「なぜ自分が異動に？」「これって左遷？」このように意図しない部署へ異動になり、戸惑いや不安を感じている方もいるのではないでしょうか。一般的に、今よりも地位や役職が下がる異動を「左遷」と呼びますが、場合によっては違法となる可能性があります。

本記事では、左遷の意味や似た言葉との違い、左遷の可能性がある人事異動のパターンやその理由、違法となるケースを解説します。左遷されたときの対処法も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、転職を視野に入れている方は、転職アプリ「ミイダス」がおすすめです。ミイダスの「コンピテンシー診断（特性診断）」で自分の強みや特徴を客観的に把握できるため、納得感のあるキャリアの選択肢が見つかるでしょう。

活躍できる可能性の高い企業からのスカウトも受け取れますので、ぜひ以下よりお試しください。

＼自分の強みや適性がわかる！／
ミイダスでコンピテンシー診断（特性診断）する

※登録後に無料で診断できます。

左遷とは？基本の意味とよく似た言葉との違い

ここでは、左遷の基本的な意味と、似た言葉との違いを解説します。

左遷とは「今より地位・役職が低くなる異動」のこと

左遷とは、「現在の地位・役職よりも下のポジションにさせられる異動」のことです。 例えば、課長から一般社員への降格や、本社勤務から地方の小規模な部署への異動などが挙げられます。

また、現在のスキルや能力が活かせない単調な業務を担当させられたり、極端に仕事が少ない部署に異動したりするケースも左遷と捉えられるでしょう。 本人の意志に反して配置転換される場合が多く、「評価を下げられたのでは？」とネガティブに感じる方も少なくありません。

なお、左遷の対義語は「栄転」で、今の地位や役職が上がりつつ転勤が伴う異動のことを意味します。

左遷の類語「降格」「更迭」「出向」の意味

左遷と似た意味を持つ言葉に「降格」「更迭」「出向」がありますが、それぞれ「何が違うのか？」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

以下に、それぞれの違いをまとめました。 意味の違いを理解しておくことで、会話や職場でのやり取りなどでも適切に使い分けられます。

• 降格：左遷とほぼ同じ意味で、地位や役職が下がることを指す
• 更迭：現在の地位や役職を解任し、別の人に入れ替えることを指す
• 出向：現在の会社に雇用されている状態で、別の企業や関連企業に勤務先が変わることを指す

なお、出向はスキルアップや人材育成を目的とする場合もありますが、待遇や業務内容など条件次第では左遷と捉えられるケースもあります。

左遷と感じるかどうかは従業員にもよる

結論として、同じ異動であってもそれを「左遷」と感じるかどうかは、当事者である従業員の状況や受け止め方によって異なります。

例えば、都市部の本社から地方の支店へ異動になったケースで「スキルアップのチャンスだ」「以前よりも仕事しやすい環境で働ける」と前向きに受け止める人もいます。

一方で、「評価を下げられた」「不当な扱いだ」とネガティブに感じる人もいるでしょう。 また、会社側の意図として「部署間のバランス調整」や「本人の適性を考慮した配置転換」が背景にあるケースもあります。

そのため、主観的な印象だけで「左遷だ」と決めつけるのではなく、状況を客観的に見極めることが大切です。 次の章では、実際に左遷と受け取られやすい人事異動のパターンを具体的に紹介します。

もしかして左遷？可能性が高い人事異動のパターン

異動を言い渡されたとき、「これって普通の配置転換？ それとも左遷？」と不安になることもあるでしょう。ここでは、左遷の可能性が高いとされる人事異動の特徴を、3つのパターンに分けて紹介します。

責任や裁量のない役職・部署へ異動になる

明らかに責任や業務量が減り、裁量のない部署に異動となった場合、左遷の可能性があるでしょう。

例えば、これまで担当していた重要な案件を外され、補助的なサポート業務ばかりを任されるケースや、将来的な昇進が見込めない「左遷部署」と呼ばれる部署に配属されるケースが該当します。 なお、仕事が与えられず「出世コース」から外れた中高年の従業員は「窓際族」とも呼ばれます。

小規模な部署や支店・支社へ異動になる

従業員数の少ない支店や支所、事業所に異動となった場合も、左遷の可能性があるでしょう。この場合、戦略的な人材配置なのか、それとも左遷なのかを見極めることが大切です。

特に、業務量が少なく評価につながる成果が出しづらい部署や、関係者がほとんどいないような支店・支所に突然異動させられるケースは、会社側から距離を置かれているサインかもしれません。

現在の居住地から遠方の職場へ異動になる

現在の住まいから極端に離れた場所への異動を命じられた場合も、左遷の可能性が考えられます。例えば、関東在住の従業員が、事前説明もないまま九州や東北などの地方支社への転勤を命じられ、家族と離れて単身赴任になるようなケースが該当します。

通勤が困難で、生活への負担が大きいにもかかわらず、本人の同意がない場合や納得できる理由が示されていない場合には、左遷を疑ってもよいでしょう。なお、こうした遠方の職場や通勤が不便な勤務地への異動は「島流し」とも呼ばれます。

左遷される理由は？該当する人の特徴

左遷にはさまざまな背景がありますが、会社側の判断には一定の傾向が考えられます。 ここでは、左遷の対象になりやすいとされる人の特徴を紹介します。事前に理由を把握することで、左遷の防止や適切に対処できるでしょう。

業務や給与に対して能力・成果が不足している

左遷の原因となる大きな理由の1つが、「業務や給与に対して能力や成果が不足している」ことです。例えば、業務に対する適性が低く、ミスが多い、成果が上がらないといった状態が続くと、部署全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすおそれがあります。

さらに、改善の姿勢が見られない場合や、同じ指摘を何度受けても状況が変わらない場合も「現場から外す＝左遷」という判断につながることもあるでしょう。こうした左遷を防ぐには、自分の適性を把握し、業務で求められている成果を意識して行動することが大切です。

なお、自分の適性を客観的に知りたい人は、転職アプリ「ミイダス」の「コンピテンシー診断（特性診断）」がおすすめです。強みや資質の傾向が数値でわかるため、今後のキャリアを見直すヒントになります。 誰でも無料で試せますので、以下より気軽に試してみてはいかがでしょうか。

＼自分の強みや適性がわかる！／
ミイダスでコンピテンシー診断（特性診断）する

※登録後に無料で診断できます。

社内の人間関係に大きく影響している

能力や成果が問題なくても、社内の人間関係に悪影響を及ぼしている場合は、左遷の対象になることがあります。 例えば、「部下に高圧的な態度を取り、周囲を萎縮させる」といったケースです。

このような人がいると、社内業務が円滑に進まなかったり、離職者や休職者が増えたりするなど、組織全体に損失を与えるリスクが高まります。

また、「感情的な言動が多くチームの雰囲気を乱す人」や「協調性に欠け、周囲とスムーズに連携が取れない人」も、左遷の対象となりやすいでしょう。信頼を失い、人間関係のトラブルにつながるケースが多いからです。

このような人がいると、会社側は「役職を下げる」「部署を異動させる」という対応を選ぶことがあり、結果として左遷につながる場合があります。

法的に問題がある左遷とは？具体的な4つの異動例

会社の異動命令は正当なものであることが多いですが、なかには明らかに不当で法律に反している左遷も存在します。

ここでは、違法の可能性がある人事異動の例を4つ紹介します。「この異動って違法？」と気になる方は、以下に該当していないかを確認してみましょう。

給与の減額が伴う異動

違法の可能性がある異動は「給与の減額が伴うケース」です。 左遷によって給与が下がった場合でも、それが会社の就業規則や賃金規程に沿っているなら違法には該当しません。

しかし、正当な理由もなく大幅に給与が下げられた場合の異動は、違法になる可能性があります。

例えば、2008年の「スリムビューティハウス事件」では、部長職だった社員が降格と同時に、賃金の4割以上をカットされました。裁判では「減額が過大であり、賃金体系の客観性がない」として、元の給与の支払いを命じられています。

このように、規定外の大幅な給与の減額が伴う左遷は違法にあたるでしょう。

会社の労働契約に沿わない異動

2つ目に注意すべき異動は「労働契約に沿わないケース」です。 例えば、入社時に提示される労働契約書に「転勤なし」「勤務地は〇〇限定」と明示されたにもかかわらず、急に遠方への異動を命じられた場合は、契約違反として違法となる可能性があります。

「入社時に聞いていた話と違うのでは？」と感じたときは、まずは労働契約書を確認しましょう。

正当な理由がないパワハラによる異動

3つ目に違反の可能性がある異動は「正当な理由がないパワハラによるケース」です。

具体的には、異動の理由を聞いても納得できる説明がなく、「上司との口論の後に急に異動を命じられた」「明らかに仕事が少ない部署に一人だけ移された」といった、突然不当な扱いを受けるケースは要注意です。

こうした異動には、業務上の必要性ではなく、上司や人事の個人的な感情による「いじめ」や「見せしめ」の意図があると考えられ、パワーハラスメントに該当する可能性があります。

【関連記事：上司に嫌われていると感じたら？嫌われる原因や対処法を紹介】
【関連記事：パワハラが理由の転職活動を成功させるには？退職理由の言い換えなど、ポイントを解説】

自主的な退職を促すような意図が疑われる異動

「自主的な退職を促すような意図が疑われるケース」も注意すべき異動と言えます。 例えば、通勤が困難なほど遠方の勤務地に異動させられたり、家庭との両立が難しいシフトに突然変更されたりするなど、プライベートに大きな影響が出て働き続けるのが難しくなるケースが該当します。

また、明らかに業務のやりがいが少ない「左遷部署」に異動させられ、役職や裁量を奪われると「ここで働き続ける意味がない」と追い込まれることもあるでしょう。こうした異動には、退職を促す意図がある可能性も否定できません。

本人の意思に反して「辞めさせるための異動」と受け取られる場合、違法と判断されることがあります。

「左遷されたかも」と感じたときの対処法

予期せぬ異動や配置転換を受けて「左遷かもしれない」と感じたときは、不安や焦りが強くなるものです。まずは冷静に状況を判断し、今後どう動くかを見極めることが大切です。

ここでは、「左遷されたかも？」と感じたときの対処法を4つ解説します。

異動の理由を会社に確認する

「なぜこの異動なのか？」と納得ができない場合は、まずは人事や上司に異動の理由を冷静に確認してみましょう。 会社側の説明によっては、「将来に責任ある仕事を任せるためのスキルアップ」や「職場再編に伴う配置転換」など、理由や意図が明確になることがあります。

会社の意図を確認せずに「これは左遷だ」と決めつけてしまうと、かえってキャリアの可能性を狭めてしまうかもしれません。 納得のいく説明があれば、不安や不信感が和らぎ、異動を前向きに捉えやすくなるでしょう。

専門機関・専門家に相談する

異動に際して、会社側の説明に納得できなかったり、精神的な負担が大きかったりする場合は、労働基準監督署や弁護士などの専門機関・専門家に相談しましょう。

異動が違法にあたるかどうか、今後どのように対応すべきかを、法律の知識を持つ第三者の視点からアドバイスしてもらえるため、冷静に判断しやすくなります。 また、相談の際には異動前後のやり取りや状況を、メモや日記などに記録しておくとスムーズに話を進めやすくなります。

能力やスキルアップを目指し、成長機会と捉える

異動の理由が自分の能力不足や成果の伸び悩みであれば、「自分を見直すチャンス」と前向きに捉えてみるのも1つの方法です。新しい部署で経験や学びを積み重ねることでスキルが磨かれ、再び評価される可能性もあります。

その際は、「新たなExcelスキルを取得する」「3か月後までにプレゼン資料作成スキルを高める」といった具体的な目標を立てて取り組むと効果的でしょう。 とはいえ、役職が下がったり慣れない環境に置かれたりすると、メンタルが落ち込みやすくなるものです。

気分が落ち込んだときは、生活習慣を整えたり目標達成後に自分にご褒美を用意したりするのも効果的です。前向きさや冷静さを保つことにつながります。 なお、仕事ができる人や20代で出世できる人の特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。スキルアップのヒントとして、ぜひご覧ください。

【関連記事：仕事ができる人の特徴13選！できない人との考え方・行動の違いも解説】
【関連記事：20代でスピード出世する人の特徴とは？出世するための転職方法も解説】

どうしても納得できない場合、転職も選択肢に入れる

「異動にどうしても納得がいかない」「モチベーションが上がらない」という場合は、転職を選択肢に入れるのも1つの方法です。 例えば、今の部署や仕事内容が自分の得意分野と合っていないと感じるなら、「本当に自分に向いている仕事は何か？」を見つめ直すタイミングかもしれません。

そのようなときは、自分の強みや適性を客観的に把握することが、納得感のあるキャリア選びにつながります。

【関連記事：30代で転職したいけどスキルがない！成功させる方法やおすすめの転職サービスを紹介】

なお、転職アプリ「ミイダス」の「コンピテンシー診断（特性診断）」を活用すれば、あなたの強みや特徴を数値で明確に確認することが可能です。キャリアに迷ったときこそ、自分を知ることが大切です。

以下から無料で診断できますので、ぜひ気軽に試してみてくださいね。

＼自分の強みや適性がわかる！／
ミイダスでコンピテンシー診断（特性診断）する

※登録後に無料で診断できます。

左遷を転機に「次のキャリア」を考えよう

本記事では、左遷の基本的な意味から、左遷と感じやすい人事異動のパターン、法的に問題があるケースから対処法まで詳しく解説しました。 左遷という言葉にはネガティブな印象がありますが、異動の意図を冷静に見極めることで、むしろ新たなキャリアのスタートになることも考えられます。

転職や今後のキャリアを前向きに考えたい方には、転職アプリ「ミイダス」の「コンピテンシー診断（特性診断）」がおすすめです。自分の強みを客観的に把握でき、自分に合った企業からスカウトを受け取ることも可能です。

「今の働き方を見直したい」「自分にぴったりの仕事を見つけたい」と感じている人は、まずは以下より診断を試してみてはいかがでしょうか。

＼自分の強みや適性がわかる！／
ミイダスでコンピテンシー診断（特性診断）する

※登録後に無料で診断できます。