「就職した企業でサービス残業が多い」
「仕事が忙しすぎて、休日や夜中に呼び出される」

このような、いわゆるブラック企業に勤めている人も少なくないのではないでしょうか。 また、ブラック企業から転職したいと考えているものの、どのように転職活動を進めればよいかわからなかったり、「ホワイト企業を見極める方法はあるのか？」と悩んだりすることも多いでしょう。

この記事では、ブラック企業の特徴を解説するとともに、そこから抜け出してホワイト企業へ転職する方法について詳しくご紹介します。

ブラック企業とは？

ブラック企業とは労働者の権利を軽視し、不当な働き方を強いる企業のことを指します。法的な基準を守らず、従業員に過度な負担をかけることが特徴です。

ブラック企業の問題は、単に労働環境の悪さにとどまらず、働く人の心身の健康にも影響を及ぼします。 さらに、労働意欲やキャリア形成に悪影響を及ぼし、転職や将来の選択肢を狭める要因にもなります。

こうした企業に長く留まることはリスクが高いため、働く環境を見直し、必要であれば転職を考えることがおすすめです。

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ブラック企業によくある15の特徴とは？

ブラック企業の特徴を知ることで自身の職場環境を客観的に見直せて、適切な判断を下せるようになります。以下では、ブラック企業によく見られる15の特徴について詳しく解説します。

1.長時間労働が常態化している

ブラック企業では、終業時間を過ぎても仕事を終わらせてもらえず、長時間労働が日常的に発生するのが特徴です。業務量が過多であるにもかかわらず、人員補充が行われないため、一人ひとりの負担が増大します。

「残業するのが当たり前」「早く帰ると評価が下がる」といった社風が根付いている場合も多く、慢性的な過労状態に陥ることがあります。

2.休日が極端に少なく、連勤が続くことが多い

法で決められた休日を確保せず、長期間の連勤を強いる企業もあります。本来、労働基準法では週に1日の休日が必須ですが、ブラック企業では休日の取得が困難なことが多いです。

「会社の都合で休めない」「休みを申請すると嫌な顔をされる」といった状況が見られ、結果としてワークライフバランスが崩れ、心身の疲労が蓄積していきます。

3.労働時間に見合わない賃金である

正当な賃金が支払われないことも、ブラック企業の特徴です。長時間働いていても、時給換算すると最低賃金を下回るケースも多くあります。

また昇給制度が曖昧で、成果を挙げても給料に反映されない企業も多く、社員のモチベーションが低下しやすいです。

4. 勤務時間の記録・管理が適切に行われていない

労働時間の管理が不透明な企業では出退勤記録を改ざんしたり、適切に管理しなかったりすることがあります。 タイムカードの打刻を強制的に早めさせたり、実際の労働時間と異なるデータを提出させたりするケースも。

この状態では、正確に働いた時間を把握できず、適正な給与が支払われないリスクが高まります。

5. 無給の残業が常態化し、暗黙の了解になっている

ブラック企業では残業が当然のものとされ、社員に無給で長時間働くことを求めるケースがあります。 「みんなやっているから」「終わるまでが仕事」といった風潮が根付いており、異議を唱えづらい雰囲気があるのも特徴です。

結果として労働者は正当な賃金を受け取れず、経済的・精神的に疲弊していきます。

6. 適正な残業代の支払いが行われていない

本来、残業には時間外手当が支払われるべきですが、ブラック企業ではこれが適正に行われません。「みなし残業制度」などを悪用し、固定の手当を支払うことで残業代を支払わないケースもあります。

また、給与明細に残業代が明記されず、どのように計算されているのか不明確にしている企業も存在します。

7. 事前の雇用条件と実際の労働条件に乖離がある

求人票や面接時の説明と、実際の労働環境が大きく異なるのもブラック企業の特徴です。こうした企業では、入社後に「話が違う」と感じる社員が多く、早期退職が相次ぐ傾向にあります。

たとえば「残業はほとんどない」と入社前に説明されていたのに、入社後は長時間労働が当たり前だったり、提示された給与と実際の支給額が異なったりすることもあります。

8. 従業員の定着率が極端に低い

ブラック企業では労働環境の悪さから短期間で退職する人が多く、従業員の入れ替わりが激しくなりやすいです。常に求人を出している企業は人材の定着率が低い可能性が高いため、応募時には注意しましょう。

また、「社員がすぐ辞めるのは本人の努力不足」と個人に責任を押し付ける企業もあり、根本的な労働環境の改善がなされないままになっています。

9. 職場でパワーハラスメントが横行している

上司からの理不尽な叱責や嫌がらせが日常的に行われているのも、ブラック企業の特徴です。このような職場では精神的なストレスが増大し、メンタルヘルスに悪影響を及ぼします。

ブラック企業では厳しい上下関係が強調され、逆らうことが許されない雰囲気があるため、パワハラを受けても相談できる環境がないことが多いです。

10. 職場環境が原因で精神的負担を抱える社員が多い

ブラック企業で働くと、長時間労働やパワハラなどが原因で精神的な負担が大きくなります。うつ病や適応障害を発症する社員も少なくなく、休職や退職を余儀なくされるケースも増えています。

特に職場の雰囲気がいつもピリピリしていたり、社内に相談できる窓口がなかったりする企業には注意が必要です。

11. 実態に見合わない役職者が過剰に配置されている

ブラック企業では、実際の業務内容に見合わない役職者が多く配置されやすいです。実際には管理業務がほとんどなく、通常の業務を行っているにもかかわらず、残業代が支払われないことが問題となります。

たとえば「課長」や「マネージャー」といった肩書きを与えることで管理職扱いとし、残業代の支払い義務を免れようとするケースなどがあります。

12. 退職の自由が制限されている、または退職を強要される

ブラック企業では従業員が退職を申し出ても認められず、辞めづらい環境が作られていることがあります。 また会社の都合で社員を一方的に解雇し、自己都合退職として処理するケースもあり、労働者の権利が侵害されるケースも。

さらに、辞めるなら違約金を払わなければいけないなど、不当な要求をする企業もあるようです。

13. 安全管理が不十分な環境で業務を行わされる

ブラック企業では労働環境が整備されておらず、従業員の安全が確保されていない場合もあります。 たとえば、工場や建設現場で適切な安全対策が取られていなかったり、オフィスで過労やストレスによる健康被害が放置されていたりすることがあります。

労働災害が発生しても報告されず、改善が行われない企業には特に注意が必要です。

14. 資格が必要な業務を無資格者に任せている

本来、専門的な資格を持つ人だけが行える業務を、無資格の従業員に強要する企業もあります。こうした環境では従業員だけでなく、顧客や取引先にもリスクが及ぶ可能性が高いです。

たとえば、医療・建築・電気工事などの分野では、資格がなければ業務を行えないケースが多いですが、ブラック企業では法律を無視して業務を遂行させるケースもあります。

15. 本人の同意なく、不合理な配置転換が行われる

ブラック企業では、従業員の意思を無視した配置転換が頻繁に行われます。たとえば、営業職で採用されたのに突然工場勤務を命じられたり、遠方の支店へ転勤させられたりするなどです。

これは、従業員にプレッシャーを与えて自主退職を促す手段として使われることもあり、不当な人事異動に苦しむケースが少なくありません。

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ブラック企業から抜け出すコツ

ブラック企業からなるべく早く抜け出し、よりよい環境で働くためには、慎重に準備を進めることが大切です。ここでは、ブラック企業から抜け出すための具体的な方法を解説します。

転職活動はこっそり進める

ブラック企業に勤めている場合、転職活動をしていることが会社に知られると、不当な扱いを受けるリスクがあります。上司から圧力をかけられたり、退職を妨害されたりするケースもあるため、転職活動は慎重に進めましょう。

仕事の合間に堂々と転職サイトを閲覧したり、職場のパソコンで履歴書を作成したりするのは避けるべきです。面接は休日や有給休暇を利用し、周囲に気づかれないように工夫しましょう。

次の会社の情報をしっかり調べる

「せっかく転職したのに、その会社もブラック企業だった」という事態は避けたいものです。そのため、転職先の企業についてしっかり情報を集めることが大切です。

会社の公式サイトや求人情報だけでなく、社員の口コミサイトやSNSなども確認し、リアルな評判をリサーチしましょう。特に「残業の実態」「離職率」「社員の雰囲気」などは、ブラック企業かどうかを見極める際の大きなポイントになります。

退職を伝えるときは強い意志を持つ

ブラック企業では、退職を申し出ても引き止められたり、理不尽な理由で拒否されたりすることがあります。しかし、退職の固い意思を貫くことが大切です。

退職を伝える際は、できるだけシンプルに「一身上の都合で退職します」と伝え、余計な説明をしないようにしましょう。感情的にならず、冷静に対応することがポイントです。

また、会社が退職届を受け取らない場合は、内容証明郵便を使って退職届を送れば法的に退職手続きを進められるでしょう。

退職代行の利用も視野に入れる

どうしても自力で退職できない場合は、退職代行サービスを利用するのもひとつの手段です。ブラック企業では、退職を認めてもらえなかったり、退職を申し出た途端に嫌がらせを受けたりすることが少なくありません。

退職代行を利用すれば、会社と直接やり取りすることなく退職できるため、精神的な負担を軽減できます。労働組合が運営するものや、弁護士が関与しているものを選ぶと安心です。

転職サイトを利用する

ブラック企業からの転職を成功させるには、転職サイトを活用するのもおすすめです。転職サイトには、業界や職種ごとの求人情報が豊富に掲載されているため、自分に合った企業を見つけやすくなります。

特に「ホワイト企業に特化した転職サイト」や「ブラック企業を避けるための口コミが充実したサイト」を利用すると、よりよい職場を見つけやすくなるでしょう。

転職でホワイト企業を見極める方法

転職活動を行う際、ブラック企業に転職してしまうリスクを避けるためには、ホワイト企業を見極める力が必要です。以下では、ホワイト企業を見極めるために注目すべきポイントを紹介します。

給与が適正であるか

給与が適正であるかどうかは、ホワイト企業を見極めるための重要なポイントです。給与が安すぎると、その企業が従業員に対して不公平な扱いをしている可能性があります。

給与の相場は業界や職種によって異なりますが、自分が求める水準と比較して適切かどうかをチェックしましょう。

また、給与明細の内容に不明瞭な点がないかを確認してください。特に「みなし残業」などが不適切に含まれていないかもチェックすることが大切です。

昇給・賞与の仕組みが明確か

ホワイト企業では、昇給や賞与の基準が明確に定められており、努力に応じた適切な評価が行われます。昇給や賞与が会社の業績や個人の貢献にもとづいて公平に決まる場合、社員のモチベーションも高く保たれやすいです。

面接時に昇給・賞与について具体的に尋ね、どのような基準で決まるのかを確認しましょう。

また、過去の実績や社員の声を聞くことも、会社の方針を理解する上で有効です。 曖昧な回答が多い場合、企業側の体制に疑問を持ったほうがよいでしょう。

年間休日120日以上が基本

ホワイト企業では、ワークライフバランスが重要視されており、年間休日120日以上を確保していることが多いです。休日の取得が容易で、プライベートの時間を大切にできる企業環境は、従業員の満足度や生産性の向上にもつながります。

求人情報に記載されている年間休日数を必ず確認し、実際の労働環境も面接でチェックしましょう。特に「完全週休二日制」や「有給休暇の消化率」について確認することで、その企業の実態がわかります。

固定残業代（みなし残業）が含まれすぎていないか

固定残業代（みなし残業）が多く含まれている場合、その企業が過剰な残業を強いている可能性があります。 みなし残業とは、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度ですが、その時間が過剰に設定されていると、実際には残業が多い可能性が高いです。

面接時に「みなし残業の時間数」や「残業の実態」について詳しく質問しましょう。

ホワイト企業では、残業時間が適切に管理され、過剰な残業を強いられることはありません。また、残業代の支払いについても、給与明細で確認できるかどうかを確認することが大切です。

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