「稼いでいるのに、なんで正社員にならなきゃいけないの？」フリーターとして働くなかで、このような疑問を持ったことがある人も多いのではないでしょうか。 しかし、フリーターに対して「収入が安定しない」「将来が不安」などネガティブな印象を持つ人も少なくありません。

この記事では、フリーターが世間のイメージが悪くなりやすい理由を解説するとともに、フリーターから正社員を目指すための具体的な方法について紹介します。

フリーターのイメージが悪いとされる6つの理由

近年、働き方の多様化が進むなかで、フリーターという選択肢を選ぶ人も少なくありません。 しかし、社会ではフリーターに対してネガティブなイメージを持つ人が多いのも事実です。

なぜ、フリーターは「良くない」と思われがちなのか主な6つの理由を解説します。

1.収入が低く不安定に見られがち

フリーターの多くはアルバイトや契約社員として働いており、正社員と比べると給与水準が低くなりやすい傾向にあります。 特に時給制の仕事が中心となるため、働いた分しか収入を得られず、病気やケガで働けなくなると一気に収入が途絶えてしまうリスクも高いです。

また、ボーナスや退職金がない場合が多く、経済的な安定が見込めない点も不安要素となり、「生活が不安定そう」「貯金ができず将来が心配」といったイメージを持たれやすいのです。

2.将来設計ができていないイメージがある

フリーターという働き方は自由な時間を確保しやすい反面、昇進やキャリアアップの機会が少なく、長期的な展望が見えにくいことがあります。

正社員であれば経験を積むことで役職に就いたり、収入が増えたりといったキャリアの道筋が見えやすいですが、フリーターの場合はそのような仕組みが確立されていないことが多いです。

結果として「何となくフリーターを続けているのではないか」と思われたり、「将来の計画性がない」という印象を持たれたりすることも少なくありません。

3.社会的信用が低い

フリーターは住宅ローンやクレジットカードの審査、賃貸契約などの場面で不利になることが多いです。金融機関から見て「安定した収入がない」と判断されやすいからです。

特に日本では正社員の雇用形態が一般的で、正社員であることが「安定した収入源」と見なされやすい風潮があります。 そのため、フリーターというだけで信用度が低くなりやすく、結果として「社会的に信用されにくい」「経済的に自立していない」といった印象を持たれやすくなるのです。

4.結婚相手として不利になる

結婚相手の経済的状況も相手を選ぶ選択肢のひとつとなります。そのため、フリーターは「安定した収入がない」「将来的に家庭を支えられるか不安」といった理由で、結婚相手として敬遠される可能性もあります。

特に、昔は「結婚するなら正社員のほうが安心」という傾向が強かったため、相手の家族からの反対にあうことも考えられるでしょう。 たとえ本人が努力していたとしても、フリーターという肩書きだけで結婚に対してネガティブな印象を持たれることもあります。

5.「世間体が悪い」と思われる

「新卒で正社員になり、定年まで働く」という生き方を理想としている人もいます。そのため、フリーターでいると「まともに就職できなかったのでは？」「何か問題があるのではないか」といった偏見を持たれてしまうことも。

特に親や親戚からの視線や世間の評価を気にする人ほど、フリーターでいることに対して肩身の狭さを感じることが多いでしょう。

6.働く意欲や忍耐力がないと思われる

フリーターとして働いている人のなかには、自分のやりたいことを優先したり、自由なライフスタイルを選んでいる人も多いです。 しかし、一部の人からは「楽な道を選んでいるだけ」「いち社会人としての責任を持てない人」といった否定的な見方をされることがあります。

このような偏見が、フリーターに対するネガティブなイメージが根付いてしまっている要因のひとつです。

フリーターで働き続けるリスクとは？

フリーターという働き方は、自由な時間を確保しやすく、自分のペースで働けるというメリットがあります。一方で、長期的に見たときのリスクも多いです。

ここでは、フリーターとして働き続けることで生じやすい主なリスクを解説します。

解雇されやすい

フリーターの多くはアルバイトや契約社員として働いており、正社員と比べると雇用の安定性が低い傾向にあります。 特に景気が悪化した際に企業は人件費を削減するために、まず非正規雇用の労働者から契約を打ち切ることが一般的です。

また、アルバイトや派遣の契約は数ヶ月ごとに更新されるケースが多いため、雇用が突然終了する可能性もあります。 そのため、フリーターは「仕事を失うリスクが常にある」という状況に置かれていることがデメリットのひとつです。

月々の給料が安定しない

フリーターの多くは時給制で働いているため、働いた時間によって給料が変動します。そのため、シフトの削減や体調不良で勤務日数が減った場合、収入が大きく下がる可能性があるでしょう。

たとえば、飲食業や販売業などの業界では、繁忙期と閑散期でシフトの入り方が変わるため、毎月の収入にばらつきが生じることが多いです。

また、正社員とは異なり、病気やケガで働けなくなった場合の保障も限られているため、万が一のときのリスクが高いという点も大きな課題といえます。

賞与や昇給が期待できない

正社員であれば、企業の業績や勤務実績に応じてボーナス（賞与）や昇給が期待できますが、フリーターは基本的にこの制度がありません。時給が上がることはあっても、大幅な昇給は難しく、長く働き続けても収入が大きく伸びる可能性は低いでしょう。

また、退職金などの福利厚生も受けられないため、長期的に働いたとしても、将来に向けた資産形成がしにくく、老後の資金を貯めにくいというリスクがあります。

フリーターは何歳まで続けられる？転職の目安とは

フリーターとして働いていると、年齢が上がるにつれて社会的な見られ方が変わります。フリーターを続けるのは何歳まで許され、どのタイミングで転職を考えるべきかを年齢ごとに解説します。

20代前半

20代前半は、フリーターとして働くことが比較的柔軟に受け入れられる年代です。この時期はキャリアの方向性を探るために、さまざまな仕事を経験するチャンスでもあります。

若い時期であれば親や周囲の理解も得やすいため、フリーターとしての生活を続けやすいでしょう。ただし、キャリアアップを目指したり将来の安定を考えるなら、20代後半を迎える前に転職を考えるのが望ましいです。

20代後半

20代後半になると、フリーターとして働いていることへの周囲の目が厳しくなる場合があります。特に同年代が正社員として安定したキャリアを築いているなかで、フリーターで働いていると「将来が不安定」と見なされることもあるでしょう。

また、結婚や家庭を持つことを考えると、安定した収入源が必要になります。そのため、20代後半はフリーターから正社員への転職を真剣に考えるべき時期といえるでしょう。

30代前半

30代に突入すると、フリーターとして働き続けることはさらに難しくなります。年齢的にも安定したキャリアを築くために、正社員として働く必要性が高まりやすいです。

また、フリーター歴が長くなると転職の際に不利になることもあります。家庭を持つことや、将来を見据えて安定した収入を確保したいと考えている方は、すぐに正社員を目指すべきでしょう。

【関連記事：30代で転職したいけどスキルがない！成功させる方法やおすすめの転職サービスを紹介】

30代後半

30代後半になると、フリーターとして働き続けることはますます厳しくなります。この年齢でフリーター歴が長いと、正社員としての採用が難しくなるケースが多いです。

35歳以上でフリーターを続けることは、将来的に生活が不安定になるリスクが高くなるため、できればすぐに転職を考えるべきでしょう。可能であれば、35歳を過ぎる前に正社員を目指すことが望ましいです。

【関連記事：40代の転職が厳しいって本当？成功させる8つの方法や手段を紹介】

フリーターから正社員に転職する方法

フリーターから正社員に転職するには何を行えばよいのでしょうか。ここでは、フリーターが正社員に転職するための方法を紹介します。

社員登用を検討する

フリーターから正社員に転職するときの最もスムーズな方法は、社員登用制度を利用することです。多くの企業では、アルバイトや契約社員から正社員への登用制度を設けています。

まずは、現在働いているアルバイト先で社員登用のチャンスがあるかを確認し、積極的にその機会を活用しましょう。社員登用試験や面接に備え、自己アピールやスキルアップを意識して行動することも大切です。

社員登用制度のあるアルバイトをする

社員登用制度があるアルバイトを選ぶことも、正社員を目指す方法のひとつです。アルバイトとして働きながら、その職場での経験を積み、正社員登用を目指せます。 企

業によっては、アルバイトからスタートし、一定の期間を経て正社員になることを推奨しているところもあります。求人情報で「社員登用あり」のアルバイトを選ぶことで、正社員のポジションに近づけるでしょう。

求人サイトに応募する

フリーターから正社員への転職を目指す場合、求人サイトを活用するのもおすすめです。求人サイトには、正社員の募集情報が豊富に掲載されています。 自分のスキルや希望条件に合った求人を見つけて応募することで、転職のチャンスを広げられます。

履歴書の書き方や面接対策に関するアドバイスなど、転職活動に必要なサポートを受けられるのも魅力です。

ハローワークを利用する

ハローワークは無料で求人情報を提供してくれるだけでなく、職業相談や履歴書の添削、面接対策などのサポートも受けられます。

また、地域に密着した求人が多く掲載されており、特に地元での正社員転職を希望しているフリーターは活用するのがおすすめです。自分の希望に合った求人を見つけるためにも、積極的に利用しましょう。

就職支援サービスを利用する

就職支援サービスを利用することで、正社員になるための転職活動を効率よく進められます。就職支援サービスは、キャリアカウンセリングや企業とのマッチングを行い、あなたの転職活動をサポートしてくれます。

フリーターから正社員への転職をサポートするプログラムも多く、履歴書の書き方や面接対策に関しても手厚いサポートが受けられるのもメリットです。

紹介予定派遣として働く

紹介予定派遣は派遣社員として一定期間働き、その後、企業の正社員として登用されることです。派遣社員として企業の雰囲気や業務内容、同僚や上司との相性を実際に体験できるため、自分に合った職場かどうかを確認できます。

企業側にとっても、採用前に実際の働きぶりや適応能力を見極められるので、お互いにとってのリスクを減らせるのが魅力です。

フリーターから正社員になるためにやるべきこと

フリーターから正社員に転職するには、計画的に行動することが大切です。ここでは、フリーターから正社員を目指すためにやるべき具体的なステップを紹介します。

自己分析を行う

フリーターから正社員に転職するための第一歩は、自己分析を行うことです。自分がどのような仕事に向いているのか、どんな職場環境で働きたいのかなどを明確にしましょう。

自分の強みや弱み、過去の経験を振り返り、どの仕事で自分を最も発揮できるかを見極めることが大切です。また、どんな職種や業界が自分に合っているのかを知ることで、転職活動がより効率的に進められます。

【関連記事：自己分析でやりたいことを見つけよう！行うメリットや活用できるフレームワークを紹介】
【関連記事：自分の強みとは？弱みも見つけて転職活動でうまくアピールする方法を紹介】

スキルや資格を身につける

スキルや資格を身につけてから、転職活動を始めるのもおすすめです。企業は経験だけでなく、特定のスキルや資格を持った人材を求めています。

たとえば、IT関連の仕事を目指す場合はプログラミングスキルを、営業職を目指す場合はコミュニケーションスキルやモノを売った実績など、自分が目指す職種に必要なスキルや資格を調べてから学習を始めましょう。

転職エージェントに相談する

転職エージェントは求人情報以外にも、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策などのサポート対策を行ってくれます。業界の最新情報や企業の内情についても知っているため、非公開求人にアクセスするチャンスも増えるのが魅力です。

自分の希望に合った求人をピックアップしてくれるため、自分一人で転職活動を進めるよりも効率が上がり、成功の確率が高まるでしょう。

【関連記事：転職エージェントは使わないほうが良いって本当？他のおすすめ方法も解説】

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