営業には「法人営業」と「個人営業」があります。転職を検討するなかで、 「法人営業と個人営業、何が違うのだろう？」 「転職にあたって法人営業と個人営業のどちらにするか迷っている」 と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、法人営業と個人営業の違いをさまざまな角度から解説します。転職活動の方向性を定める際に、ぜひご覧ください。

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法人営業と個人営業の違いは8つ

ここで解説する法人営業と個人営業の違いは下記のとおりです。

• 取引先
• 仕事内容
• 年収
• やりがい
• 有利なスキル・適性
• キャリアプラン
• 働き方
• 向き不向き

ひとつずつ見ていきましょう。

1.法人営業と個人営業の取引先

法人営業	個人営業
顧客が法人	顧客が個人

法人営業は取引する相手が法人（企業）です。企業を相手に営業して、契約を結びます。法人営業の商材には、下記のようなものがあります。

• DX化を促進するソフトウェアやシステム
• 自動車製造のための部品
• 加工食品の原材料
• オフィスやレンタルスペースなどの不動産
• 企業向けの人材サービスやコンサルティングサービス

法人が顧客のため、個人営業と比べて各取引の規模が大きくなる特徴があります。

一方、個人営業の主な顧客は個人です。個人営業の一例は下記のとおりです。

• 生命保険
• 自動車
• 個人向け金融商品（定期預金・住宅ローンなど）
• 住宅購入・住宅リフォーム
• 求職者向け人材紹介サービス
• インターネット回線

個人に向けて営業活動をして、商品やサービスを提供します。住宅や車など高額な商材もありますが、法人営業と比べるとそれぞれの取引額は小さい傾向です。

2.法人営業と個人営業の仕事内容

法人営業	個人営業
・営業活動が長期 ・決裁権がある複数人の承認が必要	・営業活動は短期 ・個人に決裁権がある

法人営業は大きな取引になるため、商品・サービスの提案から契約までに時間がかかります。1回の営業で契約が決まるケースはほとんどなく、長期的なアプローチや関係構築スキルが法人営業に必要です。

企業は法人営業から受けた提案を稟議にかけ、意思決定の権限を持つ複数人の承認を経たうえで決裁します。複数の担当者を納得させる難しさがありますが、同時に大きなやりがいや達成感にもなるでしょう。

個人営業の場合は、営業相手の個人が決裁権を持っているのが一般的で、契約・購入までのプロセスは短期です。そのため、個別のニーズを即座に把握して適切なものを提案するスキル、その場で契約や購入を決断させる売り込みスキルが求められます。

短時間で顧客と信頼関係を築く力や商品・サービスを魅力的に伝えるプレゼンテーション力が重要です。

3.法人営業と個人営業の年収

法人営業	個人営業
取引額が大きいぶん、年収も高くなりやすい	実績によってインセンティブが加算されることがある

法人営業は、それぞれの取引額が大きいため、その金額が給与に反映されやすく年収が高くなる傾向です。個人で営業活動したぶんだけではなく、チームや部署の成果が評価に加わることもあります。

個人営業は小規模の取引になるため、法人営業と比べると年収に差が出るかもしれません。しかし、営業成果の取引額や件数などによって固定額の給与に加えてインセンティブが付与される仕組みを導入している企業もあります。

必ずしも「個人営業だから年収が低くなる」ということはありませんので、転職したい企業の給与体系などを詳しく調べてみてください。 転職時の気になる年収については下記にまとめています。あわせてご覧ください。

【関連記事：転職によって年収はどうなる？上がる・下がる人の特徴や事例を紹介】

4.法人営業と個人営業のやりがい

法人営業	個人営業
取引先企業の課題解決や、規模の大きい商談に関われる	顧客と直接的な関係を築ける

法人営業は取引先の企業の課題解決に貢献できるほか、規模の大きな商談に携われます。大口契約が決まったときには「自分の力が取引の成約に貢献した」といった達成感につながるでしょう。

個人営業の場合は、顧客と直接的に関係構築できる点がやりがいにつながります。こちらの提案が受け入れてもらえたときには「◯◯さんに頼んで良かった」「親身に話を聞いてくれて、適切な商品を紹介してくれてありがとう」などと感謝の言葉を聞ける機会もあるでしょう。

Z相手の満足感や喜んでいる姿を直接見たり聞いたりできる点が、個人営業のやりがいと言えます。 「自分なら法人営業と個人営業のどちらにやりがいを感じられそうか」という視点で、転職先を選定するのも方法のひとつです。

5.法人営業と個人営業に有利なスキル・適性

法人営業	個人営業
・課題発見力 ・企画提案力 ・論理的思考力　など	・幅広い年代に受け入れられる好感度の高さ ・顧客のニーズを掴む力 ・顧客対応力　など

 法人営業には、取引先企業の課題を発見し、具体的な提案に落とし込む力が必要です。提案をする際には、論理的思考力があると役立ちます。 法人を相手にするため、営業のなかでも高いスキルが求められます。

個人営業には、さまざまな人に受け入れてもらいやすい、好感度や第一印象の良さがあるといいでしょう。商品やサービスを購入してもらうには、傾聴力や説得力、提案力も必要です。

とはいえ、上記はほんの一例です。法人営業と個人営業に共通するスキルには下記のようなものがあります。

• コミュニケーション能力
• 交渉力
• クロージング能力
• 行動力
• 臨機応変な対応力
• 信頼関係の構築力

このように顧客が誰であれ、営業には多様なスキルが求められます。 営業への転職時に有利となるスキルや経験、資格などは下記の記事で紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。

【関連記事：営業職の転職先になる職種は？活かせるスキルや転職のポイントを解説】

6.法人営業と個人営業のキャリアプラン

法人営業	個人営業
・組織のなかで昇進を目指す ・インサイドセールスやマーケティングの道へ進める可能性もある	・組織のなかで昇進を目指す ・営業企画や販売促進などの道もある

 法人営業も個人営業も、主任・係長・課長・部長といったように同じ会社の営業部門で昇進を目指すのが一般的です。昇進してマネジメントに関わることで、人材育成や組織運営などにも携われるチャンスがあるでしょう。

法人営業で培った交渉力や提案力を活かして、インサイドセールスやマーケティング、新規事業の立ち上げなどに関わる道もあります。場合によっては転職する際に「法人営業の経験必須」という条件を求める企業もあるので、多様なキャリア構築を目指せるでしょう。

個人営業の場合は顧客対応力や説得力などを活かして、接客業や販売業、営業企画・販売促進などに関わるキャリアも考えられます。営業力を持っていることで、さまざまな方面に活躍の場が広がります。

7.法人営業と個人営業の働き方

法人営業	個人営業
平日の営業時間内に働くことが多い	平日の夕方以降や休日に商談が入ることがある

法人営業は法人相手に仕事をするため、平日の営業時間内を中心に働きます。 個人営業は、顧客へのアポイントが平日の夕方以降や休日になる可能性があります。平日の日中は顧客も仕事をしていて約束を入れにくいためです。

個人営業の場合は、各顧客の要望に合わせて臨機応変に対応しなくてはなりません。視点を変えれば、状況に応じて自分の働き方を柔軟に調整しやすいとも言えます。 働く時間や休日は業界の特性・扱う商材によっても変わるため、転職する際には労働条件をしっかり確認しましょう。

8.法人営業と個人営業の向き不向き

法人営業	個人営業
・ロジカルな提案が得意 ・長期計画に沿った行動が得意 ・チームで動くのは苦にならない	・1対1の関係性構築が得意 ・チームより個人で動きたい ・人の話を親身に聞ける

 上記は法人営業と個人営業が向いている人の特徴をまとめたものです。しかし、あくまでも一般的な例のため、営業職への向き不向きは個人レベルで確認する必要があります。


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法人営業と個人営業、どちらを選ぶ？

法人営業・個人営業のどちらを選ぶのか迷ったときは、下記3つのポイントを意識してみましょう。それぞれ特徴が異なる仕事のため、ポイントを踏まえて自分が納得できるほうを選んでください。

業界に今後の需要があるか

企業を取り巻く環境の変化が激しく、今後の見通しも立てづらい時代と言われています。現在は好調な業界でも、今後の動向次第で需要が先細りになるケースも考えられます。

現在と将来予測されている動向を踏まえ、どの業界の営業職に就いたら活躍し続けられるのか分析することが大切です。

仕事への適性があるか

一般論や業界動向も大切ですが、特に重視すべきは自分が持つ能力や適性です。法人営業と個人営業、どちらの仕事に適性があるかという視点で転職先を絞り込みましょう。

また、これまで培ってきた経験やスキルが、法人営業と個人営業のどちらと親和性が高いかという観点も大切です。

しかし「自己分析を進めているけれど、自分の適性や強みが合っているのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。そのようなときは、ミイダスの「コンピテンシー診断」の受験を検討してみてください。

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キャリアアップの機会があるか

現在、どのようなキャリアビジョンを描いているでしょうか。転職をしたあとに構築していきたいキャリアによって、法人営業と個人営業のどちらを選択するか変わります。

どちらも管理職になる道はありますが、働く根本の目的が「企業の課題解決に貢献したい」なのか「個人の悩みに寄り添って最適な商材を提案したい」では転職の方向性が異なるのです。 自分の進みたいキャリアに沿った選択をするようにしましょう。

また、転職後に研修制度などでキャリアアップの機会があるのか確認することも大切です。未経験で転職する場合は特に、研修やサポートが充実しているかチェックしておくことをおすすめします。

法人営業と個人営業の適性を探り、求人を探すならミイダス

法人営業と個人営業の違いを、取引先・仕事内容・年収など、さまざまな角度から解説しました。 営業職と言っても、法人営業と個人営業では異なる部分がたくさんあります。

それぞれを比較して、どちらのほうが転職後に活躍できそうか分析したうえで採用選考に進みましょう。 転職を成功させるには、自分の適性や強みをしっかり把握しておくことが大切です。

自分の内面に持つ適性や強みを客観的な視点で可視化するには、ミイダスの「コンピテンシー診断」がおすすめです。 向いている仕事だけではなく、ストレスを感じやすい状況もわかるので、自分にとって心地よく働ける転職先探しに役立ちます。

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