バス運転手は見かけることが多く、憧れを抱く方もたくさんいる職業です。 しかし、バス運転手の具体的な仕事内容や、路線バス、高速バス、観光バスなどのバスの種類ごとの業務に違いがあることを知らない方もいるでしょう。

この記事では、バス運転手の仕事内容をはじめ、それぞれのバスの業務内容の違い、その魅力ややりがいについて詳しく解説します。バス運転手への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

バス運転手の種類

バスの種類によって利用者の目的や特徴が異なるように、バス運転手の働き方にも違いがあります。

それぞれのバスの種類によってどんな人材が適しているのでしょうか。バスの種類ごとの違いについて、詳しく解説します。

路線バス

路線バスは、定められたルートに従って街中のバス停の間を時間どおりに運行するバスです。毎日同じルートを走るため、ルーティン作業が得意な人や仕事に早く慣れたい人に向いています。

運賃の支払いが必要なため、乗車時や降車時に料金を受け取ることも業務のひとつです。昨今はIC系交通カードの普及により、運賃対応が不要な地域も増えています。

路線バスは、通勤や通学で利用する人が多く乗客との距離が近いため、人の役に立つことに喜びを感じる人に特におすすめです。

高速バス

高速バスとは都市間や長距離の移動を目的とし、特定のバスターミナルや停留所を出発して、別のバスターミナルや停留所に向かうバスです。 バス会社によっては路線バスでの経験を積み、健康や評価に関する社内基準を満たしていなければ運転できないことがあります。

特に夜行バスでは長時間の運転や夜間の道路を走行するため、運転手には高い集中力と注意力が求められます。そのため、運転が好きな人・運転の経験が豊富な人におすすめです。

送迎バス

送迎バスは企業や学校、ホテルなどの施設で利用者の送迎を目的とするバスです。一般的に決まったルートや時間に沿って運行し、出発地と目的地を往復します。

ホテルや病院の送迎バスの場合、予約制で短距離の送迎が多く、決められた利用者に限定されることが多いです。

送迎バスは業務時間が固定されており、年間を通じて繁忙期や閑散期がありません。そのため、規則正しい生活を求める人や安定した仕事を望む人に適しています。

観光バス

観光バスは主に旅行会社が運営し、観光地やスポットを巡るバスです。旅行者や観光客にツアーを提供し、ツアーガイドが観光地の情報や歴史を説明しながら案内します。

ルートは季節や旅行会社の企画内容で変わり、乗客も日々異なるため、毎日新鮮な気持ちで仕事に取り組めるのもやりがいのひとつです。 運行ルートや発着時間は決まっていますが、長距離運転や乗客の点呼などがあるため、体力がある人に適しています。

貸切バス

貸切バスとは、特定のグループや団体が利用するために、事前に予約して運行されるバスです。主に企業の社員旅行や学校の遠足、スポーツチームの移動など特定の目的やイベントに合わせて利用されます。

観光バスの業務は繁忙期と閑散期があり、時期によって勤務が不規則になることが一般的です。忙しい時期は運行回数が増えたり、運行時間が長くなったりすることもあります。

閑散期には企業の送迎バスなどの業務を行っている会社もあるので、自分に合った勤務形態の会社を選ぶとよいでしょう。

バス運転手の1日のスケジュール

バス運転手の仕事内容はバスの種類にもよりますが、大まかなスケジュールは以下のとおりです。それぞれ、詳しく解説します。

出勤・アルコール検知

バスの運転手は、出勤したらまず安全運行のためにアルコール検査を受けることが一般的です。アルコール検知器を使って、呼気中のアルコール濃度を測定します。

基準値を超えた場合、運転手はその日の業務ができません。各バス会社にはアルコールに関する厳しい規定があり、飲酒運転が発覚した場合は厳重な処分が科せられることがあります。

車両点検

車両点検とは運行前に、乗務するバスに異常がないかを確認することです。具体的にはエンジンまわりのチェックやタイヤの空気圧、ブレーキの状態、ライトやウィンカーなどの機能を点検します。

車両点検は、バスの安全性を確保し運行中のトラブルを未然に防ぐのが目的です。事故や故障のリスクを低減し、乗客に安全で快適な移動を提供するために行われます。

出庫点呼

出庫点呼とは、バスの運行前に行う確認作業です。まず、車両の点検結果を提出し、異常がないことを報告します。 その日の運行ルートやスケジュールを確認し、業務上の指示があればそれに従います。

車両の安全性や装備のチェック、運転手自身の体調や状態の確認も業務のひとつです。 出庫点呼を通じて、運転手は運行前に必要な情報を把握し、安全な運行を確保するための準備を整えます。

乗務開給

運行準備が整い、出発時刻になると乗務開始です。 運転手は、お客さまを安全に目的地まで送り届けなければなりません。

そのため、運行中は常に確認・判断・操作を怠らないよう心がけます。 車内の安全を守るためには周囲や道路の状況を正確に把握し、適切な判断と操作を行うことが大切です。

お客さまが安心して乗れるよう、安全運転を徹底することが求められます。

休憩

バス運転手の休憩時間は、運行ルートやバスの種類によって異なります。たとえば、高速バスの運転手のように6時間以上連続で働く場合は45分以上の休憩が必要です。

休憩は営業所内やサービスエリアなど、運行ルートに応じた場所を利用します。休憩中は次の運行に向けて軽食をとったり、リラックスした時間を過ごすことが大切です。

帰庫点呼

帰庫点呼とは、バス運転手が運行を終えて車庫に戻った際に行う点呼のことです。業務終了後の体調確認や車両の状態報告、運行記録の提出などが行われ、安全運行が確保されたことを確認します。

体調不良や車両に異常があった場合はここで報告して、次の運行に備えるための整備を行います。最後に次回の勤務スケジュールや業務内容を確認し、運行に備えます。

バス運転手になるために必要な資格

バス運転手になるには、運転するバスの種類によって特定の運転免許が必要です。それぞれの免許の違いを解説します。

普通自動車免許

バス運転手を目指す場合、最初に取得するのが普通自動車免許です。この免許は10人以下の乗客を運ぶ小型バスの運転に必須で、送迎バスや小型観光バスの運転手の場合は普通免許があれば運転できます。

普通自動車免許を取得して小型バスの運転を通じて経験を積み、そのあと大型自動車免許へとステップアップすることが多いです。

大型自動車二種免許

大型自動車二種免許とは、路線バス、観光バス、高速バスなどの乗客定員が30人を超える大型バスや、総重量が11トン以上の大型車両を運転するために必要な資格です。

大型自動車二種免許を取得するためには運転技術や交通ルールに関する厳しい試験を通過し、一定の運転経験や健康状態の確認が求められます。

大型自動車一種免許と大型自動車二種免許の違い

大型自動車一種免許と大型自動車二種免許の違いは、運転できる車両と目的にあります。 大型自動車一種免許は主に貨物を運ぶために必要な資格で、総重量が11トン以上の大型トラックなどを運転できますが、乗客の運送はできません。

一方、大型自動車二種免許は、人を運ぶための商用車を運転するための免許で乗客を運べます。大型自動車一種免許を持っているだけではバスの運転手として働くことはできないため、大型自動車二種免許の取得も必要です。

バス運転手のやりがい

バスの運転手の仕事に対して「大変そう」「長時間運転するため辛い仕事なのでは？」など、さまざまな疑問を抱くでしょう。

しかし、実際にはとてもやりがいのある職業です。バス運転手のやりがいについて詳しく解説します。

お客様に感謝される

バス運転手の魅力とやりがいは、お客様から感謝されることです。毎日多くの人々を安全かつ快適に目的地へ運ぶことで、乗客から「ありがとう」という言葉をかけられることが大きなモチベーションとなるでしょう。

バス運転手は乗客との直接的な交流は仕事の大きなモチベーションとなり、他の職業では味わいにくい特別な満足感を得られる職業です。

交通インフラを支えられる

バス運転手は、交通インフラを支える重要な役割を担っています。バスは通勤や通学、日常の移動手段として、人々にとって欠かせない存在です。

運転手は、乗客を安全かつ時間どおりに目的地へ運ぶことで、地域社会の交通インフラを支えています。社会の一部を支えられる責任感と誇りが、バス運転手の魅力といえるでしょう。

社会に貢献できる

バス運転手は乗客を安全に目的地まで運ぶことで、地域社会の生活基盤を支える重要な役割を果たしています。

特に高齢者や子どもなど移動手段が限られている人々にとって、バス運転手の存在は不可欠です。こうした社会的な貢献が、仕事のやりがいと誇りにつながるでしょう。

バス運転手の魅力・メリットとは？

バス運転手は大変なイメージを持たれがちですが、実際には多くの魅力があります。 バス運転手の魅力や働くうえでのメリットについて詳しくご紹介します。

安定した給与で長く働ける

バス運転手のメリットは、安定した給与で長く働けることです。バス運転手は公共交通機関の重要な一翼を担っているため、安定した雇用が確保されています。

定期的な給与支払いに加えて、福利厚生や年金制度も整っているため、安心して長期的に働けるのが魅力です。そのため、安定した収入源を確保しながらキャリアを積み重ねられるでしょう。

シフト制で平日も休める

バス運転手の魅力のひとつはシフト制で働けるため、平日に休みを取れることです。一般的なオフィスワークとは異なり、混雑を避けてゆったりと過ごせる時間を確保できます。

平日の空いている時間に病院や役所に行ったり、趣味を楽しめるため、プライベートな時間を有効に使えるのも、バス運転手の大きなメリットです。

人間関係に悩むことが少ない

バス運転手の仕事では、運転と乗客対応に集中できるため、職場内での人間関係のストレスが比較的少ないのが特徴です。

チームメンバーや上司とのやり取りは必要ですが、日常的に多くの人と密接に関わることが少なく、個々の役割に専念しやすい環境が整っています。人間関係のストレスを軽減し、自分の仕事に集中できるのがメリットです。

運転技術が上がる

日々の業務を通じて、運転技術や知識を継続的に高められるのもバス運転手の魅力のひとつです。複雑な交通状況や道路条件に対応することで運転技術が上がり、より安全で効率的な運転スキルが身につくでしょう。

また、運転中に得られる経験や交通ルール、乗客対応の知識が積み重なることで、プロフェッショナルとしての成長を感じられるのもやりがいのひとつです。

定年退職後も働ける

定年後も働き続けられることも、バス運転手のメリットです。豊富な経験を活かして、熟練した運転手として安定した運行とサービスを提供できます。

また、多くのバス会社では定年後の再雇用やパートタイム勤務の選択肢があり、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。定年後も地域社会へ貢献し続けられることは、大きなやりがいといえるでしょう。

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バス運転手はやりがいの多い職業

バス運転手は人材不足が深刻化しており、「大変そう」というイメージを持つ人も多いです。しかし、実際にはお客様から感謝されることが多く、やりがいのある仕事といえます。

また、平日休みが多く定年後も働けるため、主婦や年配者の方にもおすすめです。自由な働き方を希望する方や運転が好きな方は、ミイダスに登録してバス運転手への転職を検討してみてはいかがでしょうか？

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