず髪の状態を確認し、ダメージを最小限に抑えるために適切な薬剤や施術方法を選びます。施術後には、顧客に合ったアフターケアや自宅でのケア方法をアドバイスするのも美容師の役割です。

トリートメント

トリートメントは髪のダメージを修復したり、健康な髪を保つ施術です。髪質や状態に合わせて、適切なトリートメントを提案します。

髪の乾燥や切れ毛などの問題をトリートメントで解決するためには、髪の健康状態を正確に把握するのが重要です。

ヘッドスパ

ヘッドスパとは、頭皮や髪の健康を促進するためのリラクゼーションおよびトリートメントの施術です。リラックス効果や血行促進などにも効果があります。

ヘッドスパは、顧客の健康な頭皮と美しい髪を維持するための施術で、美容師の高い技術と丁寧なケアが求められます。

メイクアップ

特別な日やイベントに向けたメイクアップも、美容師の仕事のひとつです。顧客の顔の形や肌質に合わせて、自然で美しく見えるメイクを提案します。

また、トレンドや季節に合わせたメイクの提案も重要です。 特別な日やイベントには、顧客の個性や希望に応じたメイクを行います。ナチュラルな印象から華やかなメイクまで、幅広いスタイルに対応できることが大切です。

美容師の勤務先

美容師の職場は、美容室以外にもさまざまな場所があります。美容資格を持っている人は、主に以下の勤務先で働くことが可能です。

また、特定の勤務先を持たずフリーランスで活動する美容師も多くいます。

美容室・ヘアサロン

美容室やヘアサロンは、髪を美しく整えるために顧客の要望に応じてカット、カラーリング、パーマ、セットなど髪に関する幅広いサービスを提供する場所です。

顧客の年齢層や性別はさまざまですが、美容室によって客層や雰囲気、さらに求められる技術が異なります。

ヘアカット専門店

ヘアカット専門店は、シャンプーやトリートメントなどのオプションをせず、ヘアカットに特化したサービスを提供する美容室です。

ヘアカット専門店ではスピーディーなカットを強みにしているため、効率的で正確なカットができる美容師が求められます。

ヘアカラー専門店

ヘアカラー専門店は部分染めから根元染め、全体染めまで、幅広いカラーリングサービスを提供する美容室です。

カットやパーマなどの技術は必要ありませんが、顧客のパーソナルカラーや要望を正確に把握し、最適なカラーコーディネートを提案する技術が求められます。

結婚式場

美容師の結婚式場での仕事は、新郎新婦の希望やテーマに応じて、ヘアスタイルやメイク、和装やドレスの着付けを行います。

勤務先は、結婚式場やホテル内のブライダル事業、挙式後のパーティーなどです。また、ブライダル衣装を扱う会社ではヘアメイクや着付けなど、総合的なサービスを提供します。

トータルビューティーサロン

トータルビューティーサロンは髪のケアのほかにも、まつ毛エクステンションやネイルなどさまざまな美容サービスを提供するサロンです。

爪から髪、特別な日のメイクまで、顧客のニーズに応じて最新トレンドを取り入れたトータルビューティーをサポートします。

アイラッシュサロン

アイラッシュサロンは、まつ毛エクステンションやまつ毛パーマなどの施術を専門に行うサロンです。アイラッシュサロンの開業には保健所に届出を行い、厳しい基準をクリアする必要があります。

アイラッシュサロンのスタッフは、まつ毛に関する豊富な知識と高度な技術を持っていることが求められます。また、最新のトレンドを取り入れながら、顧客一人ひとりのニーズに応じたデザインを提供することが大切です。

ヘアメイクサロン

ヘアメイクサロンは、ヘアメイクに特化したサロンです。主に結婚式やパーティーの参加者を対象としており、結婚式場やパーティー会場に出張してヘアメイクを行うこともあります。

ヘアメイクサロンのスタッフは、顧客の要望に合わせて最適なヘアスタイルやメイクを行う高い技術が不可欠です。

フォトスタジオ

フォトスタジオでは、七五三や成人式などの特別なイベントでの記念写真撮影に際し、ヘアセットやメイクアップのサービスを提供することがあります。

その際、フォトスタジオの美容師は、七五三や成人式など、その特別なイベントにふさわしいヘアスタイルやメイクを行う役割を担います。

訪問美容事業所

訪問美容事業所は、高齢や病気などの理由でサロンに行くことが難しい人のために、美容サービスを提供する専門の事業所です。

事業所の美容師は介護施設や病院、そして顧客の自宅などに直接訪問し、ヘアカットやヘアセットなどの美容サービスを行います。

美容師の年収

美容師の年収は経験、技術、勤務地、雇用形態などによって異なります。厚生労働省が公表した「令和2年度賃金構造基本統計調査」によれば、正社員雇用の美容師の平均月収は約26万9,400円で、年間の賞与や特別給与を加えると平均年収は329万8,300円になっています。

一方で、パートタイムやアルバイトの場合の平均時給は982円であり、派遣社員の場合は1,322円です。経験豊富で高い技術を持つ美容師や人気のあるサロンで働く美容師は、さらに高い年収を得られることもあります。

美容師になるには美容師免許が必要

美容師になるためには、まず高等学校卒業資格（または同等の学歴）が必要です。その後、美容師としてのスキルと知識を身につけるために美容専門学校に進学します。

美容専門学校の課程は通常2年間で、ヘアカット、カラーリング、パーマ、メイクアップ、ネイルケアといった技術に加え、衛生管理や美容業界の法律についても学びます。 美容専門学校を卒業したあと、美容師国家試験を受けなければなりません。

この試験は実技試験と学科試験で行われ、実技試験ではカットやセットの技術を、学科試験では美容に関する理論、法律、衛生管理の知識が問われます。

国家試験に合格すると、厚生労働省から美容師免許が交付されます。美容師免許を取得して、初めて美容師として働けるのです。

美容師に向いているのはこんな人

美容師になるためには美容師免許が必要ですが、どのような人が向いているのでしょうか。美容業界で活躍する人の特徴を解説します。

美容やファッションが好き

美容師は、美容やファッションが好きな人に向いています。美容師の主な仕事は、顧客のヘアメイクを整え、その魅力を最大限に引き出すことです。

美容やファッションへの興味や情熱がある人は、自分自身も楽しみながら仕事に取り組めるでしょう。好きなことを仕事にすることで、常に新しい技術やトレンドを学び続けながら美容師としてのスキルも磨けます。

トレンドに敏感

美容師に向いている人は、トレンドに敏感な人です。美容師は常に、新しいヘアスタイルやメイクアップの技術、最新の美容製品や道具について情報を追って学び続ける姿勢が求められます。

最新のファッション雑誌やSNS、美容関連のセミナーやイベントなどをチェックし、流行のヘアスタイルやメイクアップ技術を習得することが大切です。

人と会話するのが好き

美容師に向いているのは、人とのコミュニケーションが得意な人です。美容師は顧客との会話を通じて、希望やニーズを正確に理解し、最適な提案を行う必要があります。

顧客が具体的なイメージを持っていない場合でも、さまざまな角度から質問をして好みや要望を引き出し、それに基づいた施術を提供する必要があります。 会話が弾むことで顧客との信頼関係を築けて、顧客満足度を高められるでしょう。

学習意欲がある

美容師には、向上心と学習意欲が求められます。常に最新のトレンドや技術を追求し、カットやカラーリングなどの技術を磨くことが重要です。

みずからの知識を更新し続けることで、提供できるサービスの幅を広げられ顧客満足度を高められます。常に高い技術力を保つことで、美容師としての人気を確立できるでしょう。

忍耐力がある

美容師には忍耐力も不可欠です。勤務中は長時間立ちっぱなしでの作業や、細かい作業を繰り返すことがあります。

特にヘアカットやヘアカラーなどの施術は、時間がかかることが多いので体力が必要です。 また、難しい顧客や思わぬトラブルが発生することもあります。

そのような状況において、美容師は忍耐強く冷静に対応することが求められます。

協調性がある

美容師には、協調性も大切な要素です。美容師はチームで働く機会が多く、ほかの美容師やスタッフと協力して顧客の施術を行うことがあります。

協調性があれば、チーム全体がスムーズに作業を進められ、顧客によりよいサービスを提供できるでしょう。

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