目次
「誰かのサポートをしたい」と考える人から人気の職種のひとつが、介護福祉士です。 学校で専門的な知識を学んだ人だけでなく、未経験の人でも目指せることから、転職を考えている方にも門戸が開かれています。
今回は未経験で介護福祉士になりたい人が資格取得を目指す方法や、介護の仕事の魅力について解説します。 同じ福祉領域の職種である保育士については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
【関連記事】保育士の仕事内容は?やりがいや保育士になるためのステップを解説
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介護に関連する資格は数多くありますが、介護福祉士とはどのような資格なのでしょうか。介護福祉士の担う役割や隣接する職種との違いを確認してみましょう。
介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」の規定に基づく資格。身体や精神の状況によって日常生活にサポートが必要な方のケアや、介護・日常生活に関するアドバイスを行うことが仕事です。
入浴や排泄等のケアを想像するかもしれませんが、それだけではなく、自宅で過ごすための環境を整えたり、外出を手伝ったり、ともに暮らす家族へのサポートを行ったりすることもあります。介護福祉士は、日常生活のお世話が必要な方やその周囲に関して、さまざまなケアを行っているのです。
社会福祉士と精神保健福祉士は、ともに「ソーシャルワーカー」と呼ばれます。実際に日常生活の場面に寄り添って身体や精神のケアを行う介護福祉士とは異なり、社会福祉士や精神保健福祉士は相談業務を中心に担っています。
社会福祉士は高齢の方や障がいをもつ方、子ども、経済的に困窮している方、犯罪歴があり更生を目指す方などの相談を担い、支援体制を構築したり、制度の利用に結びつけたりします。
精神保健福祉士は、ソーシャルワーカーのなかでも精神保健に精通した存在です。メンタルヘルスに問題を抱えている方、精神や発達に関する障がいを抱えている方に寄り添い、相談やさまざまな制度の活用をサポートします。
一方で業務独占とは「その資格を有している人にしかその仕事ができない」ということを指します。 介護福祉士は名称独占資格です。そのため、介護の仕事は資格がなくてもできますが、介護福祉士と名乗るには国家資格を取得しなければなりません。
AIやIoTを活用できるようになったとはいえ、介護を必要とする人々が心のつながりを感じながら安心して生活を続けられる環境をつくりだすには、人が人のケアを行うことに意味があるといえます。 国も介護人材を増やすためにさまざまな取り組みを進めています。 (参考:介護人材確保に向けた取組|厚生労働省)
無資格・未経験の人々を業界に迎え入れ、活躍してほしいという機運がある一方で、働く人の視点ではキャリアアップも大切なことです。実際に、昇進が可能となる業務の範囲を増やすうえでは、介護福祉士の資格を持っていると有利に働くことがあります。
たとえば、介護の現場では喀痰吸引といい、たんが詰まりやすい方にチューブを用いて吸引する手技を行うことがありますが、介護福祉士のうち特別な研修を受講して技術を学んだ人だけがこの吸引を任せてもらえるのです。
また、毎日変化がある介護現場を采配する役割は介護福祉士に任されることがほとんど。介護福祉士はチームマネジメントも学んだうえで取得する資格だからです。
高度な技術を学び、実践したり、多様な社会制度や介護の理論・技術を体系的に学んだりすることで、活躍の機会が増えていきます。その基礎となるのが、介護福祉士の資格だと考えられています。 このことから、キャリアアップを目指すうえで介護福祉士の資格を取得したいと考える人が多いのです。
介護福祉士は、未経験でも目指せる資格です。学校に行って必要な単位を取得する方法のほかに、実務経験と一定の研修を経て資格取得を目指す方法(以下、実務経験ルート)があります。 本記事では実務経験ルートについて詳しく解説します。
学校や養成施設で学ぶメリットは、体系的に学べることです。一方で、学費がかかることや働きながら学ぶには時間のやりくりが難しいことがデメリットといえます。
とくに社会人が養成施設を利用して学ぶ場合、土日や夜間の時間を捻出したり、相当の学費を用意したりしなければならないことがネックになるでしょう。
詳しくは試験実施機関のWebサイトで確認してみてください。
3年(1,095日)以上これらの職場に介護職員として在籍し、540日以上従事することで実務経験の要件を満たせます。雇用形態はパートなど正社員でなくてもよく、1日あたりの就業時間の定めはありません。
介護福祉士実務者研修は、さまざまな機関が年に複数回実施しているため、研修の受講要件を満たし、申し込めば比較的スムーズに受講できます。職場が研修受講費用の負担を行うケースも珍しくありません。
社会人が介護福祉士の資格を目指す場合、養成施設で学ぶのが最短ルートです。
しかし社会人が養成施設で学ぶ場合、1年~2年の学習期間が必要です。 学期の区切りや学費を用意する期間を考えると、3年の実務経験を満たし、研修を受講して国家試験を受験することは、極端に長い期間がかかるともいいきれないでしょう。
※EPA(経済連携協定)に基づく資格取得ルートもありますが、本記事では割愛します。
※実務経験ルートにはほかに、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を受講するパターンもありますが、介護職員基礎研修は2012年度を最後に現在廃止されています。詳しくは試験実施機関のWebサイトをご覧ください。
参考:[介護福祉士国家試験]受験資格:福祉系大学等|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士は、高齢者介護の現場だけでなく、さまざまな領域で活躍しています。ここでは代表的な以下の4つにわけて介護福祉士の活躍現場を紹介します。
そのほか、通所して過ごす「デイサービス(通所介護)」や「デイケア(通所リハビリテーション)」、自宅などでケアをする「ホームヘルパー(訪問介護)」、さらに福祉用具レンタルを行う事業所などでも活躍します。 介護福祉士は、施設でも自宅でも、高齢の方が快適に暮らすサポートを行う仕事です。
そのほかに、就労支援サービスなど、衣食住や入浴・排泄といったケア以外を行う事業所でも介護福祉士が活動しています。介護福祉士の専門性を活かし、相談業務に従事することがあるためです。
発達に課題を抱える子どもたちの通う療育(放課後等デイサービス、児童発達支援)の場面でも、相談支援を行うプロとして介護福祉士の資格を有する人々が、支援や施設の管理を行うことがあります。福祉の素養を活かして保育士の資格にチャレンジする人もいるようです。
介護福祉士は、このように多岐にわたる活躍が可能であり、キャリアアップがしやすい資格です。年齢とともに力仕事からデスクワークに移りたいと考えたときにも、ケアマネージャー(介護支援専門員)など、相談支援系の上位資格にチャレンジするなどしてキャリア形成が可能です。
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介護の領域で働くことには、以下のようなメリットがあります。
一つひとつ見ていきましょう。
社会的なニーズが途絶えにくい仕事であるため、未経験でキャリアチェンジをしたとしても長く勤められる業界だといえるでしょう。
サービスの報酬として事業所が加算を得るかわりに、人事制度を整えたり、従業員のキャリアアップのために研修を行ったりする事業所も増えているようです。職場が積極的にキャリアを応援してくれることで、働きながら効率的にキャリア形成がしやすいのは大きなメリットといえます。
そして、介護福祉士を取得するなどすれば、さまざまな分野で活躍したり、異なる職種にチャレンジしたりすることも可能です。
その点、現場経験があれば身体のケアや社会制度の活用・手続きなどで慌てることも少なくなるでしょう。
「介護職にチャレンジしてみたいけれど、自分にあうかどうかわからない」と感じている人は、未経験でパートや副業から始めてみることも一案でしょう。
未経験で介護職にチャレンジするには、以下の点に注意が必要です。
職場の情報や働き方を確認し、自分が働く姿をイメージするとともに、体質や既往などから働けそうかどうかを考えることも必要です。 また、利用者さんの身体のケアを行うときに一人で行うのか、正しい体勢・動きが身につく研修をしてもらえるのかといった、人員体制や研修体制も大きく関係してきます。
そこで重要なのは、職場の人間関係やサポート体制、そして職場の方針です。ケアで目まぐるしく動いているなかでも、従業員同士がアットホームに声を掛け合う職場が合っている人もいれば、オンとオフがはっきりしていて干渉し合わない風土を好む人もいます。
規律的に動くことを良しとする職場もあれば、「お互いさま」の気持ちで持ちつ持たれつという考えの職場もあるでしょう。感情労働の代表格である介護職だからこそ、職場の風土がストレスに大きく関係します。
長く働くうえでは技術的な研修だけでなく、面談やメンター制度の有無なども重要です。相性を加味して教育担当者をつけてもらえると、未経験でも安心してステップアップできるでしょう。 未経験で介護福祉士を目指すには、実務経験、すなわち勤続することが必要です。
キャリア形成を見据えて介護職にチャレンジするにあたっては、「働き続けられる職場を選ぶ」ことを重視しましょう。 働き続けられる職場かどうかは、職場の見学や体験入社などを通じて確認したいと思うかもしれません。
しかし、介護の現場はプライバシー保護を要するため、見学が難しい場合も多くあります。 また、一時的な見学や体験会・交流会だけでは、職場風土や相性は見抜けない場合がほとんどです。
そこで、ミイダスのコンピテンシー診断などの診断ツールを用いて職場との相性を推し量ることも重要です。
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ミイダスにはコンピテンシー診断を活用して、企業とのマッチング度合いを見える化し、確かめられる機能があります。 募集要項では通常わからない応募先企業の考え・特徴と、あなたの特性がマッチしているかどうかを確認してから応募できます。
そのため、介護の現場で長く働き続け、キャリアアップを目指したい人にはおすすめです。 自分自身がどのような特性を持っているのかが採用担当者に伝えやすく、応募する段階で企業とどのようなところがどの程度マッチしているのかわかっていると、よりアピールもしやすくなります。
ミイダスに無料登録すればだれでも、自分の特性がわかるコンピテンシー診断を利用できますので、ぜひ受けてみてください。
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今回は未経験で介護福祉士になりたい人が資格取得を目指す方法や、介護の仕事の魅力について解説します。 同じ福祉領域の職種である保育士については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
【関連記事】保育士の仕事内容は?やりがいや保育士になるためのステップを解説
※登録後に無料で診断できます。
介護福祉士とは?役割や似た職種との違いをチェック
介護に関連する資格は数多くありますが、介護福祉士とはどのような資格なのでしょうか。介護福祉士の担う役割や隣接する職種との違いを確認してみましょう。
介護福祉士は介護に関する唯一の国家資格
介護についての知識や技術を有していることを示す、唯一の国家資格が介護福祉士です。 介護職員初任者研修など、研修受講を経て認定を得るものとは異なり、受験資格を得て年一度の国家試験を受験し、合格した人のみが資格を得られます。介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」の規定に基づく資格。身体や精神の状況によって日常生活にサポートが必要な方のケアや、介護・日常生活に関するアドバイスを行うことが仕事です。
入浴や排泄等のケアを想像するかもしれませんが、それだけではなく、自宅で過ごすための環境を整えたり、外出を手伝ったり、ともに暮らす家族へのサポートを行ったりすることもあります。介護福祉士は、日常生活のお世話が必要な方やその周囲に関して、さまざまなケアを行っているのです。
三福祉士とは?介護福祉士と隣接する国家資格
介護福祉士は福祉に関する国家資格「三福祉士」のひとつでもあります。 三福祉士には以下の3つがあります。- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
社会福祉士と精神保健福祉士は、ともに「ソーシャルワーカー」と呼ばれます。実際に日常生活の場面に寄り添って身体や精神のケアを行う介護福祉士とは異なり、社会福祉士や精神保健福祉士は相談業務を中心に担っています。
社会福祉士は高齢の方や障がいをもつ方、子ども、経済的に困窮している方、犯罪歴があり更生を目指す方などの相談を担い、支援体制を構築したり、制度の利用に結びつけたりします。
精神保健福祉士は、ソーシャルワーカーのなかでも精神保健に精通した存在です。メンタルヘルスに問題を抱えている方、精神や発達に関する障がいを抱えている方に寄り添い、相談やさまざまな制度の活用をサポートします。
名称独占と業務独占
国家資格には「名称独占」と「業務独占」という区別があります。名称独占とは「その資格を有している人だけが名乗れる」ということです。一方で業務独占とは「その資格を有している人にしかその仕事ができない」ということを指します。 介護福祉士は名称独占資格です。そのため、介護の仕事は資格がなくてもできますが、介護福祉士と名乗るには国家資格を取得しなければなりません。
介護人材の不足と介護福祉士
介護の業界は、無資格・未経験でも挑戦しやすい業界です。日本は超高齢社会を迎えており、高齢者の介護ニーズがますます高まっていることに加え、高齢の方以外でも障がいを抱える人など、介護を必要とする人は多いからです。AIやIoTを活用できるようになったとはいえ、介護を必要とする人々が心のつながりを感じながら安心して生活を続けられる環境をつくりだすには、人が人のケアを行うことに意味があるといえます。 国も介護人材を増やすためにさまざまな取り組みを進めています。 (参考:介護人材確保に向けた取組|厚生労働省)
無資格・未経験の人々を業界に迎え入れ、活躍してほしいという機運がある一方で、働く人の視点ではキャリアアップも大切なことです。実際に、昇進が可能となる業務の範囲を増やすうえでは、介護福祉士の資格を持っていると有利に働くことがあります。
たとえば、介護の現場では喀痰吸引といい、たんが詰まりやすい方にチューブを用いて吸引する手技を行うことがありますが、介護福祉士のうち特別な研修を受講して技術を学んだ人だけがこの吸引を任せてもらえるのです。
また、毎日変化がある介護現場を采配する役割は介護福祉士に任されることがほとんど。介護福祉士はチームマネジメントも学んだうえで取得する資格だからです。
高度な技術を学び、実践したり、多様な社会制度や介護の理論・技術を体系的に学んだりすることで、活躍の機会が増えていきます。その基礎となるのが、介護福祉士の資格だと考えられています。 このことから、キャリアアップを目指すうえで介護福祉士の資格を取得したいと考える人が多いのです。
未経験でも介護福祉士になれる?資格取得の最短ルート
介護福祉士は、未経験でも目指せる資格です。学校に行って必要な単位を取得する方法のほかに、実務経験と一定の研修を経て資格取得を目指す方法(以下、実務経験ルート)があります。 本記事では実務経験ルートについて詳しく解説します。
介護福祉士の資格取得ルートは大きくわけて2つ
介護福祉士の資格取得ルートは大きくわけて2つです。ひとつは学校や養成施設で必要な単位を取得するもの、もうひとつは実務経験によるものです。【学校や養成施設で学ぶルート】
学校や養成施設で学ぶパターンでは、高校の時点で福祉系の学科で学ぶ人もいれば、福祉系の大学で学ぶ人もいます。社会人であっても、大学に社会人入学をしたり、通信教育を用いて休日に学んだりする人もいます。学校や養成施設で学ぶメリットは、体系的に学べることです。一方で、学費がかかることや働きながら学ぶには時間のやりくりが難しいことがデメリットといえます。
とくに社会人が養成施設を利用して学ぶ場合、土日や夜間の時間を捻出したり、相当の学費を用意したりしなければならないことがネックになるでしょう。
【実務経験ルート】
定められた介護現場で3年以上の実務経験を積み、介護福祉士実務者研修を受講すれば受験資格が得られます。 実務経験とは、高齢者介護、障がい者介護、児童福祉分野などで直接介護を行う経験を指します。詳しくは試験実施機関のWebサイトで確認してみてください。
3年(1,095日)以上これらの職場に介護職員として在籍し、540日以上従事することで実務経験の要件を満たせます。雇用形態はパートなど正社員でなくてもよく、1日あたりの就業時間の定めはありません。
介護福祉士実務者研修は、さまざまな機関が年に複数回実施しているため、研修の受講要件を満たし、申し込めば比較的スムーズに受講できます。職場が研修受講費用の負担を行うケースも珍しくありません。
社会人が介護福祉士の資格を目指す場合、養成施設で学ぶのが最短ルートです。
しかし社会人が養成施設で学ぶ場合、1年~2年の学習期間が必要です。 学期の区切りや学費を用意する期間を考えると、3年の実務経験を満たし、研修を受講して国家試験を受験することは、極端に長い期間がかかるともいいきれないでしょう。
※EPA(経済連携協定)に基づく資格取得ルートもありますが、本記事では割愛します。
※実務経験ルートにはほかに、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を受講するパターンもありますが、介護職員基礎研修は2012年度を最後に現在廃止されています。詳しくは試験実施機関のWebサイトをご覧ください。
参考:[介護福祉士国家試験]受験資格:福祉系大学等|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士の活躍する職場の種類
介護福祉士は、高齢者介護の現場だけでなく、さまざまな領域で活躍しています。ここでは代表的な以下の4つにわけて介護福祉士の活躍現場を紹介します。
- 高齢者福祉分野
- 障がい福祉分野
- 児童福祉分野
- 医療分野
高齢者福祉分野
高齢者介護といえば、介護福祉士の仕事として最もイメージしやすいのではないでしょうか。介護保険を用いてサービスを提供する施設が数多くあります。 高齢の方々が入所・入居する施設には「特別養護老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などがあります。そのほか、通所して過ごす「デイサービス(通所介護)」や「デイケア(通所リハビリテーション)」、自宅などでケアをする「ホームヘルパー(訪問介護)」、さらに福祉用具レンタルを行う事業所などでも活躍します。 介護福祉士は、施設でも自宅でも、高齢の方が快適に暮らすサポートを行う仕事です。
障がい福祉分野
高齢者介護と同様に、障がい福祉分野でも入所・通所の施設が存在します。高齢でなくても障がいを抱える人々に必要なケアを提供しています。そのほかに、就労支援サービスなど、衣食住や入浴・排泄といったケア以外を行う事業所でも介護福祉士が活動しています。介護福祉士の専門性を活かし、相談業務に従事することがあるためです。
児童福祉分野
「介護」という言葉からは想像しづらいかもしれませんが、介護福祉士が子どものケアを行う場合もあります。発達に課題を抱える子どもたちの通う療育(放課後等デイサービス、児童発達支援)の場面でも、相談支援を行うプロとして介護福祉士の資格を有する人々が、支援や施設の管理を行うことがあります。福祉の素養を活かして保育士の資格にチャレンジする人もいるようです。
医療分野
病院などの医療機関でも介護福祉士は活躍しています。とくに高齢の方が多く入院する病院やリハビリを行う病棟(回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟)などに配置される場合が多くあります。介護福祉士は、このように多岐にわたる活躍が可能であり、キャリアアップがしやすい資格です。年齢とともに力仕事からデスクワークに移りたいと考えたときにも、ケアマネージャー(介護支援専門員)など、相談支援系の上位資格にチャレンジするなどしてキャリア形成が可能です。
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介護の世界で働くメリット
介護の領域で働くことには、以下のようなメリットがあります。
- 未経験でもチャレンジでき、社会的な需要が途絶えにくい
- ステップアップでき、キャリアの選択肢が広い
- 実生活でも役立つ
- 働き方のバリエーションがある
一つひとつ見ていきましょう。
未経験でもチャレンジでき、社会的な需要が途絶えにくい
介護の仕事には、未経験でもチャレンジできます。先に述べたように介護福祉士の活躍場面は多岐にわたります。そして、未経験でもそれらの職場で働くチャンスがあふれています。社会的なニーズが途絶えにくい仕事であるため、未経験でキャリアチェンジをしたとしても長く勤められる業界だといえるでしょう。
ステップアップでき、キャリアの選択肢が広い
未経験で介護の世界に飛び込んだとしても、さまざまなステップが用意されています。近年は、介護に従事する人々の待遇改善のために、高齢者分野や障がい福祉分野で「処遇改善加算」という取り組みがなされています。サービスの報酬として事業所が加算を得るかわりに、人事制度を整えたり、従業員のキャリアアップのために研修を行ったりする事業所も増えているようです。職場が積極的にキャリアを応援してくれることで、働きながら効率的にキャリア形成がしやすいのは大きなメリットといえます。
そして、介護福祉士を取得するなどすれば、さまざまな分野で活躍したり、異なる職種にチャレンジしたりすることも可能です。
実生活でも役立つ
介護の分野で働こうとする人のなかには、実生活で介護の経験が活かせることをモチベーションにしている人も多くいます。 家族に介護が必要となっても、経験がなければ思わぬ困難が待ち構えているものです。その点、現場経験があれば身体のケアや社会制度の活用・手続きなどで慌てることも少なくなるでしょう。
働き方のバリエーションがある
介護を必要とする人々のなかには、夜間や週末の対応を求めるケースもあります。 そのため、平日の日中だけでなく、夜勤だけ行う、パートで週何日かだけ働く、スポットで助っ人のように現場に入る、副業として介護に従事するなど、さまざまな働き方が可能です。「介護職にチャレンジしてみたいけれど、自分にあうかどうかわからない」と感じている人は、未経験でパートや副業から始めてみることも一案でしょう。
未経験で介護職にチャレンジする際のポイント
未経験で介護職にチャレンジするには、以下の点に注意が必要です。
- 身体への負担を確認する
- 職場の考え・風土を知る
- 職場のサポート体制を確認する
身体への負担を確認する
「介護職は力仕事」というイメージがあるかもしれません。たしかに、身体の不自由な方のケアを行ううえでは、足腰に負担がかかったり、夜勤があって生活が不規則になったりして身体的な負荷がかかるでしょう。職場の情報や働き方を確認し、自分が働く姿をイメージするとともに、体質や既往などから働けそうかどうかを考えることも必要です。 また、利用者さんの身体のケアを行うときに一人で行うのか、正しい体勢・動きが身につく研修をしてもらえるのかといった、人員体制や研修体制も大きく関係してきます。
職場の考え・風土を知る
介護の仕事では、人のデリケートな部分に立ち入ったり、相談を受けたりします。そのため利用者さんから感情をぶつけられたり、大きな悩みを打ち明けられたりして想像以上に精神的な疲れを抱えることもあります。そこで重要なのは、職場の人間関係やサポート体制、そして職場の方針です。ケアで目まぐるしく動いているなかでも、従業員同士がアットホームに声を掛け合う職場が合っている人もいれば、オンとオフがはっきりしていて干渉し合わない風土を好む人もいます。
規律的に動くことを良しとする職場もあれば、「お互いさま」の気持ちで持ちつ持たれつという考えの職場もあるでしょう。感情労働の代表格である介護職だからこそ、職場の風土がストレスに大きく関係します。
職場のサポート体制を確認する
介護職は介護福祉士の資格取得をはじめとして、ステップアップが可能な仕事です。キャリア形成を応援してくれるかどうか、研修制度はどのようになっているかを確認しましょう。長く働くうえでは技術的な研修だけでなく、面談やメンター制度の有無なども重要です。相性を加味して教育担当者をつけてもらえると、未経験でも安心してステップアップできるでしょう。 未経験で介護福祉士を目指すには、実務経験、すなわち勤続することが必要です。
キャリア形成を見据えて介護職にチャレンジするにあたっては、「働き続けられる職場を選ぶ」ことを重視しましょう。 働き続けられる職場かどうかは、職場の見学や体験入社などを通じて確認したいと思うかもしれません。
しかし、介護の現場はプライバシー保護を要するため、見学が難しい場合も多くあります。 また、一時的な見学や体験会・交流会だけでは、職場風土や相性は見抜けない場合がほとんどです。
そこで、ミイダスのコンピテンシー診断などの診断ツールを用いて職場との相性を推し量ることも重要です。
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自分に合った職場で経験を積み、介護福祉士を目指そう
ミイダスにはコンピテンシー診断を活用して、企業とのマッチング度合いを見える化し、確かめられる機能があります。 募集要項では通常わからない応募先企業の考え・特徴と、あなたの特性がマッチしているかどうかを確認してから応募できます。
そのため、介護の現場で長く働き続け、キャリアアップを目指したい人にはおすすめです。 自分自身がどのような特性を持っているのかが採用担当者に伝えやすく、応募する段階で企業とどのようなところがどの程度マッチしているのかわかっていると、よりアピールもしやすくなります。
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